“Colonel Sanders” と書いて、なぜ、「カーネル・サンダース」 と読むのか? 前編 | げたにれの “日日是言語学”

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やたらにコトバにコーデーする、げたのにれのや、ごまめのつぶやきです。

   げたにれの “日日是言語学”-カタールのケンタッキー
   カタールのケンタッキー。


   アラビア語圏のケンタッキー・フライド・チキンの看板には、

   なぜか、 حجاج كنتاكي ḥujjāj kentākī [ ふッ ' ヂャーヂ ケンター ' キー ] と書かれている。

   ネットで調べても理由は不明だった。 ḥujjāj というのは、イスラーム圏で用いられるところの、

   「メッカへの巡礼を果たした人」 の名前に添えられる称号 ḥājj [ ' はーッヂ ] の複数形である。


   ところから、これは、おそらくイスラーム圏でもなじんでもらえるようにと考案された

   “Kentucky Colonels の意訳ではないだろうか。





〓1985年、タイガースが21年ぶりにリーグ優勝しました。当時のタイガース打線は手がつけられませんでしたナ。


3番 バース、4番 掛布、5番 岡田。早くも4月17日に甲子園球場でくらったバックスクリーン3連発にはガックリ。なんせ、打たれたピッチャーが、ジャイアンツのエース槇原でしたから。もっとも、槇原はそういうところのあるピッチャーでしたなあ……


〓10月16日に阪神が優勝したときのファンの騒ぎッぷりときたら、たぶん、平成生まれにはソーゾーもつかないでゲショウ。TVに映し出される大阪は、民衆の暴動か、革命のようでした。
〓だから、暴徒と化したタイガースファンが、カーネル・サンダースをバースに見立てて、胴上げし、ついに、戎橋 (えびすばし=テレビで、しばしば “グリコ” の大看板とともに映る橋) から道頓堀 (どうとんぼり) に投げ込んだとしてもフシギではありませんでした。


〓「ケンタッキー フライドチキン道頓堀店」 は 1998年に閉店しましたが、優勝当時は、昨年7月に閉店した 「くいだおれ」 の向かいにあったそうどす。つまり、


   「カーネルおじさん」 と 「くいだおれ太郎」 は道頓堀筋で向かい合って立っていた


んですなあ。ひとつ間違えば、「くいだおれ太郎」 も道連れに、道頓堀のモクズになっていたかもしれない……

〓その 「カーネル・サンダース」 の人形が、先だっての3月10日に24年ぶりに発見されました。これで、タイガースにかけられていた呪いも解ける、ってえんですが……



               野球               野球               野球



〓よう雑学ネタになるように、「ケンタッキー フライドチキン」 の店頭にカーネル・サンダースの人形を置くという習慣は日本で生まれたものです。


〓ネット情報によると、この人形は、タイ、フィリピン、台湾、中国、韓国、ハワイに輸出されている、とのことですが、 Google のイメージ検索で確認できるのは、タイと韓国だけです。
〓日本、韓国、タイを訪れた外国人は、このサンダース人形にいたく感銘を覚えるらしく、ネット上にアップされている 「カーネル・サンダースとのツーショット写真」 がしばしば見つかります。



   げたにれの “日日是言語学”-韓国のカーネルおじさん   げたにれの “日日是言語学”-タイ・バンコクのカーネルおじさん
    韓国の 「カーネルおじさん」。           バンコク (タイ) の 「カーネルおじさん」。







  【 「カーネル・サンダース」 という名前 】


〓ところで、KFCこと 「ケンタッキー フライドチキン」 の創業者の名前が、


   カーネル・サンダース Colonel Sanders [ ' カァヌる ' サンダァズ ]


であるのをフシギに思ったことはありませんか?


