Yukitoのブログ

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主に音楽関係を綴っていきます

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今年2018年が始まって一月経とうとする中、じわじわと話題になりつつある曲(動画)が今回のテーマ。

 

かな~りの長いスパンを空けましたが、今回はより多くの人に聞いてほしいと思いこの曲にしました。

「維新dancin'鹿児島市」

何このタイトル?と思う方もいれば、あ!大河関係ね!と察する方もいるのではと思います。

 

今年2018年は明治維新150周年の節目の年。鹿児島では"維新のふるさと鹿児島市"と題し地域を挙げて盛り上がってきています。

さらに、大河ドラマ「西郷どん」(※せごどん:人は親しみを込めて愛称としてこう呼んだ)もスタートし今これらのワードは注目度が上がってきていますね。

そんな中、鹿児島市PR動画として制作されたのが今回の話題の動画です。

ストーリーとしては現代に甦った西郷どんが現在の鹿児島に驚きその良さを再発見するという内容。

この動画が面白い点は沢山あるのですが、まずは「鹿児島実業高校新体操部」が踊るコミカルながらも次々と技を盛り込むダンスに目が釘付けです。そもそもマユゲ太すぎの西郷どんが沢山いる時点でおかしいのですが、終始マジメにふざけながらも純粋な目で踊る男子がほほえましくもあり笑えてしまいます(笑)途中で登場する犬もおいしい役処です。

そしてバックで流れるこの曲がまた何気にいい曲なのでそこも注目です。作曲者や歌唱者も著名人ではなく好評されていませんが、ややハスキーな歌唱は素晴らしいですし、80年代を感じさせる様な耳に残るメロディーとちょびっとの哀愁感漂う味わいはセンスが良いですね。そのダンスとのシンクロ具合も視聴者を飽きさせない編集の技ですね。

歌詞に関しても、よくある地元PR動画では「ここが素晴らしい」とか「感動する」といった“自己アピールやや盛り気味”の広告が多いですが、この歌詞では西郷どんが実際に現れた事と、観光客の素朴な目線が同目線でシンクロし、純粋に「鹿児島市」に行ってみたいなあ・・・と思う感覚になるのでそこも素晴らしいと感じました。

 

昨年では大阪府立登美丘高校ダンス部がブレイクし紅白や各番組にも登場しましたが、この動画も今後もっと話題になるのでは?と思います。それでは最後に動画をご視聴下さい。

 

では、また次回!

 

 

 

グラフィティ・オン・ザ・トレイン/ステレオフォニックス

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時の流れによる廃退、荒廃する場所や存在には独特の美がある。それは肉体的な表層部分が崩れ本来の大筋・本質的な形が露わになり直接的に他者へと語りかけてくるからだ。
廃墟好きの自分にとってそのあまりにも悲惨な様相は多くの事象を呼び起こさせる。生と死が入り混じった情景がそこにはある。崩れゆく形の中に確実に見える留まろうとする生命力、全てが生きている・・・。

今回は新作ではなく一昨年の作品を紹介します。
2013年2月27日に発売された、ステレオフォニックス「Graffiti On The Train」です。
ステレオフォニックスといえば1999年のセカンドアルバムにて全英1位を獲得してから5枚連続1位、その記録は90年代以降のバンドでオアシスについで歴代2位、そして同じく5枚連続1位のバンドは、RADIOHEAD,blur,COLDPLAYのみと海外では高く評価されていますが日本ではあまり知名度がないですね。その分なおさら紹介する意味はあると思いますがw

前作からレーベル移籍後第一弾のアルバムですが、今作は大道ギターロックといった曲はほぼなく、ミドルテンポかバラードが多く見受けられ、作品全体を通して情緒的な影がある儚くも美しいアルバムとなっています。個人的にはそこがとても好きですね。
ヴォーカルも実に人間味溢れる表現で、なのにメロディはシンプルで分かりやすい。メロディーラインを意識して作られている事が伺えます。そしてバックの演奏に関しては全体を通してダイナミクスなアレンジが目立ちます(素朴な曲は2曲ほど)がやはり構成はシンプルに留める。このバランスが気持ちよくはまって、バランスの良い作品になっていますね。シンフォニー的要素は組み込みつつも決して技巧や複雑な構成にしない。聴き手の意識を考えて作られています。

正統派ポップロックという点では、違う方向へ向かっている作品で評価しづらいとは思いますが、この作品に垣間見える「生と死」の概念は誰しもが持っている喜びと悲しみの感情へ繋がるのではないでしょうか?
自分自身の作品にもその要素「生と死」や相対するモノの抱擁は意識して入れ込んであります。
決して誰もが忘れる事の無い「生」と「死」の記憶、光が強くなれば影が濃くなる、死を強く意識すると生も強く意識する、希望と絶望を行ったり来たり、複雑になればなるほど無に近づく、すべてが有と無の行き来をしながらその居場所を探っています。

