恐れず言います。


歯科医師は もはや 見捨てられてしまいました。


診療報酬の著しい減額、インプラント・バブルの崩壊、矯正歯科治療の過当競争など、もはや歯科医院全体の存続の危機が迫っています。

歯科技工士、歯科衛生士なども それにつれて 厳しい状況になってきています。

補綴物、歯科技工物作成価格の低下に伴い 国内生産では割が合わず、海外から安い粗悪品(言い過ぎです)が 流入し、技術そのものの低下も著しくなっています。

僕たちが 小さい頃から学生時代までは 歯医者さんというと 卒業して すぐに開業して すぐに儲かって 羨ましかったです。 

歯医者さんというと もの凄い金持ちのイメージが強かったですし、実際に そうでした。


しかし、今 苦労して歯学部を卒業しても 勤務先も少ないですが 平均給与は 驚くほど低く、無理して開業しても 借入金の返済の目途さえ立ちません。

国公立の 歯学部は元々 少なく 殆どは 私学ですので、入学金授業料などは 凄く高いと考えて頂いていいと思います。

しかし、その莫大な投資(?)の回収は 不可能な時代になってしまいました。

歯科診療でも いわゆる健康保険の適用対象となる「保険診療」と 患者が自費で全額を支払う「自由診療」を 組み合わせた いわゆる「混合診療」は まだ許されていないとのことですが、医者である私も 最近まで 解禁されていると思っていました(笑)。


その分からない理由が・・・、


歯科には51 年通知というルールが設けられているらしく、それは

「歯科領域の差額徴収の廃止に伴い、保険給付外の材料等による歯冠修復及び欠損補綴は保険給付外の治療となるが、この取扱いについては、当該治療を患者が希望した場合に限り、歯冠修復にあっては歯冠形成(支台築造を含む)以降、欠損補綴にあっては補綴時診断以降を保険給付外の扱いとするものである」

とのことです。

昭和51 年に発せられたこの厚生省課長通知が、歯科において保険医、保険医療機関であっても 保険と自費の二階建てを行うことの根拠になっています。
 
補綴物、歯科技工物などの材料費の差額を 患者から もらうことが出来なくなってから、治療により、「自由診療」と「保険診療」を使い分けて、まるで 「混合診療」が行われているのと同様な状態なので 訳が分からなくなっています。

歯医者さんに 聞いても 「混合診療」大丈夫なんて いってましたから。

最近 昔と違って 虫歯の治療に もの凄い回数の通院と 期間が必要なのは 今まで語ってきた理由を 全部重ねた結果なのでしょう。

従って 歯科は 大手の 歯科医院が 金に物を言わせて(言い過ぎです)破産寸前、または破産した歯科医院を吸収合併して 巨大チェーン展開を見せ始めています。

また 別の金持ちや 企業が 同様に チェーン展開した歯科クリニックを 実質経営して、働き口のない 借金の残った 歯科医師を 大量に 安く こき使っている(こんなことを 書くから 各方面から非難集中するのでしょうね)のが 実態なのです。


今 まだ 医師は その様な状態までには 陥っていませんが 今のままの 政策では いつ、そうなっても おかしくありません。


しかも TPP で アメリカの 保険会社が 日本の皆保険制度を 破壊しようと 待ち受けています。

現政権は アメリカには 逆らえないので きっと アメリカの 思惑通りに ことは進むでしょうね。


日本の 

医療崩壊は 近い?




( 以下次回へ )