Colonel というのは、名前ではなく称号です。軍隊における階級をあらわします。世界一般では、「陸軍大佐」 のみを Colonel と称しますが、現在の米軍では、海軍以外の 「大佐」 は、すべて Colonel です。



   【 米軍 】 Colonel …… 陸軍・海兵隊・空軍の 「大佐」
       ※海軍では Captain

   【 英軍 】 Colonel …… 陸軍・海兵隊の 「大佐」
       ※海軍では Captain。 空軍では Group Captain



〓つまり、海軍でないかぎり、


   「カーネル・サンダース」 = 「サンダース大佐」


です。


「コンバット!」 “Combat!” のメインキャラクターは 「サンダース軍曹」 でしたが、 KFC の創業者は 「サンダース大佐」 なのです。そして、「大佐」 は 「軍曹」 よりずっとエライのです。 (“Combat!” の 「サンダース軍曹」 は正確には Sgt. Saunders [ 'sɔ:ndɚz ] で 「ソーンダース軍曹」)


〓日本では、「カーネルおじさん」 という愛称が通用していますが、これだと 「大佐おじさん」 になっちゃう。


〓カーネル・サンダースの本名は、


   Harland David Sanders [ 'hɑɚlənd 'deɪvɪd 'sændɚz ]
     [ ' ハァらンド ' デイヴィド ' サンダァズ ]
     ハーランド・デイヴィッド・サンダーズ


です。1890年 (明治23年)、インディアナ州のプロテスタントの家庭に生まれました。5歳のときに父親をなくし、12歳のときに母親が再婚しました。義父の暴力に耐えかねて、学校を中退し、家出。以後、職を転々とし、16歳のときに年齢をいつわって陸軍に入隊。


〓しかし、ハーランド・サンダースは、下士官になったことさえない一兵卒 private でした。つまり、 Colonel という称号は、軍隊で昇格して得たものではないんですね。


〓んぢゃナンだ? かおはてなマーク




〓米国のケンタッキー州が、「州に貢献した人物に授与する名誉称号」 に


   「ケンタッキー・カーネル」 Kentucky Colonel


というのがあります。つまり、「名誉上の大佐」 ということです。ハーランド・サンダースが名乗っていたのは、この 「大佐」 です。「ケンタッキー・カーネル」 には、義務もなければ、報奨金や恩給のたぐいもまったくありません。ホントウの 「称号」 にすぎません。



               クローバー               クローバー               クローバー



〓「ケンタッキー・カーネル」 の起源は、1813年 (文化10年) にさかのぼります。


「米英戦争」 “War of 1812” は、1812年に火蓋が切られましたが、米国は満足な準備をしていませんでした。米国陸軍の正規の兵員は不足し、給与も安かったので志願者も足りませんでした。そこで、米国各州に、民兵の派遣を要請することになったのです。
〓戦争は、英米とも際だった戦果をあげられず、長期化の様相を呈したため、1814年の末に講和がはかられ、終戦を迎えました。


〓1813年、「米英戦争」 に参加したケンタッキー市民軍 the Kentucky Militia は、敗北を喫して帰還し、解散となりました。
〓このとき、ケンタッキー初代州知事 アイザック・シェルビー Isaac Shelby は、市民軍の将校のひとりだったチャールズ・S・トッド Charles S. Todd を腹心の部下に迎え、彼に Colonel 「大佐」 の肩書きを用意しました。トッドは、のちに、シェルビーの娘と縁組みしています。





   げたにれの “日日是言語学”-チャールズ・S・トッド2
   初代ケンタッキー・カーネル。チャールズ・S・トッド Charles S. Todd




〓こののち、ケンタッキー州知事は、自分のボディガードとして 「大佐」 を任命するのが慣例となりました。彼らは、揃いのダークブルーのジャケットを着て、州知事の出席する公式行事に同行するようになりました。
〓歴代の州知事らがこの慣例にしたがったため、約100年後の1920年代 (大正時代) には、すでに、「大佐」 の肩書きを持つ人が相当な数にのぼっていました。


〓1928年 (昭和3年)、歴代の 「大佐たち」 を1つの巨大な非政治的組織にまとめあげ、ケンタッキーの振興に役立てようという企てが始まりました。
〓 1932年 (昭和7年)、第43代ケンタッキー州知事 ルビー・ラフーン Ruby Laffoon によって、


