「さるぼぼ」 の問題。 ―― “ボボ” の語源について。 | げたにれの “日日是言語学”

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やたらにコトバにコーデーする、げたのにれのや、ごまめのつぶやきです。

みなさん、なあ、これナンヤ知ってはりますか?



さるぼぼ


〓これなあ、“さるぼぼ”  ッちいますのやそうな。岐阜県は、飛騨地方の民芸品だそうでございます。顔はアコウて、マンマルで、目も口もハナもござりません。ござりませんが、これは 「おサルさん」 なんやそうです。縁起物で、「災いをサル」 にもかかってるんやそうな。御守りに持つヒトもいるんやそうです。

〓かく言うワタイも知りませなんだ。このあいだの 「秘密のケンミンSHOW」 で、

   清水ミチコさんが、ドサクサまぎれに宣伝してはった

んですよ。
〓こうした民芸品のタグイも、2006年からは、

   地域団体商標

として使用権が保護されるんやそうです。「さるぼぼ」 は昨年から登録しております。ほら、そこ、クスクス笑 (わろ) たらいかんよ。 むっ

〓ええ、そんじょそこらの民芸品やったら、こないにコーデーしやしません。もちろん、その名前のキョーレツなインパクトにやられてしもたんです。

   「さるぼぼ」

ねえ…… ホラ、そこ笑いなや。 むっパンチ!



  【 「さるぼぼ」 】

〓飛騨の方言で、

   【 ぼぼ 】 赤ん坊

を意味します。つまり、

   【 さるぼぼ 】 サルの赤ちゃん

ということです。
〓なぜ、“さるぼぼ” を取り上げたか、というと 「ぼぼ」  というコトバは、日本の多くの方言で “女性器” を意味するからです。そういう地方のヒトからすれば、「さるぼぼ」 というのは、ものすごいインパクトのあるコトバです。

〓アタクシ覚えまして、子どものころ使ったことのあるのは、

   マンコ、オマンコ

ですね。この言い方は、関東 (東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県) から、山梨県、長野県、岐阜県、富山県という本州の中央部で使われるようです。なので、飛騨では “さるぼぼ” と言っても、いっこう問題がないわけです。


〓昨年だったか、一昨年だったか、TBSの深夜放送を担当しているブラック伊集院光氏が、

   沖縄県那覇市の漫湖 (まんこ) を訪ねる、という録音中継



   漫湖

   漫湖


を放送しました。ケッサクですね。「漫湖、漫湖」 をレンコするんですから。道行くウチナーンチュに、「この湖は、ナンて言うんですか?」 と訪ねると、みんな、「漫湖です」 と答えてくれます。ウチナーンチュのアタマの中の辞書には 「マンコ」 という禁止コードがないわけです。
〓ウチナーグチでは、

   ホー、ホーミ
   ボボ

が通用するようです。「ホー」 と 「ホーミ」 は、ごく古い日本語に由来します。

   【 ほと 】 女性器

〓これは、『古事記』 (712年) から登場する、もっとも古い 「女性器名称」 でしょう。『古事記』 には、少しも悪びれずに書いています。


――――――――――――――――――――――――――――――
此間有媛女。是謂神御子。其所以謂神御子者、三嶋湟咋之女、名勢夜陀多良比賣。其容姿麗美。故、美和之大物主神見感而、其美人爲大便之時、化丹塗矢、自其爲大便之溝流下、突其美人之富登 【此二字以音。下效此】 爾其美人驚而、立走伊須須岐伎。【此五字以音】 乃將來其矢、置於床邊、忽成麗壯夫、即娶其美人、生子、名謂富登多多良伊須須岐比賣命。亦名謂比賣多多良伊須氣余理比賣。【是者、惡其富登云事後改名也。】 故、是以謂神御子也。

