「土作り」を再考してみよう | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一

「土作り」を再考してみよう

 

前回のブログで「土作り」は長期間かかるというイメージは間違っているのではないかと書いた。

もちろん有機物が不足している、土壌化学分析値が偏っているといった部分の矯正も「土作り」には重要でしょう。しかし、作物栽培にとって土壌硬度分布が最も大きい影響を与えていることがわかっているので土壌硬度分布をコントロールできれば「土作り」の最重要部分をカバーできるのではないかと考えている。(異論のある方も多いでしょうけど)

 

では今までいわゆる「土作り」と言われてきたものは一体何だったんだろうか。

私自身はあまり「土作り」の必要性を説いてこなかった。

と言うのは、「土作り」を意識するあまり有機物の大量投入が行われてきており、それがむしろ栽培にとってマイナスになることのほうが遥かに多かったためである。そのため、むしろ過剰な有機物投入による「土作り」に警鐘を鳴らしてきた。

「土作り」が誤解されているのは良い土ではないと、良いものが取れないというようなイメージが大きい。それは間違いないのだが、「良い土とは何か」という定義がまったくなされないまま、あやふやな目的に向かっているということが問題だ。良質堆肥を投入する、土壌の化学性を矯正する、などなど。

土壌化学性の矯正はぜひともした方が良いが、有機物の投入が問題だ。良質とは何かという点もある。場合によっては非常にコストがかかったりする。

私が必要と考えるいわゆる「土作り」は、土壌の維持である。

農業者にとって必要なことは土壌を自然に戻すことではなく、経営にとって最も有利な状態の土壌を維持する点にある。

別に過度に柔らかくしたいわけでもなければ、元の状態に戻したいわけでもない。

土壌の化学性の維持というのは土壌分析を行ない適切な施肥を行うことで可能である。

しかし、土壌の物理性についてはほとんどなんの指標もなく、調べたこともないという人が大部分だと思う。

もちろん土壌硬度分布は土壌の物理的な性質のうちの一つにすぎない。

しかし、作物の生長と密接な関係がある以上有効な指標になるのは間違いないと思う。ということは、「土作り」土壌の維持の方向性として適正な土壌硬度を維持するということでもあながち間違っていると思えないのだ。

つまり私の現在の考え方は、土壌硬度分布をどのようにコントロールするかのかということに向いている。

自分の圃場の土壌硬度分布を知らないということは、その方向性すら見極めることが出来ない可能性があると考えている。

ここで問題なのは栽培にとってもっとも重要な土壌硬度分布を殆どの人が測定したことがないという事実ですね。棒で挿すということはよく行われていますが、数字に置き換えている人は殆どいません。

ですから、いわゆる「土作り」を行ってもその結果や効果を知らないわけです。

これは土壌の化学性のpHを測定していないことに相当する。

今後、土壌硬度分布を測定することにより多くの人が自らの圃場の状態を知り、どのような土壌硬度分布にしてゆくのか。ということが非常に重要になると思っている。

 

現在の土作りの目標といえるものは土壌の化学性については完備されているといえる。しかし、物理性については指標がない。このあたりの土作りの指標の一つとして今後、土壌硬度分布はなり得ると考えている。

以上は私の現在での仮説に過ぎませんが、下記の研究会などでもっと突っ込んだ議論をしつつ土壌のコントロールする術を見つけたい。

 

「農業を科学する研究会」の説明会が開かれます。興味のある方はぜひご参加ください。なお東京会場は既に満員になっているそうですが、大きな会場への変更を検討中のようです。

私岡本が説明会に参加して説明することになります。興味のある方はぜひご参加ください。

農業を科学する研究会公式ブログ

 

 

「農業を科学する研究会」説明会

 

①2月20日(月)札幌開催:16時集合、16時10分開始~17時45分終了予定

 会場:「TKP札幌ビジネスセンター」カンファレンスルーム5C

   札幌市中央区北3条西3丁目1-44 ヒューリック札幌ビル5階

   JR札幌駅南口より徒歩5分程度、札幌市英南北線「さっぽろ駅」9番出口直結

 

②2月21日(火)東京開催:17時00分集合、17時10分開始~19時45分終了

 会場:「EX会議室」 東京都港区高輪3-25-18 関ビル4階 4B号室

   JR品川駅高輪口から徒歩1分

 

③2月22日(水)名古屋開催:17時集合、17時10分開始~18時45分終了

 会場:「チサンホテル名古屋」第二会議室 

   愛知県名古屋市中村区椿町6 中村区椿町6-27

   JR名古屋駅太閤口から徒歩5分

 

④2月24日(金)熊本開催:17時30分集合、17時40分開始~18時45分終了

 会場:「未来会議室」MTG BOX4 熊本市中央区下通1-12-27 

   CORE21下通ビル5階

   熊本市電「辛島町駅」から徒歩5分

 

 


農業を科学する研究会
 

 

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