前置きのストーリーがあります!まだ読んでない人は、どうぞ♪

■スピンオフ前置き■もーやめてー!元遍路の友人が元遍路の私に押し付ける絶対に要らない物!

 

 

■Noisyの連続3周自転車野宿遍路スピンオフ■
※登場人物名は全て仮名です。全5話

 

― Noisyの影響を受けて遍路へ行ってしまった人達のドラマ―

 

私は、世界1周を3年かけて回り、ようやく日本へ帰って来ていた。

日本を35歳の時に出発し、帰ってきたら38歳になっていた。

世界中でお世話になった人達へのお返しを別の形でできるよう、私は90パーセント以上が外国人のお客さんが宿泊する宿でしばらく働くことにした。

ここでは、もちろんチャックインやチャックアウト、掃除をするだけでなく、お客さんの話し相手になったり、パーティーを企画したり、一緒にお酒を飲んだり、お客さんのエンターテイナーでなくてはならない。

 

そんなある日、アフリカでお店をやっていた時に、お店を丸ごと買い取ってくれた、神奈川県出身のきょうちゃんが、まるで私の後を追うかのように日本に帰って来た。

きょうちゃんも世界旅を2年くらいしていたはずだ。

きょうちゃんは、アフリカから飛行機を乗り継ぎ、真っすぐ日本へ到着すると、そのまま私に会いにバックパックを背負ったまま広島へやって来る。きょうちゃんに日本で会うのは初めてだ。

私も人に行動力が半端ないとよく言われる方だが、きょうちゃんの行動力は、ずば抜けていて男勝りで元気のいい人だ。

 

きょうちゃん「Noisy、ただいまー!」

私「お帰りー!」

きょうちゃん「あのさあ、Noisyにお土産があるんだよね。アフリカのお店から持ってきちゃった!Noisyが農園から直接仕入れてた、イギリス向け輸出用の紅茶。」

私「おおおお!!あれ、持って来てくれたんだーーー!日本に帰って来ると、あれくらい美味しい紅茶がなくて!嬉しいよ!」

 

きょうちゃんは、早速、紅茶が空気を抜かれて密閉されている500mlのペットボトル程度の大きさの袋を取り出し、どさっと机に置いた。

 

私「ありがとう!懐かしい!これで、紅茶のシフォンケーキでも作るよ!絶対、美味いはず!」

きょうちゃん「だよねえ!あ、それと、これも中々日本で手に入らないだろうと思って、お店から持ってきてあげたよ!Noisyが、農園から直接仕入れてた、アフリカのコーヒー!」

私「え!?」

 

きょうちゃんは、そう言うとコーヒー豆の入った大きな袋をバックパックから取り出し、机の上にドサッと置く。

 

きょうちゃん「はい!これ!」

私「え!?ぎゃははははーーーー!!きょうちゃん!」

 

きょうちゃんは、黒縁の大きな眼鏡の奥の目をキョトンとさせて不思議そうな顔で私を見ている。

 

きょうちゃん「あれ?Noisy、どうかした?」

私「うん。あのね、コーヒーは、すごーーーーく好きだし、またあのコーヒー豆を挽いて、まさか日本の自宅で飲めるのかと思うと嬉しいんだけどね。」

きょうちゃん「おお!じゃあ、よかった!」

私「いやあ・・・。きょうちゃん・・・。これ・・・大きいし重いよ!アフリカの店からずっと日本の広島までバックパックに入れて持ってきちゃったの!?」

きょうちゃん「そうだよ?」

私「ぎゃははははーーーー!!だから、重いし、かさばるんですけどーーー!!しかも、それを地球の反対のアフリカから日本まで持ってくるなんて!」

きょうちゃん「ははははーー!!あ、考えてなかったー!これ、持って行かなきゃと思って必死だったからー!よく考えたら、そうだよねえ!だって、バックパックが軽くなったもん!」

 

 

