バーレスク | ハクナマタタ

バーレスク

わたしは心を奪われた

そのシーンは


これが初めてのレッスンよ


アリとテスのふれあい



田舎から歌手になることを夢見て出てきた身寄りのないアリ(クリスティーン・アギレラ)


職探しをしながらあるときたどり着いたクラブ・バーレスク


そこで繰り広げられるショーに魅せられ、経営者であり出演者であるテス(シェール)に直談判するが、

軽く袖にされて話もきいてもらえない

どうしてもここで歌いたいと思ったアリはウェートレスとして強引に働き出す



物語はドリームカムトゥルー


アリの夢とはなんだったろうか


歌手になること

ひとはたあげること

有名になること?


それだけではたぶんない

富や名声や世界のディーバが夢なら、マーカスと組めばいいのだから



冒頭で、アリがどんな暮らしをしてきたのかわかる気がする(描写はないが)

人に甘えない

頼らない

自分の道は自分で切り拓く

それは彼女が生きていくうえで必要だったモノだろう

7歳で母親を亡くしているアリ


決してウェットではない話の流れであるのに、涙がじわじわでてあふれていた


いままで母と子の物語をみるとき、

年齢的なことや娘がいることもあって

わたしは母親の目線でみることが多かったように思う


でもバーレスクは子供の気持ちでみていた

アリの健気な強さと口は悪いがアリを気にするテスとの関係をみたとき

なんだか吃水線があがってきて

船が沈没しそうになっている自分に、(この話は楽しい話だよなあ…)と

可笑しくなった



場末感たっぷりのショー

ポール牧ばりのパッチンが心地よい


初めてアリがその歌唱力を披露するシーンなどは

体がリズムをとっていた

実はスローな曲はそうでもなかったが、最後のアリが歌うバーレスクの曲

ダンスとともに体が自然に動くほどに誘われる

でも歌ってるアリはちょっと怖い


その中でわたしに一番響いたのはテスが歌ったバーレスクだ

エンディングでも満潮はなかなか干潮にならない



終盤には一発逆転の小気味よさもある


そんな楽しい話なのにとても泣いてしまったなあ

終わってからも車を運転しながらえっえっと泣いた

心が子供に還っていたのだろうね


信用できる人間が必要

それが誰か見極めることも


そういう存在を得ることが夢ではなかったのかな

だから「バーレスク」にこだわる


バーレスクでの女の闘いもある

しかしあのアバズレねーちゃんも終いには素直で

テスはやっぱりマダムなのである



アリは恩を受けたら裏切ることはないだろうな

そう思いながらみていた

富や名声や宝石や靴やドレス

とっても魅力的


でもアリが一番テスにいってほしかった言葉は


アレなのだ





ねえなにか嘘をついて


君が嫌いだ



優しい世界だ