今日の風に勇気をもらって

今日の風に勇気をもらって

ささやかな日常にもたくさんの幸せが隠されている。

日々の生活を見直す。

小さな幸せを見つけていく。

本当に好きなことを好きなだけ書いてみる。

好きなだけ自由に。

何に気遣うこともなく、恐れることもなく。



文字を綴るということが一つの道しるべとなり、

これからの人生もがんばれそうです。('-'*)(,_,*)('-'*)(,_,*)



     

 

アサヒのZEROを買ってみました。

「呑めない」けれど、お彼岸に夫の墓前にとビールを見ていた時、

ついでに私の分も買ってみたのでした。

…けれど、冷蔵庫から出してはしまい、また、出してはしまい…の繰り返しで

飲み頃がわからず、いつまでたっても出番はないのでした…(ーー;)

 

本棚から、ちょっと話題になっていた漫画を開いて、お気楽気分で

この本に登場する若い主人公たちの一人暮らしをのぞいてみます。

 

還暦過ぎの私には、眩しすぎるくらいの自由さと未来への道がこの先も

キラキラしている女の子たちの室内は狭くても夢がどっさりと詰まっているのです。

 

 

 

いつのまにか、過ぎてきた時間。若い頃はひとり暮らしに憧れながらも、結局至らず、

丁度、還暦を迎える年に自分がそう願ったわけでもないのに、初めてのひとり暮らしを

経験することになりました。かつて、4人が暮らしていた家に一人で住むようになった

…という時の流れは、この年齢くらいなら、別に珍しいことではないのだけど、

私自身が一番びっくりしつつ、若い時に、もし、一人の暮らしを経験していたら、

と、時々考えてみることがありました。

 

 

4軒めのミドリさんのお家には、仕事柄もあるのでしょう、机の周りにも

ベッドの近くにも本が溢れています。

大の甘党、時々、友達に手紙を書き、文具類も豊富に揃えてあり、

切手のコレクションもしています。ペンと紙さえあれば、退屈なんて感じません。

豚汁を作った翌日には、その豚汁がカレーになり、ひとり食卓の風景は

気まままな時間と幸せがミドリさんの表情を温かくしていました。

 

 

もし…と、30年後のミドリさんはどんな暮らしをしているのか、ちょっと突飛な

空想をしてみました。結婚していても、子供がいても、ずっと独身であっても

きっと、根幹にあるものは変わらずきっと、きっと、今と同じように温かな笑顔で

「幸せ」を感じているのだと思います。

時の流れは人を変えるけれど、経験してきた日々は人を強くさせ、もっと優しくさせます。

おうちで過ごすことが何より好きで、生活そのものが愛しく、なんでもない些細なことを

大切にする日々に幸せを感じた本でした。

 

  

 

今日は半日勤務だったので、お昼過ぎに家路を急いでいたら、新しい季節のドアが

開かれていたのを感じました。

もう少し涼しくなったら、奥の部屋を何とか片付けようと思ったり、処分するものが

いっぱいで、私ひとりが住むには広すぎる家になりましたが、この先も

この家を残してくれた亡き人の気配を大切にしながら、笑顔で過ごせたら二重丸、

いや二重丸に大きな合格花丸も付けようと思っています。合格

 

 

 

さて、ビールっと。

 

 

  

 

 

 

 

 若松英輔・著「読み終わらない本」の中にいくつか心に残ったページがあり、

その中のひとつですが、永瀬清子詩集からの「降りつむ」という詩が引用されていました。

 

  かなしみの國に雪が降りつむ

  かなしみを糧として生きよと雪が降りつむ

    (中略)

 

  地に強い草の冬を越すごとく

  冬を越せよと

  その下からやがてよき春の立ちあがれと雪が降りつむ

 

   ~

 

若松さんの文章がこの詩のあとに続きます。

 

ー「かなしみ」の国は、悲しみの国であるとともに愛しみの国であり、

  美しみの国である。

  かなしみの国は、だれの心にもある。その大地を耕すのは、孤独や寂寞、

  あるいは挫折かもしれない。この詩人は、「かなしみ」は、人生の糧でも

  あるという。

 

 

本から本へ辿って手に取った一冊は、この絵本でした。

 

 

愛する息子と母を亡くし、ひとりぼっちで深い悲しみを抱え込んでいる

男の話です。悲しみに沈む男の顔は、滑稽な時もあり、また、

ユーモラスな表情を見せる時もあります。

悲しみの大きさは人によって、異なるものかもしれませんが、私たち誰もが

経験する感情を冷静に見つめる作者の気持ちが伝わってきます。

最後の見開きのページには、ロウソクを見つめる男の表情が描かれていました。

大切なものをなくした悲しみほど辛いものはないと。心から笑える日がいつか

くるように祈りたくなる、そんな本でもありました。

 

訳者の谷川俊太郎さんはこの絵本について書きました。

 

