星野美優は 4年間 ず~と 付き合っていて 心から愛していて彼 ケンに ふられて 手首を切り 自殺を図った。


幸い 家族が 早期に発見し 救急病院へ運ばれた。


その時の担当医が 今の ご主人 星野豊だった。


愛する男に ふられて 心身ともに ズタズタの ボロボロ状態だった 美優の 身体と 心を 救ったのが 星野豊だったのだ。


美優に 好意を持った 豊は 凍り付いた 美優の心を ゆっくり解き放ち 美優の心に 再び 命の火が灯った頃には 二人は 愛し合っていた。


やがて 二人は 結婚した。



結婚して 2年 まだ 子供は出来ないが 幸せな結婚生活をしていたように 回りからは 見えた。


そんなある日 ご主人の 豊が 久しぶりに 仕事が早く終わると メールがあり 外で食事をして 映画でも見ようということになった。


喜んで 待ち合わせ場所に向かった美優の前に 偶然 別れた恋人 ケンが 現れた。


昔のまま 格好良かった。


美優を見かけた ケンは 真っ赤な オープンカーの ボンネットに 軽く腰掛けて 笑顔で 手を振った。


それは ほんの偶然だった。


しかし ケンの姿を見た 美優は 不思議に 心が躍った。

動きだした 心は 止めることが出来なかった。


忘れたはずの 恋人 ケン・・・。


しかし、 本当は 一度も忘れたことはなかった という事実に 美優は 今 改めて 気づいた。


( やっぱり・・・、 ケンが 好き・・・。  ず~と 好きだったわ。 )


美優の 頭に 夫の豊が 一瞬浮かんだが 目の前の 忘れられない 爽やかな ケンの姿に 完全に 追い出されて 消えた。


数秒後 美優は ケンの 車の 助手席に乗っていた。


病院での仕事が 予定より早く 片付いた 豊は 待ち合わせの オシャレな レストランに 時間より 少し早く着いた。


そして 店の オーナーに サプライズを お願いした。


花束と 記念のネックレスを 食事の 途中に 持ってきてもらう事を依頼したのだ。


もちろん OKを もらった。


今日は 二人が 正式に つきあい始めた 記念日。


豊が 美優に 結婚を前提に 付き合って下さいと 初めて打ち明けたのが このレストランだった。


豊は 初めてあった頃のように やや緊張して 愛妻 美優を 待った。


約束の時間を 15分ほど 過ぎた頃 メールを 送った。


返信は なかった。


心配になって 美優の携帯に電話した。



しばらく呼び出し音が鳴ったあと 電源が切られたのだろうか・・・、その後は 「電源が・・・」の アナウンスが 流れた。



( 以下 次回へ )