フィトンチッドフォーラム、続き
フィトンチッドフォーラム参加記 、続きです。
前回はこちら。
さて、3人目は曽田香料の佐野さん。
いわゆる調香士さんですね!かっちょええなぁ。
天然系も合成系も香りならなんでもござれって方です。
おもしろかったのが、ケミカルコミュニケーションという話。
フィトンチッドのような香りの物質で植物や動物(昆虫)はコミュニケーションしているという話なんです。
動物の種類って、地球上に110万種類あるんですって。
その内、昆虫が80万種で圧倒的。
地球は実は昆虫に支配されているらしいですよ!
で、昆虫はどうやってそんなに反映してきたかっていうと、
人間とかの哺乳類とは全然コンセプトが違うんですって。
コンセプトっていう言い方が新鮮だったんですけど、
人間は脳を大きくすることで発達してきました。
脳を大きくするには身体もある程度大きくして、複雑な回路を持って維持するんだそうです。
つまり、大型化・複雑化というのが人間のコンセプト。
対して虫は、センサーを発達させているんだそうです。
匂いや温度などを感じる高機能センサーがいっぱいあるおかげで、脳や身体は小さくて済む、
つまり、小型化・センサー化というのが虫のコンセプトなんですって。
おもしろい~。
そのセンサーの中でも重要なのが匂いを感知するもので、
被子植物では効率よく受粉するために色々な香り物質を種類ごとに持つようになったそうです。
虫に位置や種類を教えてあげるわけです。「密あるよ~」ってね。
また、ある植物に害虫がやってくると、その害虫の天敵であるほかの昆虫を呼び寄せる香りを発したり、
他の個体がその害虫にやられないように、「害虫来てるぞ~」と仲間に知らせる香りもあるんですって!
それを感知した仲間である他の個体は、害虫忌避成分をたくさん放出する・・・
なんてうまく出来てるんだ~。
こうした働きを利用して、農薬の替わりに使えるんじゃないかとか、研究が行われているところなのだそうです。
農業や情報伝達(この香りがしてると危険だ、とか。ガスの匂いはわざとつけてあるそうです)などにこれからどんどん応用されていくんじゃないかということでした。
最後、埼玉県保険医療部衛生研究所の高岡さん。
この方がすごかった。
この方のお話を聞いているうちに、最初の谷田貝先生の話が右から左に抜けてった!
なんの話かといいますと、ダニですよ、ダニ。
ダニ博士なんですよ~、高岡さん。
日本にはどんなダニがいて~とか、このダニは食われると大変だ~とか、こわーい話から入りましてね。
「本日お越しの皆さんも、全員ダニをつけておいでです」とキミマロ風味な解説もあったりして。
それでですね、肝心の本題はといいますと、やはりアレルギーの話なんですね。
アレルゲンの上位、スギやヒノキの花粉、そしてハウスダストとダニだっつー話でね。
アレルギー患者さんのお宅にはダニが多い場合が多々見られるということで、
リフォームをしたりするんだそうです。
で、床をフローリングにして、壁も木製の板を張ったりするわけですね。
すると、ダニが激減するんだそうです。(アレルギーも軽減する場合が多いそうですが、アレルギーは原因が複合的な場合が常ですので、これだけが効いたとは言えないのだそう)
もちろん、リフォームしてますから一時的に激減するのは当然といえば当然なんですが、5年くらい効果が持続するんだそうです。
これってなにか。
そう、木製の床と壁からのフィトンチッドらしいんですよ。
フィトンチッドはダニにも効く!ということらしいです。
こちらもまだまだ研究段階ということですが。
ヒノキやスギ、ヒバ、アカマツ、ウィンターグリーン、アーモンドビッダーといったあたりが、データの結果がいいそうです。
また、同じスギでも葉っぱと幹では効果に違いがあって、スギやヒノキは葉っぱ、アカマツでは材の部分により効果があるそうです。
一般家庭でダニが増えている傾向があるそうですので、精油一本買っとくといいかもしれませんね。
ちなみにダニは、夏増えて冬減るので、多くが死亡する秋にアレルゲンとなりやすいそうです。
これからっつーことですね・・・。
でもね、ダニも全滅させちゃあダメで、適度にいる分にはカビの原因になるたんぱく質を食べてくれるんだそうです。
いや~、自然ってすごいですね~。
というわけで、3時間半も座って聞いてたので、すっかりお尻が痛くなりました!
誘ってくださった方とお茶して、香りや石けんの話をたくさんして帰ってきました!
おもしろかった~。