【書評】イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 | 飯島法久の毎日がプロジェクトマネジメント!

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さて、本日は物事の本質を見極め、知的生産力を向上させるためのヒント、「イシュー(論点)」について考える、この一冊をご紹介致します。



本がお好きで、本屋に立ち寄られる方は、タイトルは知っている方も多いでしょう。


何と言っても、5万部を突破した、有名なビジネス書ですからね。


僕も、いつか読みたい、と思いながら、なかなか着手出来ずにいましたが、今年のGWにようやく読了することが出来ましたので、早速書評を書かせて頂きます。



「イシューからはじめることの重要性」


これが、この本のテーマです。


皆様は、日々の仕事の中で、業務に忙殺されて「本質」を見失っていませんか?


後々考えてみれば、「こうすれば良かった!」と思うことはありませんか?


「本当はこうあるべき」と思うけれど、なかなか実行出来ないことはありませんか?



でも、そういう仕事のやり方をしているうちは、いつまで経っても「犬の道」を抜け出すことは出来ない、と著者は説いています。



真のプロフェッショナルは、根本的な問題解決のアプローチを知っているものです。


著者の安宅 和人さんは、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身で、現在はヤフーのCOO室室長を務めている、知的労働のプロフェッショナルです。



では、本質をついた仕事を行うためには、どのようなことが重要なのか。

早速、いつものように解説して参ります。




①構成要約

1. 脱「犬の道」
安宅さんの定義する「犬の道」とは、
「一心不乱に長時間労働をすることでアウトプットを増やそうとする人」
仕事の成果とは、「結果」であって「時間」ではありません。多くのサラリーマンの方は、「時間」を「報酬」に変えて働いています。だから、「成果」よりも「労働時間」にフォーカスしてしまいます。
でも、その働き方では、「バリュー(価値)のある仕事」は出来ない、と警鐘を鳴らしています。
圧倒的に生産性の高い人の、仕事に対するアプローチとは?



2. イシュー・ドリブン
いきなり目の前の問題を闇雲に片付けようとしてはいけません。まず、「イシューの見極め」から始めなさい、と安宅さんは言います。
因に、ドリブンとは、「駆動」という意味です。
「イシューから始めよ」ということですね。IT業界の方は、イベント・ドリブンって言えば、ピンと来ると思います。
話を戻すと、「問題の本質がどこにあるか」を最初に定義しないと、根本的な問題解決にならない、ということです。ただし、いつまでもイシューの定義に時間を掛けていても、本末転倒。
だから、まず「仮説」を立てるのが重要、と説明しています。
良いイシューの条件は、以下の3つです。
①本質的な選択肢である
②深い仮説がある
③答えを出せる
そして、イシューを特定するためには、5つのアプローチがあります。  



3. 仮説・ドリブン①
仮説の立て方については、2つに分けて解説しています。
前半部は、「ストーリーの立て方」について。
前述のイシューを起点として、ストーリーを組み立てるのが、「仮説を立てる」というプロセスです。
それは、図で分かりやすく分解して、ストーリーの流れをつくる、という作業です。
マインドマップに詳しい方は、マインドマップがいいと思います。
MECEなどのフレームワークについても、解説されています。



4. 仮説・ドリブン②
後半部は、具体的に「絵」にするノウハウです。
分かりやすく説得力のあるストーリーを作るためには、以下の3つのプロセスを取ると良いそうです。
①軸を整理する
②イメージを具体化する
③方法を明示する
「理解をするということは、情報をつなぐということ」
これを意識すれば、どうやってストーリーを組み立てれば良いか分かります!


5. アウトプット・ドリブン
さて、ストーリーを組み立てられたら、実際のアウトプットを生み出すプロセスへ移行しましょう。
ただし、その前に、「アウトプットとは何か」という前提を整理する必要があります。
アウトプットの質を高める、ということは、
「限られた時間で本当のバリュー(価値)のある成果を出す」ことだと、安宅さんは仰っています。
そのためには、「答えありきではなくイシューから始める」べきなんです。
それを実現するために、トラブルを構造化して分析し、軽快に答えを出すこと。
つまり、丁寧にやり過ぎず、「受け手に充分なレベル」を「やり過ぎず」実現することが重要なんです!



6. メッセージ・ドリブン
最後は、プレゼン資料や論文の作り方のノウハウです。要点は、「本質的」かつ「シンプル」を実現すること。良い資料は、シンプルで分かりやすいですよね。イシューから始めていれば、解はかなりのレベルに達しているはずなので、一気に仕上げていきましょう。
そして、ここで押さえるべき、最重要ポイントは以下の2つです。
①聞き手は完全に無知だと想定する
②聞き手は高度の知性を持つと想定する
これを実現出来れば、誰が聞いても分かりやすいプレゼンの完成です!




②所感

皆様は、本質を見つけ出すのは得意ですか?

そもそも、そういう意識で仕事をしたことが無い方もいらっしゃるでしょう。

直感が優れていて、感覚的に本質にリーチ出来てしまう方も一部いらっしゃいますが、それだけではバリュー(価値)はそれほど高くないと思います。

問題は、それを「見える化」して、誰が見ても分かりやすくプレゼンする力。対面で感情とかに訴えるのではなく、「紙」の状態で見ても、明快に分かること。

この本で言うところの「本質」とは、そういう意味だと理解しました。

実際に、「知的生産力」というものを定義するならば、自ずと「紙に落とす」能力は最重要ポイントだと思います。

これが出来ないと、
「いくら素晴らしいことを考えていても、伝わらないと意味がない」ということです。

根拠無き根性論で仕事をする「犬の道」はやめましょうよ、ということですね(^_^)
僕も賛同します。

そんな「犬の道」から抜け出したい方は、「イシューからはじめる」ノウハウを身につけなければなりません。

本質を瞬時に発見し、根拠となる裏付けを集めそれをストーリーを立てて分かりやすく説明出来る能力を身につけるか否かは、「知的生産者」になれるかどうかの必要条件だと思います。

頭で考えるのが苦手な方。
「得意じゃないから」と思考停止しないで!

頭は、使えば使うほど良くなりますから。
慣れればなれるほど、考えられるようになりますから?

そして、頭を使って仕事を出来ない方は、一定以上の価値を生み出すことは不可能です。

能力は、磨くことが出来るんです。
年齢はあまり関係無いんです。
問題は、意識と行動。

「もっと価値の高い仕事をしたい」と考えるならば、
まずはこの本を読むことから始めてください。

ここに書いてあることを全て実現出来ていれば、あなたは間違い無く「超一流」のビジネスパーソンになれると断言出来ます。

僕も「超一流」になるために、繰り返し繰り返しレッスンしたいと思います。

少なくとも、長時間働くことに価値を感じている方は、「仕事は成果である」と考える、良いきっかけとなるはずですよ。

そんな貴重なノウハウが詰まった、「知的生産性の教科書」です。





③こんな方へオススメ

1. 問題の本質を見極める力を磨きたい方。
2. 仕事の生産性を圧倒的に高めたい方。
3. 考える力を飛躍的に高めたい方。










本日も最後までお読み頂き、誠に有り難うございました!


皆様との良きご縁に深く感謝申し上げます m - - m



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