采配騒動ネタ、ラストです。

事実としてはどうでもいい騒動であり、そのくせ、さまざまな立場にある人の感情を刺激しやすい事例だっただけに、先走って暴走する人も現れたりして興味深い展開を見せた落合采配問題も、山井投手の肉刺が本当だったことが、写真および第三者の証言等によりいかんなく証明され、騒動終了。

◎優先順位/心はいつもドラゴンズブルー♪
http://blog.goo.ne.jp/urarami/e/7e88bfb96660262433e54f82db46740f
(概観するのに便利なためリンクさせてもらいました。)

結構色々な人からコメントが出たことにより、その人の言論に対する態度とかマナーとかいうことが明らかになったことが、今回のいちばんの収穫かな。

それにしても、野球評論家って、案外気楽な職業のようです。ふつう評論家と名の付く者ならば、言及する対象についてあらゆる情報を可能な限り集め、証拠を挙げつつ論証していかないと商売にならないものですが、そうでない分野もあったみたいですね。そこはどうやら、ろくすっぽ取材もしないばかりか、その日の新聞記事(それもみずから専門とするところに関わる記事)すらまるでチェックしなくても喋ることのできる分野みたいです。

谷沢健一氏は、マメの情報を速やかに公表しなかった落合監督をなじることにより、みずからの取材不足を責任転嫁する発言をしました。OBなら訪問取材くらいしてほしいものですが、それが難しくとも、公衆の面前で話す前にせめて、たとえば当時のベンチの事情を知る者(たとえば阿波野氏など)に話を聞く程度の知恵が働かなかったのでしょうか。それとも、最初からやる気がなかったのでしょうか。要するに、氏の職業倫理というのはそういうもののようです。

彦野利勝は取材不足もさることながら、それ以前に、およそ言論に関わるものとしての最低限のマナーも備えていません。お里が知れます。

まあ、嫌味はこのくらいにして。

まともな落合批判もありました。江本孟紀氏のものです。明らかになった全事実を踏まえた上でも、彼の批判は有効です。たしかに、素人にも訴えかけるようなプロ野球全体の人気という観点から判断すれば、今回の交代劇は批判されるべきでしょう。ただそれは、プロ野球人気というものが一人の監督によってどうこうなる種類のものでないこと、および落合博満という人の公然たる行動原理を考えると、理想論に過ぎるように思えます。まあ、そこは、意思の格率の問題というやつでしょう。あくまで「野球という職業で稼ぐ」ことをすべての価値とする落合監督は、人気優先の江本氏らとはすでに価値観が違っているのですから。

それにつけても、思いますね。この程度の他者すら許容できない理性って、何なんだろうね、と。

とりあえず今度の騒動は、野球評論家たちの言葉の信頼度を客観的に明らかにする役目を果たしました。かれら一人一人が自分らの言葉にどれほどの職業的倫理観を持ち、どういう姿勢で言葉を選んでいるか、これほど衆目に明らかになった事例はなかったでしょう。既にネット上でもこの騒動は、事実上そういう扱いになっているようです。

さて、誰が何点ついたことやら。