ボウズ回避できてホッとしてから約10分後、
〈コツ・グイーーーン!〉
食いっぷりが良く、ほとんど送り込まなくてもフックアップ。
さっきの魚より重く力強い。
(これは40いっただろう)
少し慎重に扱った。
しかしこのスティーズのドラグ(ATD)、滑り出しが良くなって安心感があるが、一気に出て欲しい時には粘ってしまい逆にそれを不安に感じる時がある。
去年この川で会った人がイグジストを使っていて、ATDは結構緩めでも大丈夫と言っていたのを思い出しながらドラグを緩めた。
突っ込みに追従できるまで緩めた。
そうすると突っ込みダッシュしてない時でも、
[チチチチチチ…]
とラインを吐き出していく。
それが嫌で少し締め直す。
ドラグの特性がイマイチつかめず、最適な調整位置が分からなかった。
それでも無事に岸へ引きずり上げることができた。
(うん、41㎝)
(よっしゃよっしゃ)
40㎝アップに気を良くし、ポイントへ戻ってキャストすると、
(これは…)
(食ってるぞ)
着水後のフォール中に食ってきた。
( お! )
これまた伝わるトルク感が先のより大きい。
(45いったか!?)
パワーもある。
〈ググ・ググン!〉
[ジーーーーー!]
ラインを吐き出しながらリールがクリック音を奏でる。
やはりダッシュに対する効き方が粘っこくて少々違和感があった。
それでも無事に取り込めた。
(よっしゃサイズアップ)
43㎝だった。
(段々とサイズアップしてるな)
この調子で次は45㎝以上か(笑)
そしてまた当たりがきた!
〈グググン・ズルッ〉
( あ )
すっぽ抜け。
再度当たり!
〈ぐん〉
乗った。
しかし軽い。
(掛かってるのか?)
もしかしてゴミかと思ったが生命感は伝わってくる。
〈バスなのか!?〉
バスだった。
ロリロリの(笑)
そしてこの後の当たりで合わせたら、
〈ズシン〉
重い。
動いているから魚だと思うが、たまに紛らわしい根掛かりもある。
確認すると確かにゆっくりと、まるで潜水艦のように動いている。
(これ、デカいぞ)
変に刺激を与えないようにゆっくり確実にポンピング。
結構近くまで寄ったのに全く浮いてこない。
ドラグを緩めるべきか?
一瞬そう思った。
いや、43㎝のファイトでラインが出るくらいだから大丈夫だろう。
緩めすぎるとバラシにもつながりやすいし。
このままでいこう。
まだダッシュかまされてないし、寄せられるだけ寄せておこう。
引き続きゆっくりポンピング。
まだダッシュしない。
普通なら見える所まで来ているはずだ。
しかし相変わらず魚体は見えない。
〈 グ グ 〉
( ! )
魚が自分に背を向けた。
その瞬間、
〈 グ ン ! 〉
[ プツン ]
「 う わ ~ ! 」
ドラグが作動する間もなかった。
おそらく尾びれの一振り。
良型が釣れる度にラインを結び直していたのに。
ラインを確認する。
歯で擦れたようにも見えなかったが、両手で張ってみると弾力がなく簡単にプチプチ千切れた。
前の晩に巻き替えたばかりのR-18フロロリミテッド5lbだが、ファイトで伸ばされたのか?
今思えば、近くに来てのダッシュだからショックを吸収するラインの伸びしろも少なく余計に切られやすかったのだろう。
それにしてもドラグが働く間もなく切られるとは…。
残念だったがまだ時合中だ。
気を取り直して次に期待した。