ここに媛女 (おとめ) あり。こを神の御子 (みこ) といふ。その、神の御子といふゆゑは、三嶋 (みしま) の湟咋 (みぞくい) が女 (むすめ)、名は勢夜陀多良比売 (せやだたらひめ)、その容姿(かたち) 麗美 (うるは) しければ、美和 (みわ) の大物主 (おおものぬし) の神、見感 (みめ) でて、その美人 (おとめ) の大便 (くそま) る時に、丹塗矢 (にぬりや) になりて、その大便 (くそま) る溝 (みぞ) より流れ下 (くだ) りて、その美人 (おとめ) の “ホト” を突きき。しかして、その美人 (おとめ) 驚きて、立ち走りいすすきき <=驚き騒いだ>。すなはち、その矢を将 (も) ち来て、床の辺 (とこのべ) に置けば、たちまちに麗 (うるわ) しき壮夫 (おとこ) に成りぬ。すなはち、その美人 (おとめ) を娶 (めと) りて生みたまへる子、名は富登多多良伊須須岐比売の命 (ほと たたら いすすき ひめの みこと) といひ、またの名は、比売多多良伊須気余理比売 (ひめ たたら いすけ よりひめ) といふ。こはその “ホト” といふ事を悪 (にく) みて、後に名を改めしぞ。かれ、ここを以 (も) ちて神の子といふ。

おとめ座ここにひとりの乙女がいて、神の子であるという。神の子と称するゆえんは次のとおりである。
おとめ座三島氏の湟咋 (みぞくい) のところの “セヤダタラヒメ” という娘が、あまりに美しいので、三輪明神 (みわみょうじん) に祀られている神である 「大物主」 (おおものぬし) は見惚れてしまい、その乙女が排便のおりトイレ、矢柄を赤く塗った矢に姿を変え、便所の下を流れる溝を流れ下って、その乙女の性器を突いた。 いて座
おとめ座すると、その乙女は驚いて、立ち上がって、走り出し、騒いだ。そのあと、その矢を持って来て、寝床のあたりに置くと、その矢は、たちまちイケメンになった。
おとめ座そのあと、大物主が、その乙女を妻とし、生まれた子供が、“ホトタタライススキヒメ” と言い、またの名を “ヒメタタライスケヨリヒメ” と言う。
おとめ座というのも、名前に 「ホト」 が付くのが嫌なので、のちに改名したのだ。この乙女は、こういう次第で神の子というのである。

――――――――――――――――――――――――――――――


〓すごいハナシですよね。ギリシャのゼウスもびっくりです。「う~ん、便所という手があったか……」 なんてね。
「丹塗矢」 (にぬりや) は、矢柄を赤く塗った矢で、呪力を持つと考えられていました。また、「くそまる」 という動詞は、「糞」+「まる」 という合成語で “排便する” という意味。「まる」 のみでは “排泄する” という意味。標準語では消失していますが、方言には残っているところがあります。
〓小川の上に板を渡して、そこで排便したものでしょうか。その川の上流から、神様が矢に化けて流れてきて、上を見ると 「乙女のホト」。う~ん、かなりなAVですね。

〓ウチナーグチでは、

   *poto 「ポト」 原日本語
    ↓
   *poo 「ポー」 原ウチナーグチ
    ↓
   *ɸoo 「フォー」
    ↓
    hoo 「ホー」 現代ウチナーグチ

と変化したものでしょう。t は、きわめて早い時期に脱落したものでしょう。でない場合、現代語の語形は huu 「フー」 とならなければなりません。
〓「ホーミ」 のほうは、「ホトガミ」 に由来するようです。「ホト」 の 「上」 (かみ) の意で、おそらく、“女性の下腹部” を指すコトバだったんでしょう。現在でも、方言に残っています。


