★雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ 野辺山100キロ | あと7分4秒 目指せ!サブスリー★やればできる☆RUN RAN LIFE

あと7分4秒 目指せ!サブスリー★やればできる☆RUN RAN LIFE

2008年2月、長野マラソン2次募集にエントリーしてから走り始めた無謀な挑戦!? 制限時間ギリギリ4時間52分苦しかった~
「来年こそ楽しく完走」と練習始めてハマっちゃいました。 「さあ、自分を超えていこう!」 夢のサブスリーと野辺山デカフォレストを目指します。



無事に野辺山から生還出来ました。 体調は太ももの筋肉痛がある程度でいつもどおりの生活です。 評判どおりの高低差の激しい過酷なコースでした。 湿度100%でしたので発汗も最小限だったようで体重もほとんど変化なしという状況です。
エイドで休憩中も、「もう二度と出るもんか・・」なんて声も聞こえてきました。 しかし、難コースほど また挑戦したくなる魅力があるのだと思います。


ここ野辺山は、10回完走すると「デカフォレスト」という称号がもらえ、ゼッケンもゴールのテープも違います。控え室が用意されたり、前夜祭も一般参加者が立席なのに一番前列に座ってご招待です。すべてに優遇されているようですが、10回完走を達成するというのは並大抵のことではありません。そして競技が始まってしまえば皆同じランナーです。デカフォレストだから速く走るということはないように感じました。むしろ制限時間をいっぱいに使って無理せずゴールを目指す方が多かったように思います。

まず前夜祭。明日は確実に雨と分かっているのに会場の中はすごい熱気、盛り上がりでした。 去年くびき野を一緒に走ったランニングクラブのコペンさん、丸さんも一緒です。

ビールをガンガン飲んで宿に戻ると、6畳に3人相部屋です。 同室の2人は早くも寝る準備完了です。 野辺山7回目という兵庫県の方と、野辺山は初挑戦ながらウルトラ25戦目という埼玉県の方。 2人とも自分より1周り年上のベテランランナーさんです。兵庫の方は7度目の野辺山ということで、「もうすぐデカフォレストですね」の問いかけに「そこまで頑張れればいいんだけれど・・・」というお返事でした。埼玉の方も「だんだんリタイアすることが多くなって・・・」とぼやいておられました。


少々肩身の狭い思いでゼッケン付けたり翌朝の準備して、部屋の電気を消してからお風呂入り、廊下でテーピングして寝ましたが、酒の飲みすぎ? 夜中も喉が渇いて何度か目が覚めました。 雨は小雨でしたが、風は強い様子です。


2時半、誰からということなく静かにみんなが起きました。 3時から朝食。暖かいご飯に味噌汁、焼いた餅が一切れ付いたり、質素な朝食なのですが、旅館の心遣いが嬉しく感じました。


5時のスタート時は霧が濃かったものの、傘もいらない程度の小雨で「エイ・エイ・オー」の気合でスタート。 ただトイレがものすごい行列で遅れてスタートなんて人もいたようです。 スタートして5キロ、「さー、これから上りが始まりますよ、行ってらっしゃ~い」と24時間テレビの100キロマラソンの伴走でもおなじみ、この野辺山の運営を任されているランナーズ・ウェルネスの坂本さんが一人一人にハイタッチしてくれました。


10キロ地点でコペンさんに追い着かれました。 そして15キロで追い着きました。膝の調子が悪いのであまり無理はしないとのことでしたが、そうはいってもウルトラマンですから、またすぐに抜かれると覚悟していました。 丸さんはまだ後ろと走りながら仲間の位置を情報交換。

まだ始まったばかりで体力も十分です。高度差550メートルのコース上の最高地点は意外とあっさり通過。 しかしここは横岳中腹の林道でした。峠から一気に下るものと思っていたら、小さな上り下りを繰り返し稲子湯を目指します。 雨はともかく向かい風が強烈でした。選手よりもスタッフの方は寒くて大変だったことと思います。ウグイスの鳴き声と唐松の新緑を楽しみながら前に進みました。


一瞬雨が上がり青空が出て展望が開けた時、随分と高いところを走っているものだと驚きました。晴れたのはこの一瞬だけで一日雨でした。 だからこそ印象に残っている美しい景色なのでしょう。