   “Honorable Order of Kentucky Colonels”
        「ケンタッキー・カーネル (大佐) 勲功章」


が設けられました。爾来 (じらい)、「ケンタッキー・カーネルズ」 は慈善団体として活動してきました。


〓「カーネル・サンダース」 こと、ハーランド・サンダースが 「ケンタッキー・カーネル」 勲功章を授与したのは、まさしく、このルビー・ラフーン知事の時代でした。
〓このラフーン知事という人物は、任期中 (1931~35) に 「州消費税」 や 「自動車税」 を導入したり、あるいは、監獄の不足から 歴代1位の数にあたる560件もの 「恩赦」 をおこなったり、はたまた、歴代1位の人数の 「ケンタッキー・カーネル勲功章の授与」 をおこなったりという、何かと物議をかもす知事だったようです。


〓「カーネル・サンダース」 の “圧力釜” を使ったチキンは、確かに行列を生むような人気ではありましたが、彼が Colonel に叙勲された背景には、そういう 「称号乱発知事」 がいたわけですネ。



〓カーネル・サンダースの時代、「ケンタッキー・カーネル」 に叙勲された人は、多くの場合、表立って名乗らなかったそうです。たぶん、肩書きの価値が下落していたんでしょう。
〓しかし、カーネル・サンダースは、そうした人々を尻目に、みずから積極的に “Colonel” を名乗り、「南部紳士」 southern gentleman 然とした白いスーツ姿で、みずから 「ケンタッキー・フライド・チキン」 の広告塔を演じ続けていました。






  “colonel” の語源 】


〓ええと、問題はカーネル・サンダースの経歴ではないのですね。


   colonel の発音


です。普通の日本人なら 「コロネル」 と読みたくなりますね。しかし、実際の発音は、そうではない。


   colonel [ 'kɚnᵊɫ ] [ ' カァヌる ]


なのです。もし、この発音を純然とあらわす綴りを考えるとしたら、


   kernel


となるでしょう。そして、この英単語は実在し、発音も colonel と同じです。ただし、その意味は 「中心部、核」 です。コンピューターのプログラミングにたずさわっているヒトならば、OS (オペレーティング・システム) の中核を指すコトバとして kernel を知っているでしょう。

〓しかし、なんだって、また、 colonel と書いて kernel と同じに読むんでしょうか。英単語、多しと言えども、このタイプの変則的な発音をする単語は他に見当たりません。



               クローバー               クローバー               クローバー



〓その原因を、まず、語源から調べてみましょう。


〓この単語は、ラテン語の


   columna [ コ ' るムナ ] 「柱」。ラテン語


に起源を持ちます。この単語は、現代英語では、


   column [ 'kɑləm ] 「柱、列、論説」。英語


となっています。英語には、ときどき、語末を -mn と書いて [ -m ] と発音する単語がありますが、これらは、通例、フランス語を通じてラテン語から借用されたものです。フランス語から入った当時は、次のような奇妙な音でした。



   colonne [ コ ' ろンヌ ] 現代フランス語
    ↑
   colombe [ コ ' ろんバ ] [ kɔ'lõbə ] 「柱」。古仏語、1160年
   colone [ コ ' ろナ ] [ kɔ'lɔnə ] 「柱」。古仏語、12世紀末
   ────────────────────

   columna [ コ ' るムナ ] ラテン語

   ――――――――――――――――――――
   columpne [ コ ' るンプナ ] [ kɔ'lʊmpnə ] 「柱」。アングロ・フレンチ、1170年
    ↓
   columpne 中期英語
    ↓
   columne, columpe 中期英語
    ↓
   column 現代英語



