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大阪・寝屋川石田ボクシングクラブ
NEYAGAWA ISHIDA BOXING CLUB 

フィットネスクラブ・マーシャルワールドジムズ 6F
〒572-0041 大阪府寝屋川市桜木町5-3 6F

TEL:072‐801‐6850


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2016-05-26 11:31:59

ブログを読み返して②

テーマ:ブログ
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つづき…



WBAタイトルを失った後、再起を決めた石田は主戦場を移す決意で、すでに馴染みになったキャンプ地ロサンゼルスに渡った。“トレーナー”とは4年前からコンビを組んでいるロサンゼルス在住トレーナー岡辺大介氏、“ルディ”は日本でもおなじみのルディ・エルナンデス氏、岡辺氏の10年来の師匠でもある。そして“ノリさん”とは、戦後まもなく広島からアメリカ西海岸に渡り、半世紀、日本からやってくるボクサーの世話人をしてきたマネージャーのノリ隆谷氏。

さまざまな障壁をクリアしながら、このチームはカークランド戦に到達する。


試合が近くなったころ、岡辺氏から電話があった。「勝てるよ」。石田の弱気をよく知るトレーナーが言うのだから、準備の間に深めた根拠ある自信なのだとは思った。


もともとマニアの岡辺氏は、ドン・カリーやヘナロ・エルナンデスといった“パンチをもらわない選手”がアイドルで、石田のスパーリングを初めて見た時からそのボクシングセンスに惚れ込んだ。


「石田君には、パンチをもらわない神様がついてるよね」というこのトレーナーの言葉を聞いて、一つ年上の石田は先生に褒められた子供のような笑顔をみせた。なぜディフェンスに拘るのかを尋ねると、二人のこたえは同じだ。「だって、痛いのイヤだから」。


しかし、アウェーのリングでは、攻めてどんどんアピールしなければ、ポイントにはならない。メキシコの二の舞にならぬよう、岡辺トレーナーは石田に攻撃の重要性を説いた。上背のある技巧派が短駆の強打者と対戦するのだから、足を使ってさばけ、というのが常套だろうが、ここでは石田にリングの真ん中で戦うよう指示した。ロープに詰まることがないようリング中央に陣取り、パンチをまとめるのである。


「外国人はリングに上がった時点でポイント負けてる。マイナスからのスタートだから。1発当てただけじゃダメ。4発5発まとめて当ててやっとポイントになる。大丈夫だよ、石田君の逆ワンツーが、絶対に当たる。目つぶってても、当たるから」。トレーナーの、力強く、迷いのないそれらの言葉が、35歳で初めてボクシング大国アメリカのリングに上がるボクサーに、新境地を開かせることになるのである。


カメラに映し出された前暫定王者は、決然とした表情で青コーナーに立ち、赤コーナーを見つめていた。


ゴングが鳴ると、好調が続くカークランドが自信満々に出てきたが、石田は逃げない。そしてほどなく、懐深く飛び込もうとする相手に右をカウンター。ホープは何が起きたか理解せぬままキャンバスに落下した。長身の日本人がガッツポーズをしてニュートラルへ行く。再開後、練習したという逆ワンツー、さらにフォローの右でダウンを追加。そしてワンツーでとどめのダウンを奪うのである。レフェリーは、ストップに納得がいかない様子で「まだ出来るよ」と訴えるカークランドに首を振って、コーナーへ戻るよう促した。


わずか112秒の試合、そしてその後の喧騒の間、実況のアナウンサーも大興奮だった。少ない石田のデータを駆使して、大アップセットを報道していた。


「試合のあと、リングから降りたら人が押し寄せてきてたいへんやったんですよ。記者の数もすごくて。まるで満員電車みたいでした(笑)」


ラスベガスでこんなふうに大歓声に包まれることを、おそらくボクサーなら誰でも夢見るのだろう。いつもはテレビの向こうにあるこの煌びやかなボクシングビジネスの中心で、注目を浴びたら、どれだけ気持ちいいだろうか。
石田にとっても、ひそかに想ってきた夢の場所だった。


