ペルセウス座流星群の観測記です。

 

8月13日夜、ペルセウス座流星群が極大を迎えました。

コロナはなくなったわけではなく、むしろ拡大しているので迷いましたが、今年は気を付けつつ(公共交通機関内ではみんなマスクした方が良いとは思います)、見えそうな清里高原へ行きました。

 

13日昼、隣駅の野辺山へ行き、天文台を見学します。

夏らしく向日葵も咲いていて、いい天気です。

 

が、その後駅に向け歩いていたら天気が急変。大雨になりました。

雨具での抵抗むなしく、濡れてしまいました。

 

さて、17時過ぎ、清里のペンションへ。

雨は止みました。雲は多めです。

気長に待つしかありません。

 

20時過ぎ、雨の音がする気がしながらペンションのベランダに出てみると、聞こえていたのは近くの川の音で、雲が所々切れて星が見えていました。

ふと見上げると、はくちょう座の辺りを群流星が流れました。思わず「流れた」と声を上げてしまいます。

他の宿泊客や宿のマスターも見ていました。

 

21時ごろ、明るい点がさそり座を西から東に横切りました。飛行機のように点滅せず、人工衛星より少し早く、-1rR(-1等級でやや速い)ぐらいでしたでしょうか。(twitterには勢いでvRと書いてしまいましたが誤りです。)散在流星です。

ほぼ水平に流れて見えて、不思議な流星でしたが、火球報告の掲示板やSNSでの情報によれば、瀬戸内まで見えていたようです。

 

その後、少し曇ったり、また雲が切れたりしましたので、雲が切れる度23時前まで出たり入ったりして星を見ました。

さすが清里で、雲量は全天の6割以上あるのですが、暗めの星も見え、HR=10程度は見えます。

22:06に夏の大三角を横切った群流星は、0MT(0等級、速さ普通、痕あり)で、途中増光して見えました。

 

雲が多めで部屋に引き揚げた時も、窓が大きめだったので、部屋を暗くして、外を眺めました。

00:30頃、ちょうど窓から見える位置を流星が流れました。みなみのうお座の辺り、2rR(2等級、やや速い)。

 

そのまま寝て、06:00台に日の光で目覚めました。健康的。

 

やや控えめながら、幸運に恵まれた流星観測でした。

 

窓からの風景(15秒露光、「星空モード」で強調されています。)

今年は「平家物語」のアニメが放送され、(また大河ドラマでは鎌倉幕府成立前後が題材となり)源平合戦が話題になった年でした。

 

平家物語に何度か出てくる言葉に「いまはかう」というものがあります。

例)「此世なかの有様さりとも存じ候ひつるに、いまはかうにこそ候めれ」(巻第七 主上都落)

 

現代語にするならば、もう終わりだ、などとでも解すべき、乱世の人々の諦観の言葉です。

 

今年、令和4(2022)年は、乱世と形容すべき、大変な年でした。

 

年始、国内で一旦落ち着いていた新型コロナウイルスはまた拡大し、グラフでいえば高い山を築きました。

フンガトンガ・フンガハーパイの噴火は、現地に被害をもたらしたのみならず、日本にも潮位変化の影響を及ぼしました。

 

そして2月、ロシアがウクライナに侵攻しました。

年末からロシアの動きは警戒されていましたが、暴挙には驚かされました。

到底正当化できるものではありません。

ロシアの占領地では、恐ろしい出来事が起きていました。

残念ながら、戦争は今も続いています。

 

夏頃、新型コロナウイルスの感染が拡大しました。

ワクチン接種のおかげもあって死亡率は下がったはずでしたが、爆発的な拡大は医療を圧迫し、感染者の全体数が増えれ死者も増えました。「重症者」よりも急速に。

軽症で後まで残らなかったのは不幸中の幸いでしたが、私自身も感染し、喉の痛みや咳、熱が出ました。

 