〓「コルンプナ」 とは奇妙ですが、ノルマン人のフランス語では、当初、そのように発音されていたものでしょう。
〓ラテン語の -a は、弱母音 [ ə ] に変化していましたが、まだ、明瞭に聴き取れる母音でした。 -p- は m と n の音をハッキリと分ける 「声立て」 (こえだて) として発生したものでしょう。
〓中期英語で、 -mpne に終わるような単語の場合、通例、英語では [ -m ] 音が残り、フランス語では [ -n ] 音が残ります。



   column [ 'kɑləm ] 英語
   colonne [ kɔ'lɔn ] [ コ ' ろンヌ ] フランス語
      ← columna [ コ ' るムナ ] 「柱」。ラテン語


   autumn [ 'ɔ:təm ] 英語
   automne [ ɔ'tɔn ] [ オ ' トンヌ ] フランス語
      ← autumnum [ アウ ' トゥムヌム ] 「秋」。ラテン語
       ※中期英語、アングロ・フレンチでは、 autumpne



〓英語でアクセントが語頭に移動しているのは、「マンドレイク」 の話題のオリに説明したとおりです。


〓イタリア語では、この単語は colonna [ コ ' ろンナ ] と変化しました。 m が n に同化しています。
〓そして、「柱 → 列 → 軍の縦隊」 というぐあいに語義を拡大させました。この colonna に指小辞 (ししょうじ=小さい物をあらわす接尾辞) -ello を付けたものが、


   colonnello [ コろン ' ネッろ ] 「軍の縦隊長」→「連隊長」。イタリア語


です。


〓いっぽうで、フランス語・英語でも、ラテン語の columna に由来する単語に、「列、縦隊」 の語義を持っていましたが、その指小形 (ししょうけい) で 「縦隊長」 を指す、という語法はありませんでした。
〓フランス語で指小辞のついた単語は、文字どおり、「小さい柱」 を指すにすぎませんでした。


   colombele [ コろん ' ベら ] 「小さな柱」。古仏語、1170年
     ※現代フランス語では、指小辞 -ette を使って colonnette [ コろ ' ネット ] と言う。



〓イタリアでは、14世紀からのルネッサンスにより、兵法も進んでいたものと見えます。
〓しかし、15世紀末から16世紀半ばに断続的に起こった 「イタリア戦争」 において、イタリアは 「ハプスブルク家」 と 「ヴァロワ家」 (フランス) の勢力争いの舞台にされてしまい、国土は分断され、さまざまな外国勢力のもとに置かれることとなりました。


〓この 「イタリア戦争」 当時、フランス語には、イタリア語から軍事用語が入っています。


   colonnel [ コろ ' ネる ] 「縦隊長」。1534年 ※現代語より n が1つ多い
      ← colonnello 「縦隊長」。イタリア語


   soldat [ ソる ' ダ ] 「兵士」。1532年
      ← soldato 「兵士」。イタリア語






  soldiersoldat

     ── 英語とフランス語で、なぜ、語彙がちがうのか 】


soldat 「兵士」 という単語がイタリア語からの借用語だというのは意外ですね。もちろん、これ以前のフランス語にも 「兵士」 を意味する単語はありました。


   soldoier [ ソウドイ ' イェル ] 「傭兵」。古仏語、12世紀初頭
   soldier [ ソウディ ' イェル ] 「傭兵」。古仏語、12世紀初頭
   sodoieor [ ソドイエ ' オル ] 「傭兵」。古仏語、1160年
   soldeis [ ソウデ ' イス ] 「兵士」。古仏語、12世紀
   soldener [ ソウデ ' ネル ] 「兵士」。古仏語、12世紀
   soldenier [ ソウデニ ' イェル ] 「兵士」。古仏語、12世紀
      ※ l と綴られていても発音は [ w ]


〓これらは、いずれもラテン語の solidus [ ' ソりドゥス ] 「堅い、確実な」 に由来します。英語の solid の起源となった形容詞です。



   solidus [ ' ソりドゥス ] 「堅い、確実な」。ラテン語
    ↓
   solidus (nummus) [ ' ソりドゥス ( ' ヌンムス) ] 「金貨」。ラテン語
    ↓
   *solde [ 'sɔwdə ] [ ' ソウドゥ ] 「俸給」。古フランス語
    ↓
   soldeer [ sɔwde'ɛr ] [ ソウデ ' エル ] 「俸給で雇う」。古フランス語。12世紀
   soldoier [ sɔwdɔi'ɛr ]  [ ソウドイ ' イェル ] 「俸給で雇う」。古フランス語。12世紀
    ↓
   solde-, soldoi- 上記の動詞の語幹
    +
   -ier  行為者 「~する人」 をあらわす接尾辞 ← -ārius [ ~アーリウス ] ラテン語
    ↓
   上記の soldoier, soldier  など。