先日偶然アルバムを開いたら、初めてラスベガスに出張した時のものを発見し、その中の一枚に石田が映っていた。2003年3月1日のWBA世界ヘビー級タイトルマッチ、ロイ・ジョーンズ・ジュニア対ジョン・ルイス戦の前日、メインストリートから外れた庶民派カジノで行われたローカルファイトを観戦に行った時のものである。LAを拠点としていた丸山礼子とベガスの人気者メリンダ・クーパーの再戦。初戦で僅差判定負けを喫した丸山は、この日スタートから猛攻をしかけた。が、地元の人気・実力を兼ね備えたクーパーの的確なパンチを断続的に被弾し、レフェリー・ストップ。しかしその瞬間、地元ヒロインの勝利にも関わらずブーイングが起きた。ストップは早い、というのだろう。勇敢に戦い、無念の敗北を喫した日本人女子ボクサーは、リング上から控え室まで拍手で見送られた。石田はそんな様子を客席で見ていた。


当時の彼は、不振の中にいた。デビューから10ヵ月、2001年3月に6戦目で東洋太平洋スーパーウェルター級タイトルを獲得したところまでは順風満帆だった。が、2ヵ月後、敵地・四国で暫定王者・竹地盛治との統一戦にまさかの判定負けを喫してから、歯車が狂った。日本王座挑戦も、OPBF王座返り咲きにも失敗に終わる。


「そういう時期に、刺激を受けたかった、いうか、なんとかそんな展開を変えたいと思って、初めてアメリカに来たんですよね。トレーニングのためにロサンゼルスに来て、初めてラスベガスでボクシング観戦。客席からリングを見ながら、“自分もここで試合したいなぁ”って思いました」


誰もが実現できる夢ではない。不振を抜け出し、世界王座を獲って奪われて、8年越しで、その憧れの地に立った。しかも、会場はMGMグランド。激闘派マイケル・カツディスがメイン、セミではあのエリック・モラレスがマルコス・マイダナと対戦する、ゴールデンボーイプロモーション主催興行の前座である。


「ミーハーなんでね…僕(笑)ほとんどきょろきょろきょろきょろしてましたね。うわぁ、誰がおる、って。でも大介は普通なんですよ。MGMでも、もう何度も試合についてるし、大介が横にいてくれてよかったですよ。“相手だけ見て”って言われて、僕は集中することができたんです。“勝つぞ”、っていう気持ちにね。もう大丈夫ですよ、ポール・ウイリアムスでもセルヒオ・マルティネスがきても」


あれから、Nobuhiro Ishidaの名前は間違いなく、暫定タイトルを保持していたころよりもずっと頻繁にメディアに登場するようになった。

日本が未曾有の大震災に見舞われてから1ヵ月足らず。日本人の頑張りに世界中が優しい視線を送っていた時勢もあり、絶対的不利の予想を覆したベガス新参の男にはJapan’s Rising Sun,やJapanese Super-Heroといった賛辞がついた。

そして、WBCミドル級名誉チャンピオンのマルティネスや元WBOウェルター級王者ウィリアムス、また最近はWBCミドル級王者になったばかりのフリオ・セサール・チャベスJr.と、このあたりの覇権を争うツワモノ(かその陣営)たちが、対戦相手として現在WBAスーパー・ウェルター級2位、WBCミドル級13位にランクされるIshidaを名指しするのだ。提示されるファイトマネーの額は、カークランド戦を境にゼロが一つ多くなったという。


もちろんあの一勝で、ラスベガスにおいては「新人」である日本人が、セレブリティになれたわけではない。

7月1日からトレーニングの拠点であるロサンゼルスに渡ったが、契約が残るメキシコの新勢力・カネロプロモーションからはビッグマッチどころかローカルファイト決定の知らせも届かず、妻に二人の子供を任せての長逗留に複雑な思いもかかえながらジムでスパーリングを重ねる日々を過ごしている。いまのところ8月27日にメキシコで戦える、かもしれないが、実際ゴングが鳴るまではいつ、キャンセルが無情に告げられるか知れない。


一方のカークランドが早々と地元テキサスで再起し、7月23日のアミア・カーン対ザブ・ジュダー戦の前座でも勝利を収めているのだから、有力なプロモーションに属しない外国人にはやはり、大国アメリカは厳しいと言わざるを得ない。


が、どんなに小さな可能性であっても、たくさんの国からたくさんの無名・有名のボクサーがアメリカのリングを目指すのには、きっとそこにしか落ちていない夢があるからだと思う。当たれば、大きい。どうせギャンブルするのなら、当たれば大きい賭けをしたいではないか。勝負師ならば。



つづく…。
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