先日、TVで GANTZ の特番がありました。
『ANOTHER GANTZ -アナザーガンツ-』 ってのですね。
映画版第二作目の 『GANTZ:PERFECT ANSWER』 公開前の宣伝でしょうが、
この実写版ストーリーのスピンオフとして構成されており、
本編のシーンなども織り込んであって初めて内容を知った次第。
ぢつは・・・私、これまでこの GANTZ という作品はまったく触れてませんでした。
原作のマンガはおろか、ノベル、アニメや映画もまったくです。
いや、タイトルくらいは知ってたんだけれども、
興味を持つ機会がなかったというか、見ようという気になる作品でも無かった。
たまに、そういう自分の興味センサーからすっぽりぬける場合があって、
時の運というか・・、見るべき時期に現れる作品があったりするものです。
ほら、小説とかでよく言われるアレ。
中学生の時に読んで面白くなかったものも、大人になってから読み返したらすごく良かったとか。
こちらのコンディションに合わせて出会うべき「時」というやつの妙。
今回、何の気なしにTVで 『ANOTHER GANTZ -アナザーガンツ-』 を見てスイッチが入りました。
この特番自体が、とあるルポライターがGANTZ事件を追うという視点から描かれているので
まったく予備知識無しに見る身にはよかったようです。
なので、その後はまず 原作マンガ → アニメ という順に進みました。
ノベルの方も2作品あるようなのでそのうちに・・・。
やはりどんな作品でも、悲しいかな原作を超える出来というものは考えづらい。
とある角川映画に使われた 「観てから読むか、読んでから観るか。」 って選択ならば
後者がいいと私は思っています、原作はマンガだけど。
ーーー
■ 連載作品ゆえの悲劇
原作の方は20011年現在、まだ連載が現在進行形。
アニメの方は2004年に初出、しかし放送規制のために多くの編集が入り短縮された。
その後のDVD版で規制部分が補完され、アニメ版オリジナルの 玄野星人 編 で完となっている。
先日、アニメ版をやっと見終わったところなのだが、今回はこのモヤモヤ感をここに記しておきたい。
「GANTZ アニメ 最終話」 で検索するとかなりヒットするかと思うが・・
原作有りアニメの宿命である賛否両論がものすごい。
そりゃ連載中の作品をアニメ化するのはいいが、オリジナルの「完」を付けてしまうのだからさもありなん。
確かにメディアミックスの場合は異なるエンディング、別解釈の形ってのは良くあるんだが、
このアニメ版GANTZに関しては私も (; ̄□ ̄)えー って感じ。
すでに原作を見てるから、仮説とはいえ 球体「ガンツ」 がどんな存在かを分かっている身としては
あれじゃあいくらなんでもストーリーの整合性が取れないだろうと・・。
なんというか、ただの 「世にも奇妙な物語」 にしてしまった印象がある。
まあ、それならそれでいいんだよ?
忽然と現れた黒い玉、それに翻弄される死んだはずの人達。
そこだけに焦点を合わせた不思議譚なら・・・。
いや、もっと単純に 玄野君の死の間際に見た幻想でしたって夢オチの方がいい。
でも、あれだけメッセージ性をくどい程にアピールしておいて
(いわゆる正義感や人道主義、道徳観念について)
最後には主人公以外全員死亡、彼の内面的自己満足でうやむやって・・・エヴァですか!!
それに、やたら快楽殺人者の屁理屈を垂れ流す玄野星人編の脚本にはうんざりした。
「人を殺して何が悪いっ?」
「お前だってGANTZに命令されて殺してるじゃん、命令されればイイのか?」
「世界中で今も戦争やってる、命令されて人殺ししてるじゃん」
「ソレに比べりゃ俺が殺した人数なんて大した事ない」
うんぬんかんぬん~~~ っとうそぶくサイコさんの台詞周りは要らない。
どうも結局は 「人間が一番怖いんだよ」 と言わせたいために周りくど過ぎた。
正直・・・いつか・・、「GANTZを見て人を殺してもいいと思ったんです」 そんな事件が起きる気がして怖い。
GANTZの関連作品の中でもこの玄野星人編だけは黒歴史、異伝、無かった事にしたいと思えるのだ。
この回だけただの殺人ゲームに成り下がっているのが納得できん
ハイテクとか関係ないただの銃器とか、
そもそもガンツスーツは防弾性能もない代物だったの
殺人狂はいいが、なぜガキが簡単に銃器を扱ってるの
あまりに原作とかけ離れた設定には無理があり過ぎる Σ⊂(゚Д゚ )
ーーー
■ あ~~ イライラする、撃てって
話が前後するが・・・
つまり、アニメ作品としては全編にわたって、脚本、カット割が悪い。
いや いい部分もあるんだよ?
