misako




私は現在、高校2年生。




3ヶ月前に、ずっと好きだった隆弘に告白されて、付き合い始めた。




そんな彼は、とてもモテる。




女の子がいっぱい詰め寄ってくるのも、日常茶飯事。




もちろん嫌だけど、隆弘が私のことを想ってくれているのは伝わってるから。




そんなある日ーー




「宇野さん、ちょっといいかな?」




3年生の先輩が2人。




メイクはバッチリで、いかにも隆弘のファンって感じの人達。




実「なんでしょうか?」




「あのさ、今日の放課後、にっしー貸して欲しいんだよね。」




「合コンするんだけどさ、やっぱにっしーいないとつまんないし?」




「別に宇野さんに言わなくてもいいじゃんって思ったんだけどさ、にっしーが許可取れって言うからさ〜。」




なにこれ。




私が付き合ってること知ってて、こんなこと普通頼む?




そんなの絶対お断りしーー




「まあ、にっしーの彼女なんだから、さぞかし心が広いんだろうなあ〜。」




「にっしー、ワガママな子嫌いそうだし?もちろんオッケーしてくれるよね?」




私が嫌って言ったら、隆弘の彼女失格なの?




じゃあ、オッケーしざるを得ないじゃん。




隆「あれ、実彩子?何してんの?」




実「あっ、たかーー」




「あっ!にっしー♡」




「あのね、今日の放課後の合コン、にっしーが参加できるように宇野さんに許可貰いに来たの!」




私に対するときと全然違う、甘ったるい声。




隆「はっ?なにそれ。」




「だってー、にっしーいないと楽しくないもん。」




隆「いや、俺行かないって行ったーー」




実「いいよ。」




自分でもびっくりするぐらい、冷静な声が出た。




隆「え……」




実「行ってもいいよ。」




「さすが!にっしーの彼女は違うね。」




「じゃあ、にっしー。放課後また迎えに来るね!」




ばいばーい、と手を振ってキャッキャと騒いで場を離れた先輩達。




実「じ、じゃあ、戻るね。放課後楽しんで。」






隆「……それ、本気?」