   【 “下腹部” の意の方言 】

    「ほがみかしら」 仙台 (女陰の上の辺り)
    「ふうがみ」 熊本県
    「ふがみ」 熊本県芦北郡・八代郡
    「ふがん」 沖縄県首里


〓こちらのほうは、「ホト」 が huu, hu に変化しているのが見てとれます。-t- が落ちない語形のまま、o → u という変化をこうむったものでしょう。
〓つまり、ウチナーグチの 「ホーミ」 と 「フガン」 は、次のように枝分かれした異形でしょう。


       hugaN 「フガン」 現代ウチナーグチ
       ↑
      *hugami 「フガミ」
       ↑
      *huugami 「フーガミ」
       ↑
      *hutugami 「フトゥガミ」 原ウチナーグチ
       ↑
  *potogami 「ポトガミ」 原日本語
       ↓
      *ɸoogami 「フォーガミ」 原ウチナーグチ
       ↓
      *ɸooami 「フォーアミ」
       ↓
       hoomi 「ホーミ」 現代ウチナーグチ


〓沖縄における 「ボボ」 という語彙は、近世に薩摩から入ったものではないでしょうか。というのも、漢字音や特殊な語彙を除けば、ウチナーグチには、短母音の o は存在しなかったからです。つまり、bobo という単語はウチナーグチの単語としてありえません。

〓関西~中国~四国には、「オメコ」 が分布するようです。


   【 方言として 「おめこ」 の採録されている土地 】

    愛知県知多郡
    三重県志摩・名張市
    京都府
    和歌山県日高郡
    ――――――――――
    兵庫県明石郡 「おめ」
    鳥取県気高郡
    岡山県苫田郡
    広島県
    ――――――――――
    徳島県
    愛媛県新居郡


〓これら地域を内包し、ひとまわり広い地域では、「おそそ」 という言い方もあります。マキノ雅彦こと、津川雅彦さんの映画 『寝ずの番』 (ねずのばん) を見たヒトなら、例の 「おそその一件」 はよくご存じでしょう。
〓原作者の故中島らもは、あきらかに六代目の笑福亭松鶴 (しょうふくてい しょかく) 師をモデルにしていると見えますが、してみると、キッスイの大阪弁では 「おそそ」 のほうが主だったんでしょうか。

〓東日本の 「オマンコ」、西日本の 「オメコ」 は、どうやら、語源をイツにするようです。語源は、

   【 女の子 】 [ めのこ ]
     (1) おんな。 (←→おのこ)
     (2) おんなの子ども。 (←→おのこ)

あたりでしょう。(1)、(2) どちらの語義でも 720年の 『日本書紀』 から用例があります。あるいは、

   【 女ん子 】 [ めんこ ]
     女の子。

   【 真子 】 [ まこ ]
     子どもまたは妻・恋人を親しみいつくしんでいう語。

   【 女子 】 [ めこ ]
     (1) 妻。 10世紀末~17世紀
     (2) おんなの子ども。 11世紀~

などかもしれません。

桂文珍 (ぶんちん) 師匠の弟子に、桂楽珍 (らくちん) さんがいます。楽珍さんは、鹿児島県徳之島 (とくのしま) の出身です。奄美大島より、ひとつ沖縄本島に近い島です。
〓もちろん、このあたりは、「おめこ」 の使用域ではありません。あるとき、師匠のところのオカミサンが目をわずらいました。師匠の家に参内した楽珍さんは、こう言ったそうです。

   「オカミサン、オメコのぐあいはいかがですか」   目

〓方言というのはオソロシイですね。徳之島では、「目」 の丁寧語が 「お目子」 なんでしょうか。



〓ハナシを “さるぼぼ” に戻しましょ。


〓「女性器」 を指す “ボボ” という方言は、どうやら、「おぼこ」  にさかのぼるフシがあります。チョイと日本全土の 「ボボ系方言」 の分布を見てみましょう。



 【 “女性器” を指す 「ボボ」 という方言の分布 】

   宮城県登米郡
   山形県米沢市・東置賜郡
   ――――――――――
   茨城県
   埼玉県北葛飾郡
   東京都八王子
   神奈川県津久井郡
   ――――――――――
   山梨県南巨摩郡
   長野県
   静岡県志太郡・榛原郡
   愛知県尾張
   三重県志摩郡
   ――――――――――
   滋賀県蒲生郡
   大阪府泉北郡
   兵庫県明石市 「ボ」
   兵庫県淡路島
   ――――――――――
   岡山県
   広島県安芸郡
   島根県隠岐島 「ボンベ」
   山口県・大津島・笠戸島
   ――――――――――
   徳島県・美馬郡
   香川県伊吹島・高見島
   愛媛県大三島・伯方島・今治市
   ――――――――――
   福岡市
   佐賀県藤津郡
   長崎県長崎市・西彼杵郡
   熊本県阿蘇郡・下益城郡
   大分県
   宮崎県
   鹿児島県肝属郡
   熊本県球磨郡 「ボーボ」
   熊本県熊本郡・下益城郡 「ボボジョ」
   鹿児島県揖宿郡 「ボチョ」


