今日も乳癌学会の報告です。


学会は誰でも参加できますが、それなりの準備は必要だと思います。

最先端でご活躍の医師やその他のスタッフが発表をされるのですから、乳がんに対する最低限の知識は必要です。

もちろん、私もよく理解しているわけではないので、難しくて理解できないことがありましたよ。


昨日のブログで企業のブースのことを書きましたが、患者の参加者ためにあるわけではないです。

医療機器の企業や書籍の展示もあるように、あくまでも医療者に対する出展です。

企業が医療者に紹介することで、より質の高い治療技術が提供されたり、患者の生活の質が高まることにつながるのですね。


せっかく参加させてもらえるわけですから、患者としての礼儀も必要だと思います。

個人的な質問はしないとか、知識がなく理解できないことを質問しないとかです。


今日は、研究発表の報告をします。

とても多くの研究発表があったのですが、私はどうしても検診について関心があります。


検診についての発表は、検診受診率向上に関すること、検診と検診との間で発見される乳癌に関すること、良性病変で経過観察中にがんと診断したがんに関することについて聴いてきました。


検診受診率の向上に対しては、検診機関や病院が直接、さまざまな取り組みをしていらっしゃることに驚きました。

検診の受診率向上に責任を持つのは私は行政だと思っています。

検診機関や病院は正しく診断することや治療することに全力を傾けていただけるようにしたほうがいいのではないかと思うのです。

非常に忙しい中、検診受診率向上に取り組まれていることに頭の下がる思いです。


受診率向上に向けて検診機関や病院が出来ることは他にもあると思うのです。

たとえば、検診機関には検診を受ける人がやってくるのですから、検診を受けたきっかけを直接探ることが出来ます。

病院では、検診を受けてなかった人の思いや検診に対する思いを聴く機会があるのではないでしょうか?

そのような現状を行政に伝え、その具体的な方策を考えるのは行政というスタイルがいいのではないかと思いました。

もちろん、検診を勧めるという意味においては体験者として語れる私たちは貴重な存在だと思います。


検診と検診との間で発見される乳癌に関しては、がんの特徴も話をされましたが、ここで書くのは誤解が生じてもいけませんので省きますね。

先生方がほぼ共通して言われていたことは、本人のリスクに合わせてリスクが高い人は2年に1回という間隔よりも、多く受けたほうがよいということでした。そして、自己検診も大切とのことでした。


ただし、リスクが高いとはどのような人のことを言うのかを発表の中に具体的に含めていらっしゃる先生は私が聞いた中にはいらっしゃいませんでした。

おそらく、お子さんがいらっしゃる方は娘さんのこととか心配ですよね。

リスクについては主治医に確認のうえ、自己検診の仕方もマスターしておくことが大切だと思いました。


良性病変で経過観察中にがんと診断されることについては最も興味があるところでした。

経過観察中にがんと診断される人は少なく、経過観察をどれくらいの頻度で、どれくらいの期間するのかは一定の基準はなさそうでした。

経過観察をすることで、ただでさえ忙しい外来は患者が多くなってしまうし、一般のがん検診に戻すと、また、要精密になってしまって受診に来るという問題があるようです。

そこで、がん検診機関によっては、一度精密検査を受けて異常なしと判断された人だとわかったときは、毎年検診を受けている人ならば、経年的な変化を見て、異常があったときにまた要精密と判断するということもなされているようです。

ある施設の報告では、検診で経過観察となった人を2年間超音波でフォローしていたうち1.4%ががんと診断されたとありました。


私の記憶だと、乳がん検診受診者のうち、要精密となるのは10%以下だと思います。

精密検査の結果、がんの人、異常なしの人、経過観察の人と別れるわけです。

この中で経過観察になった人のうちの1.4%ということは、1000人受けて1人くらいの割合ですね。

この報告聞いて、自分はこのたった1.4%の一人に入ったんだなあと思いましたよ。

医学的にはこの数値をどのように捉えるのかわかりませんが、当事者の私からすれば、これってものすごく少ない確立ですよね。

そこに入った意味を考えてしまいます(>_<)


先生たちはどの方も患者さんのためを思いながら尽力されているのが伝わってきて、患者としてはうれしかったです。

病気の治療を目指していろんな分野の先生たちが頑張られているのですね。