〓英語の soldier は、この系統の語を借用したものですね。今でこそ


   soldier [ 'soʊɫdʒɚ ] [ ' ソウるヂャァ ] 「兵士」。英語


と L を発音しますが、もともとは存在しなかった音です。綴りに引きずられて復活したものです。 falcon の L と同じですね。



〓15世紀末のフランスが、 soldat という、自国語とさほど語源の変わらないイタリア語彙を借用した背景には、従来のフランス的な 「傭兵」 という概念を刷新する意味があったのかもしれないし、あるいは、モチャモチャと長ったらしい単語と比べて、発音のスパッとしたイタリア語彙に惹かれたのかもしれません。


〓イタリア語の soldato も、フランス語と同じ 「確約した金で雇った」 という発想による造語です。しかし、フランス語が soldeer 「俸給で雇う」 という動詞を新造し、それに -ier という 「~する人」 という接尾辞を付したのに対し、イタリア語はラテン語にもともとあった solidare 「確実にする」 を流用し、これの完了分詞、つまり、「~した者」 を意味する 「名詞化した形容詞」 を使っています。そこに、両者の語尾の音の違いがあらわれています。



   solidāre [ ソり ' ダーレ ] 「堅くする、確実にする」。ラテン語
    ↓
   *soldāre [ ソる ' ダーレ ] 俗ラテン語
    ↓
   *soldātus [ ソる ' ダートゥス ] 「堅くした(もの)、確実にした(もの)」。俗ラテン語、完了分詞
    ↓
   soldato [ ソる ' ダート ] 「兵士」。イタリア語、1348年初出



〓いずれにしても、フランス人は、自国語の語彙を捨てて、イタリア語を採用したのです。



〓実は、ヨーロッパの諸言語では、「兵士」 を soldat と呼ぶ言語がひじょうに多く、イタリアからヨーロッパじゅうに輸出された単語であることがわかります。また、借用したすべての言語で、トスカーナ (フィレンツェ) 起源の標準イタリア語形 soldato ではなく、 soldat という語形を示すのです。



   soldat [ sɔl'da ] [ ソる ' ダ ] フランス語
   Soldat [ zɔl'da:t ] [ ゾる ' ダート ] ドイツ語 (←フラマン語 <オランダ語>)
   soldaat [ ソる ' ダート ] オランダ語 (←イタリア語)
   soldat デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語 (←フランス語)
   soldat ルーマニア語 (←フランス語 ?)
   солдат soldat [ サる ' ダート ] ロシア語 (←イタリア語)
   ──────────
   soldat [ スゥる ' ダート ] カタルーニャ語
   soldat オック語 (南仏語)



〓スペイン語、ポルトガル語では、イタリア語と同じ造語で、 soldado [ ソる ' ダード ]。母音間の t が有声化しているだけです。カタルーニャ語の soldat も同じ造語でしょう。この言語の特徴として、語末の -o が落ちています。ロシア語は、イタリア語からの借用といっても、「フランス語を見ならって」 ということではないでしょうか。

〓すべて、もとをたどるとイタリア語に行き着くんですが、なぜか、標準イタリア語形の soldato と一致しません。おそらく、語末の -o を落とす、北イタリアのいずれかの方言から借用されたものでしょう。たとえば、


   suldat ブレシア方言 (Bresciano)
   soldât フリウリ方言 (Furlan)


が見られます。




 パンダ いつも長くてもうしわけありません。また、半分に分けないとアップできなくなりました しょぼん

    後編は↓でござる。

    http://ameblo.jp/nirenoya/entry-10231986921.html