子宮年齢? 子宮を休める? ピル(追記④) | マーブル先生奮闘記

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質問1(ちぃちぃさん (2007-08-23 08:15:45))
子宮を休める? 子宮年齢?

「私の友人がアメリカで
婦人科検診した時に、
ドクターからピルの服用を
推奨されたそうです。
その理由が「(妊娠を望んでないなら)
生理は止めといた方がいい。
毎月生理が来るということは
子宮に負担がかかる状態だから」って
事だったらしく…。
生理は“月のモノ”が通常って思っているから、
子宮に負担?なになに?って、
話は初耳で友人も私もびっくりでした~。

先日TVで「子宮年齢」について
特集していたそうです。
自分の子宮年齢しりたいな~って
思ってるところです(^_^;)。」

答える。

確かにアメリカでは4周期を低用量で
引っ張り、その間月経なしで過ごすという
方法があります。

少なくともアメリカでは日本の4倍の数の
ピルがあり、種類も豊富です。
ただ、子宮に負担がかかるというのは
誤った考えの発言だと思います。

子宮は卵巣から分泌される
卵胞ホルモンと黄体ホルモンで
周期的にその内膜の状態を変化させます。
また、思春期に小さかった子宮は、
両ホルモンによって育ち、細胞の大きさを
変化させます。
思春期には5センチだった子宮は、
性成熟期には7.5センチまで成長します。

先ほどの年四回の月経のみでコントロールする
方法でも子宮は小さくなることはありません。

子宮年齢という言葉はおかしな言葉です。
卵巣年齢は存在する可能性はありますが、
子宮はあくまでも卵巣ホルモンの
ターゲットオルガン(標的器官)です。

特殊な蛋白(たとえばSHBG)を
分泌することは知られていますが、
ホルモンを分泌する器官ではありません。

(妊娠中は子宮内の胎盤が
ホルモンを分泌しますが、
子宮内膜が変化した脱落膜から
ホルモンが分泌されることはありません)

卵巣の寿命とともに子宮の反応性は
消滅し、閉経期にはその長さを5センチまでに
戻し、老齢期にはその長さは
3センチ程度までに萎縮します。

閉経期にも外部から性ホルモンを
投与すれば子宮内膜も肥厚しますし、
消退出血を観察することが出来ます。

外国で閉経後の婦人が妊娠した報告があるのは、
家族や娘さんの受精卵を移植するまでに、
婦人に卵巣のホルモンを投与し、
移植時期までに子宮内膜を同調させています。
黄体形成がないので、
12週前後まで卵胞ホルモンと
黄体ホルモンを投与します。
後は胎盤が形成されるので、
ホルモン投与は必要ありません。
ただ、子宮が萎縮している場合は
短期間ですが、ホルモン投与で、
子宮を一定の大きさにする必要があります。

卵巣さえ機能がしっかりしていれば、
子宮年齢は存在しないように思われます。