以下が、11日に宣言した内容です。


ハンガーストライキ宣言文

原発よりも命の海を!72時間ハンスト(断食)



岡田和樹

僕は瀬戸内海沿岸で生まれ育ちました。小さいころから美しい海辺があるのが当たり前でした。その海辺が見る見るうちに失われていくのを目の当たりにしてきました。そんな中、地元竹原市でハチの干潟が埋め立てられようとしました。瀬戸内海の原風景ともいえるハチの干潟を何とか受け継ぎたいとの想いから、ハチの干潟調査隊を立ち上げて、地元の人たちと干潟の大切さを再認識し、観察会や署名活動などを行い、県や市に要請し埋め立ては中止になりました。今僕たちの世代が、ハチの干潟を受け継いで、さらに次の世代へ受け渡していこうとしています。



その同じ瀬戸内海の山口県上関町で中国電力が建設を進めている原子力発電所は、奇跡的に残されてきた瀬戸内海最後の楽園を壊します。悠々と泳ぎまわるスナメリたちの行き場がなくなります。それだけではなく放射性物質や温暖化の原因である大量の熱廃水を常に流し、瀬戸内海全域・日本全域にまで影響を与えていくことでしょう。ましてや、原爆の放射能によって傷ついたヒロシマから、原爆と同じエネルギーによって生みだされる電力を作ることを促進する中国電力は、僕たち広島県民との間に大きな溝を作ることです。原子力の平和利用はあり得ません。原子力と共存はできません。



そんな僕たちの声に中国電力は耳を傾けてくれません。昨年9月から半年にわたり、僕は建設予定地の海上でシーカヤックに乗って、地元の人たちや全国から集まった同じ思いの若者たちと原発反対の意思表示をしてきました。申し入れや協議を拒否された僕たちに残された方法は、現地での直接行動しかありませんでした。しかし、中国電力はそこでも強硬に工事を推し進めようとしました。僕は昨年11月8日に中国電力の指示のもとに動いている下請け業者らに、無理やり押さえ付けられて暴力をふるわれました。その後、地元の祝島の人たちに助けられ緊急搬送され、5日間も入院をしました。中国電力はそのことに対して謝罪もしていません。



僕は、自分の将来のため・次の世代のため・日本の民主主義のため、そして現地の人たち・命の海のためにも原発がないほうがよいと思います。すぐに工事を中止して、別の方法を僕たち市民や、中国電力の消費者と模索する道を作るべきです。僕は一人の人間として、72時間のハンガーストライキを決意しました。これが今できる僕の最大限の意思表示です。



どうか、全国のみなさんも上関原発に思いをめぐらせて下さい。この行動にご理解とご協力をよろしくお願いします。