新潮文庫『終の住処』
磯崎憲一郎(著)
新潮社(出版)
結婚すれば、
世の中の全てが違って見えるかと思えば、
やはりそんなことはなかったのだ。
互いに20代の長く続いた恋愛に敗れた後で、
交際し、結婚した男女。
ある時を境に11年も
妻は口わ利かないままになる。
そんな話が日常の細部に至るまで、
リアルに書かれています。
好き嫌いが分れる内容ですし、
改行が少ない小説なので、
読みづらさはあると思いますが、
読み進めるも否も読者次第。
20代の恋愛には敗れたからといって、
後悔しているようでもないし、
結局、青年期末期の孤独。
そう孤独を埋めるためには、
もう少し方法があったような気がしますが、
器用な人ならば、きっと・・・。
歳月人を待たず
特にそう感じた作品でした。
※2009年上半期
第141回 芥川賞受賞作
梅雨明けが発表されてからも
雨や雷ばかりの日々でした。
しっかりと晴れてくれました。
日差しは、ギラギラ
熱中症対策をしながら
夏を乗り切る生活になりました。
皆様が健やかに過ごせますように。