〓広く日本中に広まっているのがわかります。次に、類音の方言語彙を並べてみます。



  【 “女性器” 以外のものを指す 「ボボ」 系の方言語彙 】

   岩手県和賀郡 「ボボコ」 “赤ん坊”
   秋田県山本郡 「ボンボ」 “赤ん坊”
   秋田県河辺郡・仙北郡 「ボボコ」 “赤ん坊”
   秋田県平鹿郡・由利郡 「ボンボコ」 “赤ん坊”
   山形県 「ボンボ」 “赤ん坊”
   山形県飽海郡 「ボボ」 “幼児”
   新潟県 「ボボ」 “赤ん坊”
   新潟県 「ボボサ」 “人形”
   新潟県 「ボボサン」 “人形”
   新潟県三島郡・刈羽郡 「ボボ」 “人形”
   新潟県東蒲原郡 「ボボコメ」 “人形”
   富山県下新川郡・射水郡 「ボボ」 “赤ん坊”
   長野県諏訪・上伊那郡 「ボボ」 “赤ん坊”
   長野県松本・東筑摩郡 「ボボ」 “幼児”
   長野県東筑摩郡・上伊那郡 「ボボ」 “人形”
   長野県諏訪 「ボボサマ」 “人形”
   長野県諏訪 「ボボジャ」 “人形”
   長野県下伊那郡 「ボボサ」 “人形”
   岐阜県飛騨 「ボボ」 “赤ん坊”
   岐阜県飛騨 「ボボ」 “人形”
   岐阜県飛騨 「ボボサ」 “赤ん坊”
   岐阜県飛騨 「ボボサ」 “人形”
   岐阜県飛騨 「ボボサマ」 “赤ん坊”
   岐阜県益田郡 「ボボサマ」 “人形”


〓おもしろいですねえ。本州のあるラインを境に、キレイに意味が分かれているんです。東北、新潟、富山、長野、岐阜では、「赤ん坊」、「幼児」、「人形」 を指すことがわかります。「人形」 を 「赤ん坊」 に見立てるのは自然なことですね。
〓そして、「ボボサン」、「ボボサマ」 というコトバに見られるように、これが、女性語・女児語ではないか、と思われるのです。

〓いっぽうですね、「女性器」 を指す 「ボボ」 ですが、愉快なことに初出は 『日葡辞書』 (1603~04/江戸時代初期) です。つまり、ポルトガル人の第三者の目で記録されることによって、初めて 「ボボ」 というコトバが文字になったのです。

   「Bobo (ボボ) 〈訳〉 女性の恥部。女性、少女らの用いる言葉」
                  ―― 『日葡辞書』

〓どうです。興味深いでしょう。「ボボ」 というのは 「女性、少女らの用いる言葉」 だったんですね。これは、「赤ん坊」、「人形」 を意味する北の 「ボボ」 と “使用者” が一致します。つまり、

   「ボボ」 は、女性・女児の使うコトバで、おそらく、
   “赤ん坊、幼児、人形” を意味していたが、
   本州のあるラインを境に、それより西で、
“女性器”
   指すためのコトバに専用されることとなった


