子沢山もなかなかに辛い。
2年毎に下に4人も出来れば、商売人の父も 乳飲み子を抱えた妊婦も お手上げである。
小1の夏休み、7/21の朝になると バスに放り込まれていた。
その春、母の里帰り・入学服等の誂えに母の実家へ行っていた。
バスの大きすぎる椅子に、しがみ付きながら、やさしい祖母に会えると心踊らせる。 バスもエンジンを踊らせて坂道を登るが力不足は否めない。 対向車を見つけると離合場所に留まるが、離合は神業、タイヤを谷に半分落としてすれ違う。 汗だくになった娘バスガイドは「ぼく怖かったね」なぞと言う。
4時間のバスは長く感じない。 終点五条のバス停に着くと、前の年亡くなった祖父と同じ顔の爺さんが 満面の笑みで手を引っ張る。 不思議に怖い気がしない。 昼飯を食べ終わる、「汽車の時間だ」と国鉄の駅に行き、切符を落とすなとポケットに入れられた。
蒸気機関車の旅は楽しい、デコボコしない・煙だって踊っている。 北宇智の駅では焦った、日本に2つしかないスイッチバックの駅、家に戻るのかと思った。 おばさん2人と4人掛け。 「どこから来たの?」「どこへ行くの?」「ほんとに1人なの?」「えらいわねぇ~」「えらいわねぇ~」で盛り上がっているが、景色を見るのに忙しい。
大和高田のプラットホームには心配そうな祖母の顔が見える。
こうして私の小一の夏が始まった。
2年毎に下に4人も出来れば、商売人の父も 乳飲み子を抱えた妊婦も お手上げである。
小1の夏休み、7/21の朝になると バスに放り込まれていた。
その春、母の里帰り・入学服等の誂えに母の実家へ行っていた。
バスの大きすぎる椅子に、しがみ付きながら、やさしい祖母に会えると心踊らせる。 バスもエンジンを踊らせて坂道を登るが力不足は否めない。 対向車を見つけると離合場所に留まるが、離合は神業、タイヤを谷に半分落としてすれ違う。 汗だくになった娘バスガイドは「ぼく怖かったね」なぞと言う。
4時間のバスは長く感じない。 終点五条のバス停に着くと、前の年亡くなった祖父と同じ顔の爺さんが 満面の笑みで手を引っ張る。 不思議に怖い気がしない。 昼飯を食べ終わる、「汽車の時間だ」と国鉄の駅に行き、切符を落とすなとポケットに入れられた。
蒸気機関車の旅は楽しい、デコボコしない・煙だって踊っている。 北宇智の駅では焦った、日本に2つしかないスイッチバックの駅、家に戻るのかと思った。 おばさん2人と4人掛け。 「どこから来たの?」「どこへ行くの?」「ほんとに1人なの?」「えらいわねぇ~」「えらいわねぇ~」で盛り上がっているが、景色を見るのに忙しい。
大和高田のプラットホームには心配そうな祖母の顔が見える。
こうして私の小一の夏が始まった。