7月、安倍元首相が暗殺されました。

日本国内でこのようなテロが起きたことは衝撃でした。

国葬やそこでの菅前首相の弔辞、国会での野田元首相の追悼演説がとても良かったことはせめてもの救いであり、暴力に屈しない決意を強めなければなりません。

 

9月、エリザベス女王が崩御しました。

新国王に全幅の信頼を寄せるものですが、世界的に不穏な情勢下で、長く在位した君主がいなくなることには不安感が否めません。

 

昨今の防衛力強化関係の報道は、中国の不穏な動きとそれへの対応が、迫ってきている課題であるものと理解しています。

 

ドイツで年末に露呈したクーデター未遂にも驚かされました。

自由が失われた香港やミャンマーは良くなりませんし、アフガニスタンでは女性の自由が蹂躙されています。

 

今また新型コロナウイルスが日本国内で拡大しています。

中国は政策を急転換させ、ワクチン接種や感染歴の状況ゆえか感染が拡大し、情報やゲノム解析を当局が押さえこんでいる状況で、2020年初の再来の感があります。

 

アニメ「平家物語」は原作を損なわず、それでいてどこか救われる最終回で終わりました。

乱れた世が永遠でないことを確信し、自由世界を守るため、できることをしていきたいものです。

一か月遅れの、皆既月食の報告です。

 

今回も東の低空から南側が開けた関東の沿岸部に行き、双眼鏡で観測しました。

当日は、天気に恵まれ、皆既の時間も長く、以下が観察できました。

・半影と本影の濃さの違い

・おおよその一次・二次・三次接触時間

・皆既中の影の濃淡による色の差

・天王星食直前の、近づいていく様子

 

記録や写真をもう少し詳しく書きます。

 

 

月食の経過 

 

 

今回も国立天文台のスケッチ用紙に記録を取りました。(なぜか画像が回転してしまいます。)

 

 

18時前に観測開始。まだ本影食は始まっていませんが、月の端が薄暗く感じます。

半影でしょうか。

 

18時10分頃、たしかに濃い影が月にかかり始めました。おそらく一次接触でしょう。

18時台、食分が大きくなるにつれ、影の色がこげ茶から赤っぽく見えてきました。

19時17分頃、完全に月全体が赤くなったように見えました。これを以って二次接触と捉えることにしました。

 

皆既月食が始まってから、月面をよく見ると明るいオレンジの部分と、暗めのこげ茶に近い部分とがあることに気づきました。

地球の影も中心と周縁では濃淡があることのあらわれかもしれません。

 

20時43分、端が白く見えてきました。皆既食終了です。三次接触の時間と捉えることにしました。

あっという間に白い部分が戻ってきます。

 

そのまま21時30分に差し掛かるぐらいまで観測し、(帰宅が遅くなってしまうので)観測地を離れました。

敷物や双眼鏡を片付けていた関係で、スケッチ用紙はもう少し早く終わっています。

 

 

天王星食 

 

 

今回は天王星食が同時にあることが話題になりました。

双眼鏡で覗いてみると、たしかにそれらしい位置に一つ星が見えます。

本当に天王星か怪しんでいたのですが、周りに双眼鏡程度で見える明るさの星は他にないらしいと聞き、確信しました。

たしかに、だんだん月に(見た目上)近づいていきます。地味ではありますが、これが惑星食かと感心しました。

 

20時41分が潜入開始(東京なら)とのことでしたが、どの5分ほど前には、皆既食とはいえ月の方が明るいためか、天王星の位置が不明瞭になり、潜入時間を測ることはできませんでした。

 

 

写真 

どうにか写真も撮りました。

 

(11/8 19:40撮影。f/2 ISO250 1.6s 皆既食中の月面の色の差が分かります。)

 

感想 

今年も記録を取りながら月食を見ることができ、有意義でした。

元々計算されたものを知っているからこそでもありますが、おおよその接触時間を測ることができたのは天候に恵まれたおかげです。

暗くて見えないだろうと思っていた天王星も、潜入の瞬間こそ分からなかったものの見えて良かったです。