2004年のあの時期にしてはCGの凝った演出やエログロ表現とかすごいし。
でも、アニメ作品としては 致命的にテンポが悪い 。
そうだなあ、マンガや小説だと、コマ間や行間は適度に脳内変換されて補正されるんだが
アニメだと画と台詞の時間的流れが一目瞭然となる。
あれだ・・・
「なに悠長に長台詞くっちゃべってるんだよ! 早く撃てよ!!」
「心の声はいいから早く行けって!!」
「だから、お前らしゃべってる間に撃てって!!」
「いやいや、作戦会議中に敵が動かないのはナゼ??」
「だから、撃ってって!! なぜ撃たないの????」
っと視聴者は突っ込みまくりな訳です。
ヒーローモノでよくある 『変身中は攻撃されない、しない』
それのもっと間が悪いやつですな。
ーーー
■ リメイクして欲しいなあ
また、回想シーンや発端となるキャラ達の過去だとかが冗長的すぎて早送り推奨になる構成のマズさ。
いやこれも、この手法自体は悪くなんだ。
スティーブン・キング作品によくある・・あのパターン。
並列進行するオムニバスストーリーがやがて一本に繋がっていく妙な第三者視点の快感ってやつ。
うまく構成すればワクワクだけど、一歩間違えるとまとまりなくダラダラしてしまう諸刃の剣。
こういう演出はアニメにすると時間処理が非常に難しい。
今作ではそれに見事に失敗したようだ。
こうしたタイムライン表現といった仕方がきわめてマズイ。
監督なのか、コンテが悪いのか、脚本が悪いのか、他にもっと演出の仕方があったでしょう? っとね。
声優さんや画面効果が良いだけに本当にもったいない。
どうかアニメ版に関してはリメイクを出して欲しいところだ。
私はアニメ化する際に原作に忠実でなければならないとは思わない方だ。
アニメにはアニメでしか出来ない事があり、オリジナルシナリオも有りだと思う。
アニメにするために削らなければならないケースもあるし、その逆も然り。
だけれど・・・原作を生かせる監督さんというのは少ないんだろうなとも思う。
似たようなアニメ化のパターンで 『HELLSING』 なんかは後に原作に忠実なバージョンが出てたり、
『パトレイバー』 などもTV版・OVA版でずいぶんと遊びがあったり、
『鋼の錬金術師』 も連載の進行に伴って最初からのリメイクが出たり・・・。
そういうパターンでこの GANTZ もやり直して欲しいと思うのだ。
どうか、アニメ版リメイクの機会にはそんなスタッフに恵まれるように願わずにはいられない・・・。
END
ーーーーー
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ぢつは・・・私、これまでこの GANTZ という作品はまったく触れてませんでした。
原作のマンガはおろか、ノベル、アニメや映画もまったくです。
いや、タイトルくらいは知ってたんだけれども、
興味を持つ機会がなかったというか、見ようという気になる作品でも無かった。
たまに、そういう自分の興味センサーからすっぽりぬける場合があって、
時の運というか・・、見るべき時期に現れる作品があったりするものです。
ほら、小説とかでよく言われるアレ。
中学生の時に読んで面白くなかったものも、大人になってから読み返したらすごく良かったとか。
こちらのコンディションに合わせて出会うべき「時」というやつの妙。
今回、何の気なしにTVで 『ANOTHER GANTZ -アナザーガンツ-』 を見てスイッチが入りました。
この特番自体が、とあるルポライターがGANTZ事件を追うという視点から描かれているので
まったく予備知識無しに見る身にはよかったようです。
なので、その後はまず 原作マンガ → アニメ という順に進みました。
ノベルの方も2作品あるようなのでそのうちに・・・。
やはりどんな作品でも、悲しいかな原作を超える出来というものは考えづらい。
とある角川映画に使われた 「観てから読むか、読んでから観るか。」 って選択ならば
後者がいいと私は思っています、原作はマンガだけど。
ーーー
■ 連載作品ゆえの悲劇
原作の方は20011年現在、まだ連載が現在進行形。
アニメの方は2004年に初出、しかし放送規制のために多くの編集が入り短縮された。
その後のDVD版で規制部分が補完され、アニメ版オリジナルの 玄野星人 編 で完となっている。
先日、アニメ版をやっと見終わったところなのだが、今回はこのモヤモヤ感をここに記しておきたい。
「GANTZ アニメ 最終話」 で検索するとかなりヒットするかと思うが・・
原作有りアニメの宿命である賛否両論がものすごい。
そりゃ連載中の作品をアニメ化するのはいいが、オリジナルの「完」を付けてしまうのだからさもありなん。
確かにメディアミックスの場合は異なるエンディング、別解釈の形ってのは良くあるんだが、
このアニメ版GANTZに関しては私も (; ̄□ ̄)えー って感じ。
すでに原作を見てるから、仮説とはいえ 球体「ガンツ」 がどんな存在かを分かっている身としては
あれじゃあいくらなんでもストーリーの整合性が取れないだろうと・・。
なんというか、ただの 「世にも奇妙な物語」 にしてしまった印象がある。
まあ、それならそれでいいんだよ?