荒廃した作品を作る事によって新たな希望のより見える作品になったのではと感じます。

その中から、9曲目「In a moment」を載せておきます。硬質なギターリフとシンプルなメロディーライン、無駄を省いたアレンジ、サビで見える遠くの希望、ラストで交る二つのメロディーラインが感情を揺さぶります。


今回ブログ約1年ぶりで時期的にはNoel Gallagher's High Flying Birdsの新作が妥当かと思いましたが(先日ライブも観に行ったし)書くならもっと聴きこんでからにしようかなと思いましてw先行シングルはかなりお気に入りですが。

では、また次回!

Stereophonics - In a moment




Enclosure【ボーナストラック+2、高音質Blu-spec CD2、超ロングインタビュー.../ジョン・フルシアンテ
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自らの内面と外的要因の間に赤い線を引く彼にはどういった想いがあるのだろうか。


元RED HOT CHILI PEPPERSのギタリストとして著名なジョン・フルシアンテが最新作を発表しました(2014/4/8)

近年のエレクトロ主体の作風はそのままに、複雑難解なリズムワークと抒情的なギターサウンドが絡み合う曲陣にはジョンが思い描く音楽の在り方について、そして思想が垣間見えてきます。

アシッドハウス、ドラムンベース、ダブステップ、モダンR&Bなどの影響を咀嚼しつつ、ジョンなりのポップサウンドとして今新たなポイントを迎えようとしています。


そのコンセプトの軸となっているのが、伝統的なソングライティングを非伝統的な方法でプロデュースするという事です。1960,70年代のソングライティングを継承しつつ、ここ30年間で発達したエレクトロミュージックを使い、伝統的音楽思想をエレクトロ音楽の思考と融合させようとしています。

そういった活動の中で、ジョンは以前のギタリストとしての頭の中とは全然違う思考へと変化したとインタビューで語っています。その中でも現代の作曲家やバンドにとって重要なメッセージがあります。

例えばTHE BEATLESの音楽を「音の構造」として捉えて聴く事で、それぞれのメンバーのリズムへのアプローチの違いが見えてきます。最近のバンドではみんなで波長が合ってないといけない、と思い込んでいますが、過去の偉大なバンド達はお互いに合わせようとしているわけではなく、それぞれが独自の世界観を持っていて、それが一緒に演奏すると新たなサウンドとして融合するのです。


この事は自らも以前から考えていて、例えば「あるアーティストが好きな集まり」「こんな音楽の雰囲気が好きな集まり」「こんなサウンドでやる事に同意した集まり」として結成したバンドが現代の音楽シーンではあまりに多すぎて、それがつまらない似通った音楽シーンを作り出す要因になっています。

大切なのは、どんなジャンルや思考をも巻き込めるその人の人間性が画期的な音楽を生み出す事に繋がるという事です。そして自らの独自性である世界観・アプローチ・アレンジを失わず音で対話していく事が重要です。


アルバムの話に戻りましょう。

先ほど記したように、今作「ENCLOSURE」では、伝統的なギターと歌で作った軸を中心に、後からサンプリングの手法で様々な異なるリズムパターンを組み込んで作られています。その事で曲中でコロコロと場面が変わるプログレッシヴな楽曲が多く見受けられます。これこそ伝統的作曲と打ち込みの対話ですね。

ある意味僕らのバンド(LIBEREAL)も複雑なリズムパターンとシンプルなギター&メロディーで対話しているので近いかもしれませんね、僕らは生音でそれをやっていますが。


最後にジャケットの種明かしを。

ジョン・フルシアンテ「自分の周りに円を描いたのは、音楽を作ったり演奏しているときに自分が感じる「包み込まれる」感覚を意味しているんだ」

これは実に興味深い事で、自らも作曲する際には感覚として、この巨大な世界に包み込まれる、もしくは繋がる感覚を感じています。そう音で世界と対話している様な・・・。もちろん個人で感覚は異なるとは思います。しかし根源的な本質はやはりどこかで皆繋がっているのではと考えます。

彫刻家・造形芸術家イサム・ノグチ氏もこう語っています「人と人との結びつきにはメッセージなど必要ない。自分が世界のどこに属しているか、自分が何かと結びついているという意識、芸術が表現できるものはそういうものだと私は思う」


芸術の根源的・本質的アプローチを個々で探していく道はまだ始まったばかりですね。


では、また次回!