※BL妄想書庫です
苦手な方はお気を付けください
「いやぁー!だめぇーっ!
わかっ…分かりましたっ
見せますから!見せなくて大丈夫ですっ!」
そりゃ興味はあるよ
見てみたいこともないよ?
だけど、このあと俺が俺を解すんでしょ?!
盛り上がった大野さんを見たら、俺も必然的に盛り上がって
そんな状態で解したらうっかり出ちゃうかもしれないじゃん!
自分のそこを 弄 り ながらそんなことになったら恥ずかしくて溶けて無くなりますからーっ!
「そんなに全力で嫌って…悲しい…」
「違います!嫌じゃないです!でもご尊顔を拝するのはまたの機会でっ」
「えー?」
なんで残念な顔?!
そんなに見せたいの?!見たいけどっ!見たら出ちゃって溶けるからっ!
「嫌じゃないならいっか、じゃあ披露するのはまた今度ね」
「はいっ それでお願いしまっす」
うっはぁー!
妙な流れになった空間に、大きく息を吐き出す
なんで大野さんが準備なんかを見たいと思ったのか全然分からないし
その対価にじ… 自 慰 を?!見せるとか?!全然ワケわかんないけどっ
お風呂から出たらきっといちゃいちゃする
だから、ここで済ませておく
なんの問題もない
いつものルーティーンをやればいいだけ
…にしても、恥ずかしいもんは恥ずかしいんだけどね!
「えー、それでは、始めさせていただきます」
宣言した途端に恥ずかしさが倍増した
少し減らして披露しようか?と一瞬だけ考えて、すぐに改める
きっと大野さんには何か考えがあって、いつも通りの準備が見たいんだと思う
もしかすると何も考えがないのかもしれないし、ただの興味なのかもしれない
それでもいい、大野さんが見たいって言うんだから、俺はいつものように準備をするだけだ
僅かな明かりも遮るように瞼を閉じる
背中側から左腕を回す
淡々と行うはずの手慣れた準備なのに、今は、肌がぴりぴりする
当然緊張してるせいもあるけど、視線が…突き刺ささってる
大野さんはどんな顔をしていますか?
ドン引きされてないといいな
俺に夢中になってる顔だったらいいなぁ
「ふぅー…」
吐いた息が熱い
一滴の波音も聞こえない空間
見られることで 興 奮 する 性 癖 ではないはずなのに、自分の耳が、自分の鼓動でうるさい
時間を引き伸ばしたらもっとうるさくなりそう
よし、やろう
ルーティーン、開始します
まずは中指、第一関節まで
「…うっ」
相変わらずの違和感
第二関節まで入れたら、次は二本目
人差し指の第一関節、そのまま止まらずに第二関節まで
いいぞ、順調だ
二本の指が埋まったら、指先を支点にして左回りで一周
がんばれ、あと少し
最後に右回りで一周
噛み締めていた唇を緩めながら、指を抜く
ふぅ…
なんとかいつも通りに準備を終えることが出来た
「…以上です、終わりました」
報告して瞼を上げると
ゴチンッ!
すぐ近くで鈍い音がした
…なにかが落下した?
音のした方へ顔を向ける
かわいいつむじが見える
「大野さん?」
額を浴槽の縁に乗せてる?
…んじゃなくて、もしかしてそこにおでこぶつけたの?!
つづく