11月20日()13:30

岐阜県可児市で開催された「いじめ防止自治体サミット in 可児」に参加しました。

『子どもの心や体に深刻な被害をもたらすいじめは、子どもの権利を侵害するものです。

いじめを防止し、次代を担う子どもが健やかに成長することができる環境を実現することは、社会全体で取り組むべき重要課題です。本日のサミットをいじめ問題の克服に向け、考える機会としていただけたら幸いです。』

と可児市長のコメント。

可児市文化創造センターaLaアーラ という素敵な文化施設で行われました。

 

1部は

基調講演

尾木直樹さん「いじめ問題をどう克服するか」~悲劇の連鎖を止める! 学校、家庭、社会にできること~

尾木さんは、20126月から可児市いじめ防止専門委員会特別顧問に就任され、今年まで、可児市内の全学校を回り、実態等の把握やアドバイスなどを行われたそうです。

講演では、最近のいじめにより自らの命を絶った事件を取り上げ、「いじめ問題は現在進行形」

いじめがあるかないかではなく、「人権侵害」であること、それを認める感性を持つことであり、「人権教育が基盤」であることを強く訴えました。被害者も加害者も、傍観者もしんどい状況であることを理解する必要性も。

学校現場では、人権感覚、子ども理解の感性を磨くこと、いじめの情報を共有し、ともに考えていくこと、いじめ問題を優先させていくこと、なども訴えました。

 

意見発表

滋賀県大津市長による大津市のとりくみ

大阪府箕面市長による箕面市のとりくみ

文部科学省 初等中等教育局 児童生徒課長が「いじめ防止対策」について、また有識者会議のいじめ防止提言について、を説明。SSW(スクールソーシャルワーカー)の常勤で全校に配置することを国に要望していることや、いじめ対策組織が活発に動き存在を示すこと、24時間子どもSOSダイヤルのことなどをアピール。

可児市長による可児市のとりくみ

三市の発表は、パワーポイントで説明されたので、資料が手元に残りませんでしたが、共通することは、市独自での名称は異なりますが、人を増やしているということ、第三者機関を機能させていること だったと思います。

アンケート等で、いじめの認知件数が増えたことも挙げられていましたが、それは、早期発見ができていること、と認識が変わったことの証明であることもアピールされました。

 

いじめの認知件数が「0」であることは、子どもたちの様子・実態を認知できていない証であると今は言われています。そうだと私も思います。集団生活の中では、いじめというものは起こりうるものであり、早期に認知・共有し、組織的に対応することが重要です。そして、子どもたちにはトラブルを解決していく力をつけることが、重要だと思っています。

 

2部は

尾木さんがコーディネーターとなって、越大津市長、倉田箕面市長、坪田文科省児童生徒課長、冨田可児市長がパネリストの、パネルディスカッション

会場からの質問も含め、コーディネーターが4人のパネリストに質問、

①子どもの目線に立つということ

②保護者・家庭に伝えたいこと

③子どもたちへのメッセージ

④高齢者の私たちにできることは

⑤自分の子が加害者にならないためには

それらに一人ひとりが丁寧に答えられました。

パネリストのみなさんは、同じような内容をそれぞれ答えられていたと思います。

①は、子どもの声をしっかり聴く

②は、どの子も被害者・加害者になり得る、無理しないで子育てしましょう。頼れるところは頼ろう。

③では、一人ひとりちがって当たり前、違いを認めよう。存在しているだけですばらしい。しんどい時は、人を頼っていいんだよ。必ず救ってくれる人はいる。

④近所の子どもたちに声かけ、見守り、学校に入り込んでください。おせっかいOK。

⑤子どもがストレスやイライラを抱えていないか、コミュニケーションをよくとる。子ども自身が感受性・感性を高めるようなことを。

 

どの発言も納得することばかりです。こどもを権利の主体として考えられていることがよくわかってうれしかったです。

「いじめ防止対策推進法」が20139月に施行されてから3年が過ぎました。いじめ防止を話し合ってきた文部科学省の有識者会議が同省への提言をまとめました。その内容についての尾木さんのコメントもありました。

最大のポイントは、教職員にはいじめの情報を学校の対策組織に報告・共有する義務があると改めて強調し、懲戒処分に言及した点だそうです。「いじめ」という言葉を使わず加害者を指導する、ことも画期的であると。

冒頭に尾木さんが述べられたように、人権教育の重要性はさらに求められますよね。

4:15までの予定でしたが、35分になっても終わらず、退席しました。最後の尾木さんのコメントを聞くことができなかったのが残念でした。

 

会場ロビーには、2016年度 いじめ防止をテーマにした 標語・300字小説入賞作品が展示してありました。