『ナショナル・インクワイアラー(The National Enquirer)
』は、一般的には、『ザ・インクワイアラー』と知られているセレブリティ誌で、アメリカン・メディアによって発行されています。
また、『ナショナル・インクワイアラー』はアメリカ全土のスーパーマーケットで販売されているタブロイド誌で、コンテンツがセレブリティに焦点をあてられていることで有名です。
『ナショナル・インクワイアラー』は1926年にウィリアム・ギリフィンによって、『ニューヨーク・イブニング・インクワイアラー(The New York Evening Enquirer)』として創刊されました。
これは日曜日の午後に、ニューヨークで配られた片面刷りの新聞でした。
その後、1952年にジェネロソ・ポープ・ジュニアに買収され、1953年に片面刷りから、タブロイド版に改良されました。
そして、1957年には、誌名が現在の『ナショナル・インクワイアラー』に変えられ、アメリカで初めて、スーパーマーケットのレジ脇で販売されるようになり、その結果、アメリカにおけるスーパーマーケット・タブロイド誌のパイオニアとなったのです。
『ナショナル・インクワイアラー』は1971年に本社をニューヨークからフロリダ州に移し、その後、1988年にポープが死ぬと、『ナショナル・インクワイアラー』はマクファデン・パブリッシングとボストン・ベンチャーズの共同経営者に売却されました。
この共同経営者はその後すぐに、この雑誌の最大のライバル誌であった『スター(The Star)』をルパート・マードックのニューズ・コーポレーションズから買収し、二つの雑誌は最終的に、新しく設立されたアメリカン・メディアによって発行されるようになりました。
『ナショナル・インクワイアラー』は記事のためのセレブリティ情報をお金で買うと広言したため、多くの雑誌社から好ましくないと批判されてきましたが、人びとは詮索好きで、何でも知りたがっていると反論してきました。
しかし、プライバシーの尊重を主張する女優との裁判で、故意に、もしくは、悪意を持って記事を掲載したと判断され、その記事について、誤りであり、名誉を傷つけたと明らかにしなければならなくなりました。
その結果、『ナショナル・インクワイアラー』は今まで実践してきたタブロイド誌におけるセレブリティ・ジャーナリズムの方向性を軌道修正する必要に迫られ、事実とその情報源の信頼性を厳しくチェックするようになりました。
そして、現在も『ザ・インクワイアラー』と呼ばれ、スーパーマーケット・タブロイド誌の代表としてがんばっています。
PIBによると、『ナショナル・インクワイアラー』の2011年における広告収入額は3809万1568ドル(前年比-9.7%)で、広告ページ数は811ページ(+2.5%)でした。