ハヤカワepi文庫『悪童日記』

 

アゴタ・クリストフ(著)

 

堀茂樹(訳)

 

早川書房(出版)

 

 
戦争が激しさを増し、双子の男の子は、
 
小さな町に住むおばあちゃんの元に預けられた。
 
物語の舞台は、歴史的にも地理的にも
 
特定されていないが、
 
作者がハンガリー出身であるから
 
大きな町は、首都のブダペストで、
 
小さな町のモデルは、
 
ハンガリーのオーストリア国境近くに実在する
 
クーセグという田舎町だろうという事。
 
双子の男の子が物語の主人公だけど
 
名前は付けられていない。
 
でも、時代は第二次世界大戦末期から
 
戦後にかけての数年間だろうと
 
推測する事は出来ます。
 
内容はハードでとても重いのですが、
 
スラスラとイッキ読み出来るくらいの
 
テンポの良さが魅力的です。
 
双子の男の子の覚悟と
 
根性が凄まじく、
 
その背景として、いかに戦争が
 
残酷なものかと感じさせてくれます。
 
少年が主人公でもある程度は
 
大人になってから読む物語ですね。
 
刺激が強過ぎますから。
 
今尚、世界に衝撃を与え続ける
 
類い希な作品です。
 
※この物語は三部作になっています。
 
『悪童日記』『ふたりの証拠』『第3の嘘』
 
『悪童日記』は、アゴタ・クリストフの
 
フランス語文壇デビュー作です。
 
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