歩留まりこそ重要だ!!! | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一









多くの方が収量や品質をあげようと考える。これは、無駄だということを書いた。


これについては、以下のリンクを参照してください。


高品質・高収量を目指してはならない



http://ameblo.jp/nougyoukonnsaru/entry-11424431749.html


まず初めに、いつものように工場の例からあげよう。


一日に100個のネジが作れる工場がある。


100個のネジを作って、99個できれば歩留まり99%。50個なら50%。


農業的に考えると、一日の収量は、歩留まり99%のところであれば99個が収量。50%の所では50個が収量となる。




では、農業的な収量を考えてみよう。


生産の現場では圃場での収量調査を行わないので、実は、本当の収量というのは殆どの人が把握していない。


多くの人にとって収量とは、出荷量だ。出荷量は殆どの人が把握している。しかし、それが収量なのか?畑に捨てられたものはなんなのか?


つまり、出来たものの量だけを把握しているということだ。捨てられたものネジの例で言えば、不良品はカウントしていない。つまり本来100出荷できたものだったのか、50出荷できるものだったのかを知らない、つまり歩留まりは誰も把握していないということになる。




もうひとつ考えなくてはならないことがある。農産物の大部分は、畑においておくと重さが増える。誰でも知っている事実だ。


例外があったら挙げて貰いたい。馬鈴薯、ほうれん草、レタス、トマト全てそうだ。


ということは、出荷量は出荷日が遅れれば遅れるほど増えることになる。


では、みなさんの把握している出荷量の意味は、何?


収量の意味とは何?


そう、一般的に把握している出荷量は、非常に曖昧かついい加減なものなのだ。


現場では、取り遅れ、早すぎが混ざってくるために、大まかには把握できるはずだし、天候との兼ね合いも考えた上で自らの経験で非常に大雑把には把握できているとは思う。


では、皆さんが把握している収量とは何か?非常に大雑把な感覚でしかない。




では歩留まりを知ったら何ができるか?


出荷できなかったものが出荷できるようになったらどうなるか?収量が増える。つまり、不良を減らすことがまず収量を上げるという第一のポイントだということだ。


ほんとうの意味での収量増の試行錯誤は、実は大変だ。品種の置換えから始まって、土づくりも含め、多くの試行錯誤が必要になる。しかし、不良を減らそうと考えるとどうだろう。


どんな理由で、どうしてダメだったのか。不良の調査をすると見えてくる。もし、不良をカウントし、不良になった原因を把握、それに対処する方法を考えたら、出荷量は増える。


いわゆる意味での収量を増やすことよりも、はるかに簡単に行うことができる。


しかし、現在誰も不良の原因をきちんと把握していないために、曖昧な対応策になってしまう。100%になったらどうするか、その時はじめて本来の収量の増加策を採るべきなのだ。




具体的な方法だが、一定の区画面積を決め、不良品の数と不良の理由を調査する。目安としては、不良品も含め100個くらいを見るのがいいだろう。それより少ないとちょっと、統計上問題になると思う。


一番いいのは、100なら100個と決めて、不良も含めすべての重量を一個づつ測定する方法だ。不良であれば重量とともに理由を記載する。


こうしてデータをとり続けたら、どの時期に不良率が多く、何が理由なのかはすぐに分かる。その時対処すべきは、最も不良率の高い原因にたいしてだ。その問題が解決したら二番目の問題に対処する。そのようなことを続ければ、不良率をかなり減少させることが出来るだろう。


収穫期というのは、最も忙しいということはわかるが、今の日本の工場で不良の理由が曖昧とか、自社工場の不良率を知らないということはありえない。常識、基本の基本だ。農業でやっても悪いことはない。

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