26:食べれる幸せと嗜好のスイッチ | 脳幹出血患者☆松田のんが100%の日常を取り戻すまで

脳幹出血患者☆松田のんが100%の日常を取り戻すまで

焦点が合わない…歩く事も出来ない…箸もペンも使えない…
…42歳の主婦を突然襲った「脳幹出血」…
発病から12年が過ぎ、13年目の闘病生活へ突入。
穏やかで充実した毎日を過ごしています。
生きている事に感謝!人生は楽しまなくっちゃ!!

2012年4月1日(日)


どこでもそうかもしれないが、この病院の土日は暇ひま!!

リハビリも診察も検査も回診も無い。


その分、面会時間が長いのだけど、

同室のお見舞いに来ている人

私より年上の方ばかりで、気が滅入る。。。


カーテンを半分閉め、リハビリの自主練に励む!

・・・といっても、膝を立て横に倒す練習ぐらいしか

出来ないのだけど・・・。


リハビリが始まってからは、なぜか闘志に燃えていた。


他にやる事が無かったからかな?


でも、いろいろ考えてしまうと、

なぜ私がこんな目に?なんて、超弱気になったりもする。


その弱気の気持ちをもっと考え始めると、

負のスパイラルに落ちてしまう・・という事だけは、

なんとなく分かっていたから、

あまり考えないようにしていた。


。。。。。。。。。。。。。。。。。


21日から、一日にクッキー1枚程度ならという条件で、

おやつが解禁されていた。

(私のストレスを解消する為のOKだった)


それが、ここ数日前からは、もう少し増やしてもいいと

いう事になっていた。


やったー!食べたいものたくさんあるよ~。


一番初めにお願いしたのは、

春キャベツをちぎって叙々苑のドレッシングであえたもの。


生の野菜が強烈に食べたかった!


だって、病院食には生の野菜がないんだもん。


それから、ネーブルやポンカンなどの柑橘類


食事を刻み食にしてから、フルーツは缶詰めだった。

・・・もう、見るのもヤダ。

甘すぎるし、全然おいしく感じない…。


ああ、この生のフルーツのおいしい事!

やったー!超嬉しい!!!


それからそれから、

日本そばと、お寿司も食べたい~!!


・・・なんて、食べ物の夢は広がるばかり。


本当は、そんなものを持ち込んでは

いけなかったのかもしれないが、


(病院に生ものの持ち込みは禁止です!)


我が夫に懇願して、持ってきてもらった。

(一度にじゃないですよ。)


夕食時に、たとえばコンビニのとろろそばを

持ってきてもらい、夫が病院食を食べ、

私がそばを食べる、といった感じ。


なんて患者だ・・・まったく!!

OK出たけど、先生たちはこんなものまでOKと

言ったはずではないのだが・・・。


でも、これで、私の食ストレスは、だいぶ解消された。


とろろそばのおいしかった事!


ねぎとろの手巻きずし(コンビニの)を

醤油に付けて食べる事の喜びったら!!


本当に、日本人で良かった~としみじみしたわ。


友人のWさんに何を食べたいか聞かれた時は、

パンとかナポリタンとかって答えた。


そして、作ってもらったパンナポリタンは、

多分一生忘れられないだろう。


本当に本当にうまかった~。


食べれる事は、幸せだな~。


。。。。。。。。。。。。。。。。。


脳幹出血の症状は人それぞれで、

私はその時、こんなに酷い状況で・・と思っていたが、

言葉や飲み込む事(嚥下)は、ほとんど大丈夫だった事は、

ラッキーだった。


でも、違和感はあった。


言葉もすぐ出て来なかったり、

早くしゃべりたい気持ちに、言葉がついていけなかったり。


飲み込みはほぼ大丈夫だったが、

味覚は薄く感じていて、

おいしさは半分ぐらいしか感じていない。


味覚のセンサーに薄い膜がかぶさっているような感じ。


でも、食べる事が好きだったから、

食べる事で回復が早まる感じがしていた。



また、味覚に関しては、不思議な事があった。


それは、嗜好が変わってきていると言う事。


もともと、甘いものが好きで、

特に生クリームなどの洋菓子は大好きだったのに、

そこまで魅力は感じなくなっていた。


そして、嫌いだったトマトやあまり好きではない柑橘類が

無性に食べたくなっていた。


不思議・・・


ちなみに今(2013年1月)は、

あんが入った和菓子にすごく惹かれる。


脳の中の出血で、

嗜好が変わるスイッチが入ったということなのかな?