今回の治療方針についての詳しい検討。
子宮内膜症と卵巣がんとの関係
現在正常な状態でも将来的に子宮内膜症は
悪性化するかどうかの可能性について、
1)一般的に子宮内膜症を有する女性では
乳がん、卵巣がん、非ホジキンリンパ腫の発生が高い
2)原発性不妊症患者が多い
3)画像診断は超音波検査とMRIが有用
4)年齢は40歳以上に注意
5)10センチ以上に注意
6)腫瘍に充実部あり、
7)短期間に腫瘍が発育する
8)閉経後なのにチョコレート嚢腫がある
9)治療しないのに自覚症状が消えた
10)CA!125 はあまりあてにならない
11)癌化の腫瘍組織像はさまざま
12)腫瘍内容液の液性変化に注意
などが重要な観察ポイントとして提言されています。
いずれにしても注意が必要です。
娘の時はこれらも考えましたが、
現時点での問題点は5のみでした。
今回は、本人の希望と多くの考察から、
とりあえず、内容物穿刺、厳重な経過観察、
必要ならば追加的に摘出手術と考えました。
多くの研究者達の研究から、PTEN遺伝子の重要性や
K-ras遺伝子との関係などと子宮内膜症の癌化が
関与していると報告されています
ここ10年ぐらいの研究の発展が子宮内膜症の
方向性を決める発見がなされそうである。
娘の経過観察とともにこの分野の発展を
これからも注意深く見ていくつもりです。