ニュー社会人たちに向けて 2010年09月14日
ここんとこは、仕事もわさわさ動き出して、後半の半年もあっという間に過ぎていきそうな感じになっている。
思いっきり遊んだ後は、思いっきり、仕事するか。
そのメリハリって、大事である。
先日、仕事先のSさんとお昼を食べたとき、彼女がこんなことを言っていた。
うちの会社は、みんな、仲が良すぎて、ずっと一緒にいすぎると思うんですよねー。だから、なんとなく、帰りたくても帰れなくなっちゃうんです。
そうかー。みんな、いつも、遅くまで仕事してるもんねー。
わたしはそういうの、一番苦手だったなー。帰りたい時に、帰れないって言うの、、、。
出席日数不足やら、未提出の課題が山積みで、卒業はあやぶまれていたのに、チャンと女子美の工芸科を卒業し、ロンシャンという京都が本社の生地の会社に滑り込み、その要領の良さをみんなに驚かれたわたしは、そこの東京支社のテキスタイルデザイナーとして働くことになった。
今も昔もアパレル業界と言えば、不夜城の世界。
たいていは、夜遅くまで残業し、残業手当もつかないのがならわしの業界なのだった。
おまけに、こんなこともあった。
入ったときの条件は、隔週2日の週休があるはずであったのに、最初の研修の日に、研修所の黒板に、会社の偉いさんが大きな文字を書いた。
そこには、「土曜休み、返上」と、書かれていた。
最初、何のことか、わからなかった。「ん??」と、いう感じだった。
入社の条件を、こんなにも、あっさり、会社は変えて、平気なのだった。経験の浅い新卒を雇うのは、会社にもリスクがあるからだったのか。( 劣等生のくせに、入社出来たことを、ありがたく思え!! )
その日から、窮屈な社会人生活が始まった。それはたった2年間でしかなかったが。
とにかく、何が苦しいかって、一番苦しいのは、仕事が大好きな先輩がいることであった。
何しろ、いつまでも、仕事している。そして、6時過ぎ頃から、佳境に入っていく。それが11時過ぎまで続く。
当時、まだ駒込に住んでおらず、蕨から通っていたわたしは、駒込で食事をチャリとして、そこから蕨へまた帰るという2重生活をしていた為、なるべく早く帰りたい。
しかし、みんな、何が楽しいのか、嬉々として仕事を続けるのであった。(つまり、わたしのように早く帰りたがる人はいなかった。)
半年くらいは、その習いに従っていたのだが、自分の仕事が終わってしまっても、なかなか帰れないのは、けっこうなストレスになった。
ま、仕事を始めて半年では、仕事がまだ面白くなるはずもなく、自分の意志で動けないしんどさも加わっていた。
半年を過ぎたころ、新たにメンズ事業部の発足があり、わたしにその企画の辞令が回ってきた。
切り込み隊というのか、つまはじき隊なのか、その事業部はわたしとMDのスズキ部長だけ。なんのつてもない、1からのスタートだった。
月曜日の7時の新幹線で京都に向かい、その足で大阪へ行って営業し、1泊して翌日大阪の商社で織りのサンプルを見せてもらい、夜、最終の新幹線で帰る、というペースの仕事が始まった。
週始めに出張があると、体力的にはめちゃめちゃきつかったが、行動の段取りが自分で出来るようになった。
会社にいる時も、単独行動が許された。
先輩たちのペースに合わせて時間を過ごすことがなくなって、ほんとにのびのび仕事ができた。
自分の仕事を終えて、早々に帰るわたしを、先輩は、タツヤマー、大物になるよ。と、呆れてつぶやいていたっけ。(結果は、そうでもない。)
仕事って、集中力だと思う。
そう言う意味で、日本人は、時間の使い方がへたなのではないかな?と、思うことがよくある。そして、そのペースに、人を巻き込んでいる人も、多いような気もする。
朝日新聞のBEに、ユニクロ社長の柳井さんが「希望を持とう」というコラムを書いている。
そこに、日本のビジネスマンの欠点は時間の観念がないことだ。と、書かれている。
日本のビジネスマンの最大の欠点は時間の観念がないことだ。夜になると本調子になる人が多い。東京で働く人は通勤に1~1時間半くらいかかる。
長時間、夜遅くまで働いていては、身体を壊すし、家庭不和にもつながる。
若いうちは気付かないかもしれないが、心も体もある限界を超えると、無理した分が後で返ってくる。うつにかかる人が増えているという。以前は精神的な弱さ、甘さもあるのかなと思っていたが、、まったく違う。無理をするのは本当によくない。
朝日新聞 柳井正の希望を持とうより抜粋
帰りたくても帰れない。という小さなストレスも、がんじがらめにされているような窮屈な「無理」をさせられているのかもしれない。
そして、そのことを、上の人間は、気付かないでいるのかもしれない。
時間は1日24時間しかない。その時間を自由にコントロールできたら、それは、楽しい時間になる。
そして、柳井さんも、こんな風に言っている。
仕事は、ずっと続けていくものだ。続けていけるように、仕事の仕方を考えないと行けない。
朝日新聞 柳井正の希望を持とうより抜粋
楽しくなければ、やはり、続けていくことは出来ないのだと思う。
そして、続けていくからには、その場所を、楽しい場所にしなくては、いけないのだろう。
ま、しかし、ひとは落ち着くところに落ち着くモンなんだ。と、今さらにして、わかる。
わたしは、会社人間には、なれないタイプなのだった