と言えそうです。そして、女性語・女児語であった語彙が、一般にも用いられるようになった。


〓実は、この 「ボボ」 の語源は、ほぼ確実に、「おぼこ」 にさかのぼると思われます。というのも、「オボコ」 と 「ボボ」 の中間の語形が、

   「ボボコ」、「ボンボコ」

と見えているからです。

   【 おぼこ 】
    (1) まだ世間のことをよく知らないために、すれていない男子や娘。
       うぶな男やきむすめ。また、そのようなさま。1548年初出
    (2) 女が、まだ男との肉体関係を知らないこと。男に接したことのない女。
       きむすめ。1689年初出
    (3) 子供。幼児。1775年初出
    (4) 赤児。1790年初出
    (5) 髪を切り下げて結ばないでいる児童。また、その髪形。
       きりかむろ。1819年ごろ初出


〓「赤ん坊」、「幼児」 の語義があるのがわかります。次の方言語彙を見てもらえば、こじつけでないことがわかりましょう。


  【 「赤ん坊」 を意味する方言語彙 】

   青森県 「オボコ」
   青森県津軽 「オンボ」
   岩手県 「オボコ」
   岩手県紫波郡 「ボッコ」
   宮城県栗原郡・玉造郡 「オボコ」
   秋田市 「ボッコ」
   秋田県鹿角郡 「オボコ」
   山形県 「オボコ」
   福島県 「オボコ」
   福島県北部 「ボッコ」
   ――――――――――
   東京都大島 「オボッコ」
   神奈川県横浜市 「オボコ」
   新潟県東蒲原郡 「オボコ」
   山梨県南巨摩郡 「オボコ」
   山形県南部 「オンボ」
   ――――――――――
   京都府 「オボッコ」
   徳島県 「オボコ」
   高知県 「オブコ」



  【 「子ども、幼児」 を意味する方言語彙 】

   青森県 「オボコ」
   青森県南部 「オボッコ」
   岩手県 「オボコ」
   岩手県上閉伊郡 「ボッコ」
   秋田県 「ボッコ」
   宮城県 「オボコ」
   宮城県玉造郡 「オボッコ」
   山形県 「オボコ」
   山形県 「ウボコ」
   福島県石城郡 「オボコ」
   ――――――――――
   群馬県邑楽郡 「オボコ」
   新潟県 「ボボッコ」
   新潟県東蒲原郡 「オボコ」
   東京都大島 「オボッコ」
   山梨県 「オボコ」
   島根県 「オボコ」
   徳島県 「オボコ」



  【 「人形」 を意味する方言語彙 】

   静岡県 「オボコ」
   長野県 「オボッコ」
   長野県上伊那郡 「ボコサン」
   愛知県 「オボコ」
   愛知県岡崎市・額田郡 「オボー」
   愛知県碧海郡 「オポコ」
   島根県江津市 「オボコサン」
   大分県 「オボコ」



「オボコ」→「ボボコ」→「ボボ」 という変化が納得していただけたでしょう。さらには、「オボコ」 は、「ウブコ」 にさかのぼります。

   【 産 】 [ うぶ ]
     生まれたままの。生まれたなりの。生まれたときの。

〓「産着」 (うぶぎ)、「産湯」 (うぶゆ)、「産声」 (うぶごえ) の “うぶ” ですね。この ubu obo に転じた例は、他にも見られます。

   【 産土 】 [ おぼすな ]
     「うぶすな」 の転訛。「生まれた土地」 の義。

   【 産立 】 [ おぼたて、おぼだて ]
     <方言> 妊娠した婦人が五か月目頃に腹帯をしめる儀式。

〓つまり、以上のことをすべてまとめると、


   ――――――――――――――――――――――――――――――
   「産子」 [うぶこ]   “生まれたばかりの子、生まれたままの子”
       
   「おぼこ」 “赤ん坊、幼児、人形”
       
   「ぼぼ(こ)」 “赤ん坊、幼児、人形” 北日本
   「ぼぼ」    “女性器” 西日本
   ――――――――――――――――――――――――――――――


と、たったコレだけのことですね。飛騨は 「ボボ」 の語義が異なるラインの北側にあるので、「赤ん坊」 の意味になります。ですから、

   “さるぼぼ” =「サルの赤ちゃん」

というコトバができあがるわけです。


〓あ゙ゝ、今日は、ナンかシンドかった……