じこも日記その2:事業編1:井戸、作ってます! | NICCO@マラウィ~国際協力日記/アフリカ編 -世界をフィールドに~

じこも日記その2:事業編1:井戸、作ってます!

Muli bwanji?(ムリ・バンジー:ご機嫌いかがですか?)
リロングウェ事務所に勤務するスタッフの岡田克彦です。

マラウイのドーワ県でのプロジェクトでは、2011年2月18日から2年半をかけて、農業支援、井戸建設、エコサントイレ建設(※)、学校支援などを総合的に行う“飢餓の起きない村づくり”を行っています。
※エコサントイレ:エコロジカル・サニテーション・トイレの略。詳しくは、こちら

事業編第1回目の今回は、井戸建設で頂いたZikomo(ありがとう)をご紹介致します。
ここドーワ県ナンブーマ地区では、ほとんどの家で水道がありません。いくつかの村や学校にはポンプ式の井戸が既にありますが、多くの村では穴を掘っただけの井戸があれば、まだいい方なのです。1年中流れている川もなく、慢性的な水不足に苦しんでいます。

NICCOのプロジェクトでは、新たに26基の井戸の建設と既存の井戸の修繕を行っています。
まず、対象の26か村のうち、必要かつ管理できそうな村を選び、各村の人々と井戸の建設業者を交え、井戸を作る場所を決定します。この時点で、その決定に喜ぶ村人たちからたくさんのZikomoをもらえました!

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【井戸の場所の選定中】

井戸の穴掘りは力。ひたすら槍のような鉄の棒で掘り下げます。この穴掘り職人の若い兄ちゃんたちの肉体美というか、筋肉美には、男性ながらほれぼれしちゃいます。同時に、自分のたるんだ身体に反省をもたらす良いきっかけになり、Zikomo、Zikomo…そう言えば、日本から持ってきた縄跳びは、いずこに...。

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【穴掘り中】


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【左:岡田も削った土の汲み上げを手伝ってみました。気を使って、少なめにしてくれていました。】
【右:井戸業者のナムウェラ氏と穴掘り職人たち。青いTシャツの若者の筋肉が一番すごいのですが、恥ずかしがって服を着ています。】

井戸の深さは、6~8m程。マラウイの場合、地下水の水位が高い雨季に作ってしまうと、水位が下がる乾季には水が出なくなるため、乾季(3月~10月)それもなるべく後半に建設を行うほうが良いとされています。


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【穴を掘り終えたら、周りをレンガで囲っていきます】

穴掘りが終わったら、地上部を整備します。洗濯がしやすいよう洗濯場(台)も作ります。あとは、ポンプを取りつけて完成。穴掘り7日、地上部1日、セメントが固まるまでに7日程度かかります。

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【ポンプの取り付けと地上部の建設】

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【村の子供たちもお手伝いしてくれます。あくまでお手伝いで、児童労働ではありません!】

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【完成を喜ぶ人たち(Mkotamo村)。ポンプのハンドルが付いていない理由は、次号で説明します!】

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【完成した井戸。奥の四角い台が洗濯用の台】

ポンプのそばの円柱状の台は、水を入れたバケツなどを頭に乗せやすくするためのもの。初めて見たときは椅子の役目かと思ったのですが、頭に乗せてモノを運ぶ習慣のあるアフリカ人ならではの工夫ですね。

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 【バケツに水を入れ過ぎて持ち上げれない少女。お姉ちゃんを呼んで、乗せてもらっていました。カメラを向けたから、張り切っちゃたみたいです。】

もう1つの工夫は、ポンプのハンドルのストッパー。上下に動かすことによって水を吸い上げるのですが、子供が使ったり、水圧が下がってくるとハンドルを限度いっぱいまで、かつ激しく動かしてしまうため、故障したり、土台のコンクリが割れてしまうことがあります。そのため、ある村では住民自らが、木でストッパーを作る工夫をしていました。

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【ハンドルを壊さないためのストッパー】

そんな工夫も入った待望の井戸が完成。大人も子供も大喜びで、Zikomo、Zikomo。
そんな笑顔が見られて、僕からもZikomo、Zikomo。大切に使ってくださいね。

マラウイって、いいトコですよ。
Tionana(トナナ:また逢いましょう)

★☆★ FACE(日本のみなさまへのメッセージ) ★☆★

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井戸建設業者のナムウェラ氏(Protazio Robert Namwera)

NICCOと一緒に働くことが出来て、大変うれしく思います。井戸建設の依頼を受けて以来、より多くの井戸を作ることによって、農村の暮らしの改善に役に立てることが楽しみです。NICCOスタッフはとてもフレンドリーで、遠く離れた地域に住む人達とも、とてもよく交流してくれます。今後も、農村の人々に衛生的な水や安全な生活を提供するために、より多くの日本のみなさまにご支援をお願いできればと思います。
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