稲子湯から距離は短いものの急坂の上りです。早くも歩きが入りました。

峠からは千曲川目指して一気に10キロ以上の下り坂ですが、ここは快調に駆け下りることが出来ました。

60キロ付近に折り返しコースがあって、ここでコペンさんと丸さんが並んで走っているところをお互い声掛けてすれ違いました。


75キロ過ぎから始まる最大の難所、馬越(まごえ)峠は、ほとんど歩いて上ったので時間は掛かりましたが、周りの先輩ランナーの「ここで無理すると下り走れなくなるよ」というアドバイスを受けました。実際ストライドを大きくして早足で歩いたほうが、呼吸も苦しくならず、歩くようなスピードで走るよりも楽だったと思います。 上りを歩いて疲労を抑えた分、下りは一気に駆け下りて87キロ地点まで来ました。


ここで午前中にレースを終えたゴリさんが応援してくれていました。

さわやかな笑顔で「2位だったよ」 一瞬何のことか分からなかったのですが、あの難コースを男性7位と同タイムとか。 後にプログラム見たら歴代3位の好タイム。 凄いです、おめでとうゴリさん!


まず着替えしてシューズも履き替え、今日初めて腰掛けて うどんをすすりました。

くびき野の時も初めて椅子に座って食事したのが90キロのエイドでした。 完走を目の前にホット一息できる幸せな時間です。 ゴールの瞬間は「やった!」という達成感ですが、冷え切った体で鼻水も一緒にすするうどんも忘れられない味です。


そして最後の10キロのだらだら上り。このレース最大の試練でした。そんな大した登りではないのに、キロ9分で走るのがやっとで、歩いたり、走ったりの繰り返し。l追い越す人も追い越される人もいません。周りも皆同じ走りです。早くゴールしたい、頭の中はただそれだけです。

ゴール会場の騒々しい放送が聞こえてきました。ゴール会場はすぐ横なのに、ここから一回りするのであと3キロの辛抱です。最後になってまともな走りになりました。 「ガンバ!」と声掛けながら何人か追い抜きました。 もっと早くに走れていたらと思いますが、これが気力なんだと思います。


最後の直線道路。「お帰りなさ~い」沿道からの拍手と声援をもらい更にペースアップ。

ゴールゲート直前でゴリさんに最後の声援もらい12時間33分でフィニッシュ。

明るいうちに帰って来れたので長いようで短かく感じた100キロの旅でした。


すぐに着替え、ゴール前で応援に立ちました。

笑顔の人、無表情な人、ガッツポーズで飛び上がって全身で喜びを表している人、涙をこらえている人、足を引きずりながら苦しそうな人・・・などなど、皆それぞれの思いで100キロ走りぬいてきた人たちです。 応援しながらこちらも目頭が熱くなってしまいます。ウルトラのゴール風景は格別です。


なかなか帰って来ないので心配していましたが、18時56分、ついに丸さんが戻ってきました。 前傾姿勢になってかなり苦しそう。 大声で呼んでも気付いてもらえません。 必死にゴールを目指す姿に感動しました。 駄目かもしれないと思ったけれど最後必死に走ったそうです。 さすがド根性。

くびき野ゴール後、ビールを飲みながら、次は「野辺山」と誘われました。

それから7ヵ月後の「野辺山絶対完走」を目標にしてきましたが、ハラハラ、ドキドキ、タイムアップの3分30秒前に丸さんのゴールを見届けることが出来、最高に幸せな気分になりました。

くびき野では反対の立場で丸さんに心配していただきました。


19時00秒、最後のランナーが2人ゴールして大会は終了しました。 まだ次々とゴールに入ってきますが、14時間12秒のランナーは失格なんです。 完走メダルをもらえませんでした。 なんとも非情な世界です。 この悔しさをバネにまた1年間挑戦が始まるのだと思います。 惜しみない拍手を送りました。 そして自分の中でも静かに「野辺山挑戦」の幕が下りました。


今回ウルトラの魅力を教えてくれた先輩が苦戦する結果となりました。 コペンさんは膝の悪化を恐れて、最大の難所馬越峠を登りきった頂上(79キロ地点)でリタイアされたそうです。 同じコースを走った者として言える事は、大変勇気のいる決断だったと思いますが、コペンさんのウルトラランナーとしてのこだわりを感じました。



今日は朝から快晴です。 昨日の天気がウソのようです。 まあ晴れていればよかったかとも思いますが、あの悪天候の中、1日中走り続けられたこと、完走できたことは自分にとって大きな財産となりました。