脳死は人の死か?臓器移植法案可決
いつもふざけたブログですが・・・今回はまじめな話です。
さきほど、臓器移植法A案が可決されました。
これまで日本は、臓器移植に関して、臓器提供できる年齢を意思決定可能な15歳以上。
脳死については、「臓器提供時に限り脳死を人の死と認める。」としてきました。臓器の提供には、本人と家族の同意が必要とされ、小さい子供は当然、国内での移植が受けられず、莫大なお金を自分たちで集め、海外で移植を受けなくてはいけないという現状がありました。
テレビでも、何度となく、2歳や3歳の小さな子供が臓器移植を受けるために両親と海外へ旅立つというニュースを観てきたように思います。
そんな中、これまでずっと放置されていた臓器移植法の改正。
なぜもっと早く、こんな大事な問題を日本は話し合わなかったのだろう?「臓器提供は自国で完結されるべき。つまり、自国の臓器は自国でまかなえ」というWHOの指針もあり、ここにきての改正。これだけ遅れてしまった背景には、日本独特の死生観というものがあったのかもしれません・・・。
「脳死は人の死か?」
これは、永遠のテーマなのかもしれません。
今回可決されたA案。これは、臓器移植を待ちわびる患者さま、ご家族にとっては一番良い案であり、これまでの冒頭で述べた現行案に対し、
臓器移植できる年齢が 15歳→0歳 に改正
脳死については、臓器移植時に関し人の死と認める→脳死は原則人の死とする に改正
臓器提供の意思について 本人+家族→家族の意思で提供できる
と変更されることになります。
この改正によって、いくつもの幼い命が救われると思うと、まだまだ先の話かもしれませんが、日本も一歩前進したような、そんな気持ちになります。
医者という職業柄、たくさんの病気の子供を観てきました。
この子たちが救われる、そう思うと何ともいえない気持ちになりました。
しかし、一方では、脳死と判定されながら、必死に子育てしてみえるご家族もいます。
テレビで、5年間脳死と判定されながら在宅介護されていたお母さんが
「脳死を人の死と認めるなら・・・・この子は、この5年間、死んでいたということですか?」と、問われていました。確かに、脳死と判定されても、身長だって伸びる、歯だって生え変わる、髪も伸びるし爪も伸びる。日々わが子の成長を感じながら、「脳死は人の死」と受け入れることができるでしょうか?
このお母さんにとって、まぎれもなく、我が子は5年間生き続けていたのです。
このお母さんの生きる希望だったに違いありません。
子供を持って…
自分の子供が臓器移植を必要とする病気だったら・・・・今回の可決は喜ばしいことです。一方、脳死と判定された子供を育てる親だったら??我が子の成長を感じながらも脳死と受け入れ、臓器提供することができるか・・・。
一医療者として、答えは「イエス」でなくてはならないかもしれません。
でも、そのような状況に置かれたとき、私は悩むと思います。
このニュースをみていて・・・涙が出てきてしまいました。
小さな命が助かってほしい・・・・
その思いはみんな同じなんだ。
一つの命が救われる時、それは一つの命が失われる時・・。
そのことを忘れてはいけない・・。この法案の可決を受け、そう思いました。
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