 ーローゼンが言うように、悲しみは「私の悲しみ」であり、

  「ほかの誰か」が必要になってくる。その、ほかの誰かは悲しむ私に

  共感してくれる誰か。悲しむ私を愛してくれる誰かであるとともに

  新しく誕生する生命そのものだ。ロウソクの光は、悲しみの闇にひそむ

  明日へとむかう道を照らし出す。

 

この絵本を読んだのは、二度目です。最初はただ暗い本だという

印象しかなくて、若松さんの本から繋がっていった再読でしたが、

今回は驚くほど、私自身の心の湖の隅々までヒタヒタと染みわたっていきます。

 

次の詩は、初めて出会った時から忘れられずにいた詩です。

 

   かなしみ   石垣りん

 

 私は六十五歳です。

 このあいだ転んで

 右の手首を骨折しました。

 なおっても元のようにはならないと

 病院で言われ

 腕をさすって泣きました。

 「お父さん  

  お母さん

  ごめんなさい」

 二人とも

 とっくに死んでいませんが

 二人にもらった体です。

 今も私はこどもです。

 おばあさんではありません。

 

こんな「かなしみ」もあるのだと年齢を重ねてきたからこそ、わかることが

あるのだなぁと思いました。

 

もう一つ、「かなしみ」から思い出した言葉がありました。

 

20代初めに書いていた読書感想文ノートの中から。

「この世の中では、なにをかなしむかということは、少しも問題ではなく

 どれほど深く悲しむかということ。

 こどもの涙、これは誓っていいますが、大人の涙より小さいというものでは

 ありません。大人の涙より重いことだってあるのです。」

 

「飛ぶ教室」の作者ケストナーが前書きに書かれていた言葉でした。

 

この本が出版されたのは、1933年、ヒトラーが政権を取った年でした。

 

大人になっても子供の頃の気もちを忘れてはいけないし、また、

いろいろな「かなしみ」を経験してこそ、かなしむことが決して悪いものではないと

わかったときには、他者の気持ちにも寄りそえることができるのかもしれないと

繋がっていく本の中で考えてみました。

 

一冊から繋がっていく本の道は、どこへまた繋がっていくのか、

今回、面白いことに、昔のむかしに書いた手書きの感想文ノートまで

辿り着き、本のある風景は思い出と一緒に広がっていきました。

 

 

   ~(__*)  昨日

だれにもいう人も見つからない「愚痴」というものをどこかに捨ててしまいたい気分でした。

はずかしいくらい些細なことです。けれど、夕べは考えすぎて、眠れずにいたのですが、

「文章」にすることで楽になる。大好きなものに支えられ「元気」になれる。

これは、とっても幸せなことですね。^^

 

今宵は「中秋の名月」です。

相変わらずあせるしつこい日中の猛暑がつづきますが、

虫たちの合唱は流れている季節の確かさであり、懐かしくて

きちんと毎年のように変わらず耳に届けられることが嬉しいですね。

 

今日も一読をありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

図書館に行ったら、「新しくはいった本」のコーナーに

安房直子さんの絵本がありました。(松村真依子・絵)

 

「ひぐれのお客」と「初雪のふる日」のふたつのお話が

収められています。

 

 

 

絵がとっても素敵だったのかもしれません。

迷うことなく、私の手は伸びていきました。

 

以前、安房直子朗読館というグループがあり、一度、あの素晴らしい

安房直子さんの創る世界を耳から感じてみたいと、東京まで訪ねたことがありました。

 

朗読者の渾身を込めた声も音からも、たちまち、異世界のドアが開かれて

不思議な波間をゆっくりと漂っていた感覚が思い出されました。

 

しばらく、真田太平記全巻を読んだあとも、歴史小説を読んでいたので、

ちょっと、歴史・時代ものはお休みです。

久しぶりに絵本を捲ることが続いています。照れスター

 

なにしろ、まだしばらく続く猛暑にせめて、本の世界を旅してもいいのです。

「ひぐれのお客」は冬の初めの日暮れ時、うらどおりの手芸屋さんに

黒猫がやってきて、店主と赤い裏地を巡って色と歌と風景が広がります。

「初雪のふる日」はどこまでも続く石けりの輪に飛び込んだ女の子の話。

 

童話作家「安房直子」さん。

 

      

 

「花豆の煮えるまでー小夜の物語」が好きだったので、久しぶりにページを

繰る音が心地よいのです。

 

ところで、先日、小学校で二学期始まって最初の「読み聞かせ」がありました。

「せんたくかあちゃん」という(さとうわきこ・さくえ)

福音館書店から1982年に発売された絵本なのですが、

1年生はこのお話が大好きな様子で、机から皆が移動して目の前に並んでいる姿が

めちゃくちゃ可愛いラブ

私の方がきっと、「元気」を貰っているのですね。

 

明日からの3連勤に備え、本からも「力」を貰い、「仕事」という大人特有な

憂鬱を乗り越えて、もうひと頑張り…^^

 

今日も読んで頂きありがとうございました。