忽然と現れた黒い玉、それに翻弄される死んだはずの人達。
そこだけに焦点を合わせた不思議譚なら・・・。
いや、もっと単純に 玄野君の死の間際に見た幻想でしたって夢オチの方がいい。
でも、あれだけメッセージ性をくどい程にアピールしておいて
(いわゆる正義感や人道主義、道徳観念について)
最後には主人公以外全員死亡、彼の内面的自己満足でうやむやって・・・エヴァですか!!
それに、やたら快楽殺人者の屁理屈を垂れ流す玄野星人編の脚本にはうんざりした。
「人を殺して何が悪いっ?」
「お前だってGANTZに命令されて殺してるじゃん、命令されればイイのか?」
「世界中で今も戦争やってる、命令されて人殺ししてるじゃん」
「ソレに比べりゃ俺が殺した人数なんて大した事ない」
うんぬんかんぬん~~~ っとうそぶくサイコさんの台詞周りは要らない。
どうも結局は 「人間が一番怖いんだよ」 と言わせたいために周りくど過ぎた。
正直・・・いつか・・、「GANTZを見て人を殺してもいいと思ったんです」 そんな事件が起きる気がして怖い。
GANTZの関連作品の中でもこの玄野星人編だけは黒歴史、異伝、無かった事にしたいと思えるのだ。
この回だけただの殺人ゲームに成り下がっているのが納得できん
ハイテクとか関係ないただの銃器とか、
そもそもガンツスーツは防弾性能もない代物だったの
殺人狂はいいが、なぜガキが簡単に銃器を扱ってるの
あまりに原作とかけ離れた設定には無理があり過ぎる Σ⊂(゚Д゚ )
ーーー
■ あ~~ イライラする、撃てって
話が前後するが・・・
つまり、アニメ作品としては全編にわたって、脚本、カット割が悪い。
いや いい部分もあるんだよ?
2004年のあの時期にしてはCGの凝った演出やエログロ表現とかすごいし。
でも、アニメ作品としては 致命的にテンポが悪い 。
そうだなあ、マンガや小説だと、コマ間や行間は適度に脳内変換されて補正されるんだが
アニメだと画と台詞の時間的流れが一目瞭然となる。
あれだ・・・
「なに悠長に長台詞くっちゃべってるんだよ! 早く撃てよ!!」
「心の声はいいから早く行けって!!」
「だから、お前らしゃべってる間に撃てって!!」
「いやいや、作戦会議中に敵が動かないのはナゼ??」
「だから、撃ってって!! なぜ撃たないの????」
っと視聴者は突っ込みまくりな訳です。
ヒーローモノでよくある 『変身中は攻撃されない、しない』
それのもっと間が悪いやつですな。
ーーー
■ リメイクして欲しいなあ
また、回想シーンや発端となるキャラ達の過去だとかが冗長的すぎて早送り推奨になる構成のマズさ。
いやこれも、この手法自体は悪くなんだ。
スティーブン・キング作品によくある・・あのパターン。
並列進行するオムニバスストーリーがやがて一本に繋がっていく妙な第三者視点の快感ってやつ。
うまく構成すればワクワクだけど、一歩間違えるとまとまりなくダラダラしてしまう諸刃の剣。
こういう演出はアニメにすると時間処理が非常に難しい。
今作ではそれに見事に失敗したようだ。
こうしたタイムライン表現といった仕方がきわめてマズイ。
監督なのか、コンテが悪いのか、脚本が悪いのか、他にもっと演出の仕方があったでしょう? っとね。
声優さんや画面効果が良いだけに本当にもったいない。
どうかアニメ版に関してはリメイクを出して欲しいところだ。
私はアニメ化する際に原作に忠実でなければならないとは思わない方だ。
アニメにはアニメでしか出来ない事があり、オリジナルシナリオも有りだと思う。
アニメにするために削らなければならないケースもあるし、その逆も然り。
だけれど・・・原作を生かせる監督さんというのは少ないんだろうなとも思う。
似たようなアニメ化のパターンで 『HELLSING』 なんかは後に原作に忠実なバージョンが出てたり、
『パトレイバー』 などもTV版・OVA版でずいぶんと遊びがあったり、
『鋼の錬金術師』 も連載の進行に伴って最初からのリメイクが出たり・・・。
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