日本神話ではイザナギ命から天照大御神(日)、月読命(月)、須佐之男命の三柱の貴い神が生まれたとあります。

 須佐之男命は従来の解釈は(すさまじい力を持つ男神)とされていますが、イザナギ命の鼻(山)から生まれ、あごひげが胸に伸びるまで泣き続け(音を立て続け)、いぶる(噴煙)神であり、この神が天に昇るときは天地が揺れ動いた(噴火と地震)とありますから火山神と考えられます。

 火山国の日本人は日、月、火山は溶岩から生まれた兄弟と考えていたわけですが、日、月、火山の誕生をこれほど明確に説明した神話は世界に類例がなく、天文学が発達する以前としては、日本人は日、月、火山の生成と性質に関しては最も科学的(実態近い)といえる天文認識を有していたことになります。 

 また重要なことは、天照大御神が光の神(銅鏡)、昼の神であることに対して、須佐之男命は火の神、音の神、夜の神であることです、この音の神の神格が銅鐸信仰・出雲神話へと発展したと考えられます。