私は、アフリカのお店を売り渡して、記念にいくつかの物を持って行きたい商品もあったのだが、重いしかさばるから全てを諦めて、何一つ持ってこなかったと言うのに、きょうちゃんは、本当に私以上に男勝りだ。

私ときょうちゃんの違いを言えば、お互いに行動力はあるけど、私の方が少し考えてから行動するタイプで、きょうちゃんの方が、考える前に直ぐに行動するという所は大きく違う所だ。

私の人生の中で出会った人で、私よりも行動力が半端ないと思うのは、このきょうちゃんだ。

 

私「で、きょうちゃん、日本に帰って来てこれからどうするの?」

きょうちゃん「うん。しばらく日本で稼いだら、Noisyが言ってたお遍路に歩きで行ってみようかと思ってるんだよね!」

私「え!?世界旅は?」

きょうちゃん「それもまた行くよ。でも、その前にNoisyの遍路の話が面白いから、遍路をしてからにしようと思ってるよ。」

私「へー。それじゃあ、遍路へはいつ行くの?」

きょうちゃん「仕事を辞めて、世界旅に戻る前に行こうと思ってるから、来年の春かな。」

私「そうなんだね。」

きょうちゃん「だから、遍路に行く準備とかしないといけないから、何がいるとか教えてよ。」

私「いいよ。でも、いるものは四国へ行ってからでも揃うから。でも、お経は行く前に練習しておいた方がいいよ。1番の寺で突然、どうしようって途方に暮れると思うから。」

きょうちゃん「わかった!じゃあ、お経だけは練習して行くから!」

私「きょうちゃん、約束して!お経は、行く前に教えてあげるから、経本だけ取り寄せたら電話してよ!」

きょうちゃん「わかった!経本取り寄せたら、絶対に電話するから!」

 

きょうちゃんとは、アフリカの話やお店の事等を話すと、「また来る」と言って、きょうちゃんは神奈川へと帰って行った。

 

いつものように宿で忙しく楽しくしていると、スイスから来ているマイケルがチェックインして来た。

彼は、数日泊まっている間に私に色々な話を聞いて来る。

 

マイケル「ヘイ!Noisy!君は、日本全国回ったって言ってたけど、何処がお勧め?」

私「何を見たいかによるけど。山?川?街?田舎?」

マイケル「日本の文化を感じられるものも見たいけど、自然も好き。色んな人にも出会いたいし。」

私「じゃあ、遍路行きなよ。」

マイケル「遍路?遍路って四国の?」

私「そうそう!」

マイケル「あ!それ興味あったんだよー!」

私「じゃあ、行ったら?」

マイケル「え?Noisyは、遍路したの?」

私「したよ。自転車で連続3周。」

マイケル「えーー!?連続3周も?」

 

どうやらマイケルは、とてつもなく私のお遍路の話に興味を示しているようだ。

 

マイケル「でも、行きたいけど、歩くと時間がかかるって聞いて、残りの滞在期間では無理だなって思ったんだよね。だって、日本の他の所も見たいし。」

私「あと、どれくらいあるの?」

マイケル「まだあと3か月くらいはあるんだけど、今、東京に住んでてやってる事が終わってからになるから、その後1か月半くらいあるんだ。」

私「それじゃあ、自転車にしたら?2週間くらいあれば、早くて行けるから。でも、時間をかけた方が面白いよ!」

マイケル「え!自転車なら、それくらいの期間で行けるの?」

私「うん。行けるけど1か月くらいは時間を取った方が面白いよ!」

マイケル「わかった!それじゃあ、まだ東京に戻らなくちゃいけないから、一旦、ここを離れて、終わったら、またここに戻って来るから、その時に自転車を買って準備をして、ここから遍路に出発するよ!」

私「おお!いいねえ!それじゃあ、お経も教えてあげるよ。日本語の読みを英語表記に替えたり訳したりしてあげるから!」

マイケル「うわあああ~~!助かるよー!それじゃあ、絶対戻って来るから!」

 

そう言って、マイケルは翌日、バックパックを背負ってチェックアウトして行った。

 

つづく・・・   

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