「好転反応」の記事を書きまして。
以前、「『好転反応』って、エセ科学的で胡散臭い」「本当に科学的な検証もされてない、後出し的なこじ付けじゃねーか」と言われた事もあります。

そうなんです。
「科学的な検証が出来ていないモノ」である事は否定出来ません。
でも、それを言いだすと「鍼灸」自体の検証がされてないんですよね。
鍼灸はあくまでも「経験に基づく実践医学」として発展して来たので、作用機序等については、今現在、中国や欧米、もちろん日本も、世界の色々な国が取り組んでいる所です(その辺りの日本の現状は「第59回全日本鍼灸学会所感(9)」 にも書いてますので、興味のある方は見てみて下さい)。


で、今日の本題。
wikipedia にも書かれていますが、「いわゆる健康食品における好転反応」 の件。
「ホメオパシー」信者の助産師が「新生児にビタミンKを与えず(ホメオパシー的な物を与えて)死亡させた」と言う事件がありましたが、ホメオパシーに用いられていると言う「レメディ」とか言う砂糖玉と、染み込ませていると言う薬品類(?)が問題のようで。
・・・・これ、「医薬品」の指定受けてないなら、法的には「健康食品」のハズですね。
でも、ホメオパシーの方々は「好転反応」と言いますね。例えば大手のThe Japan Royal Academy of Homoeopathy「体験談」 のページでも、返信に「好転反応」を謳ってる記事もありますし。と言うか、The Japan Royal Academy of Homoeopathy のHP自体が「好転反応が有り得る」とか書いちゃってますけど・・・・?

何故ですかね?
健康食品の類いでは「好転反応」に類する話(説明)については、薬事法に反するらしいですが、「体験談」だからOKなんですかね?
「本人の体験」はOKでしょうけど、「返信」はダメなんじゃないですかね?
HPに「有り得る」って書くのもアウトですよね?
日本ホメオパシー財団・日本ホメオパシー医学協会の「お知らせ」 の必死さっぷりや、法の独自の解釈等、見ていて「どうだろうか?」と思うモノも少なくありません。

「エセ科学」「プラセボ」「呪術的」であり、荒唐無稽なインチキだ!と断じて、否定する気はありません。
が、自分程度の人間でもツッコめる程度のツッコミ所があまりに多いと、「おいおいおいおい正気でございますか?」と言いたくなってしまうと言うか。


こう言うヤカラが出て来ているのも、昭和35年の最高裁判決 の判例に基づいていると考えられます。
この判例、どうにか出来ないモンですかね?
拡大解釈が横行して、今の様な状況になっている事を、司法や行政や立法がキチンと把握してるのかどうか。

ちなみに、昭和35年の最高裁の判例の骨子。
「憲法第22条は、何人も、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由を有することを保障している。されば、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法 第12条が何人も同法第1条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならないと規定し、同条に違反した者を同第14条が処罰するのは、これらの医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するものと認めたが故にほかならない。ところで、医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するのは、かかる 業務行為が人の健康に害を及ぼす虜があるからである。それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす(おそれ)のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであって、このような禁止処罰は公共の福祉上必要であるから前記法律第12条、14条は憲法第22条 に反するものではない。」つまり、「健康に害悪をもたらさないなら、職業選択の自由が優先されるべき」と判決を出した、と言う事が「無資格マッサージや整体等がお役所の取り締まりを受けずにノウノウと野放しにされている」根拠とされています。

これが拡大解釈されて、「医業」全体に波及していて、その結果子供が死んだりしているんですがね。
大体、「有害ではない」「安全」「自由意思で選択して受けている」なら、「職業保険」なんていらないはずですよね?


懐疑的な書き方をしてますが、ホメオパシー自体は否定はしません。
自分は全く信じませんが。
それでも「良くなった」人はいらっしゃるんでしょうし、昔から「鰯の頭も信心から」と言いますから。
宗教と同じで、「お前がそう思うんならそうなんだろう。『お前ん中』ではな」としか言いようが無いですし、「じゃあ鍼灸だって科学的な検証が出来てないだろ」と言われれば「そうですね」としか言えませんから。


しかし、「日本は人が死なないと動かない」と言われてましたが、イマドキは「人が死んでも動かない」んですね。警察とか金持ちとか芸能人とか国会議員とか、「一般人以外」が死んだら動くんでしょうけど。
一般の日本人には、生き難い国なんですね。日本って。