サービスマンの接客問題① 「解答」
お断り:この解答はあくまで私個人のサービス感での解答です。決して他のサービスを否定するものではありません。
多分それぞれの答えに、それぞれの理由で解答が寄せられる事だと思います。
個人的には非常に難しい問題です。
私が選ぶ解答は・・・・・・1です。
5~6年くらい前の私でしたら多分迷わず②と答えていたと思います。お客様の気分を損なうことなく自らの過失に遜る。所謂「謙譲の美徳」とでもいいますか・・。ただこの場合、個人としてのミスならいいのですが、宿の「ブランド」まで汚してしまう事につながります。基本的にあってはいけませんが、やむ追えない事由で品切れが起きてしまった場合、オーダー時に予め告知させて頂くことが最善のサービスだと心得ます。よってこの場合には「なんだよ、じゃ初めから言えよ!!」となります。
③ソムリエの方に聞きますと、実は以前同じような問題がソムリエ試験ででてた事があるらしいです。その段階では③が正解だったそうです。類まれな話術を持ち、絶対的な知識への自信があり且つお客様に恵まれればこれが正解も成り立ちます。但し③が正解の場合、そのサービスマインドには「上目線の気持ち」が1%でも入っていないでしょうか?
私は別段、「お客様は神様である」論者ではありません。しいていえば「お客様は王様」でしょうか?
理想は信頼関係ができた案内人とゲストの関係ですが・・・
話は戻ります。
先日の「甲州ワインと京会席のマリアージュⅡ 強羅花扇メニュー編」 で述べさせていただいた通り私の思う料飲サービスにおけるサービスの基本は「お客様に楽しいお食事の“空間”と“時間”を提供する」事です。
この場合ですと、お連れ様にかっこいいところを見せたい男性ホスト(主役)の顔を立て差し上げることがプロのサービスマンの仕事だと考えています。ただこの場合、プロの仕事を完璧にさせて頂くとしたら少しだけ「魔法」をかけなくてはなりません。
心配顔の担当の女性を残し、支配人は厨房へ向かいました。
「料理長すいません。」
忙しさがピークの料理長は又何かめんどくさい事を言ってくるのか?と明らかに不機嫌な顔です。
「今このワインのオーダーが入ったんですが、残念ながら今日の料理だと魚の生臭さが出てしまうかもしれません。予め煮つけとメインの鍋にワインを入れて調理しておいて頂けませんでしょうか?」「ふざけんな!!そんなめんどくさい事できるか?なんでそんなワインのオーダーを受けてんだ、バカヤロー」案の定、すぐにはOKしてくれません。当然です。でも好い宿なら最後には料理長が折れて下さいます。でもこの支配人は好かれませんが・・・
洋食の場合ですとソースをかけることが多く、ソースでアレンジする事ができますが、和食は洋食ほど簡単ではありません。しかしながら先述しました「甲州ワイン」や我々の勉強次第でこのような場面は確実に和食の現場からも減って行くと思っておりますが。
実はこの問題にはもう一つオチがあります。
それは・・・是非宿泊業経営者の方に聞いて頂きたいことです。
この支配人はまだ役職がありますから止むをえません。が、しかし似たようなサービスの現場でスタッフが同じことをした時に、「怒らないであげて欲しいのです」むしろ「褒めてあげて下さい」。
売上にお悩みの経営者方の本当の仕事は、こんな時皆が褒めて協力してくれる空気をつくることなのです。
「そんな事できるわけないじゃない」「めんどくさいことばかりいいやがって」怒られたスタッフは二度と積極的なサービスはできなくなります。
良く「そんな時は誰か責任者にきいてから返事しなさい」という方もいらっしゃいます。お客様の感動を引き出すサービスは「一瞬」が勝負です。その気になった時どう対応できるか?ぎりぎりの勝負なんです。
いいサービスマンを育てればご自分に跳ね返ってくることを忘れないで頂きたいと切に願います。
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