夏と花火と私の死体 (集英社文庫)/乙一
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弟から借りて読みました。初、乙一さん。


・・・・・・・なんていうか、数多いる小説化志望の人たちから石を投げられそうな才能だな・・・・。

努力無くして成功は無いとは思いますが、そういうものを超越したセンスを見せ付けられると・・・、なんというか、無力感に襲われますね。


何故これが16歳で書ける??


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


私はお友達の弥生ちゃんに殺された。


弥生ちゃんとそのお兄ちゃんの健くんは私の死体を隠そうと画策する。


幼い兄妹は大人達から逃げおおせることができるのか??


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この物語の何が凄いって語り手が「殺されたわたし」だということ。


凄い発想だなぁ。しかもわたしも殺した弥生ちゃんを恨むでもなく、淡々と、時にちょっと人間くさく、二人を観察している。

ここで殺された恨みとかを持ってきたら全然別の話になるんでしょうが、わたしはあくまで語り手。


そして、死体を隠しているところがばれそうでばれない・・・・このスリルとドキドキ感が読者を飽きさせません。


このバランス感覚、物凄い。


そして、多分ダ・ヴィンチのインタビューか何かで読んだと思うんですが、


最初は特に考えて書いてなかったところが後になってきれいに繋がった


って乙一さんが答えてらっしゃったような気がするんですが、この本に一切無駄がない。


全部の複線がきれいに回収されてる。

・・・・・ちょっと待て、これを計算しずに書いたってことかい??


ご本人も言われすぎて嫌気がさしてるかもしれないですが、この人まぎれもなく「天才」だと思います(^▽^;)


作風も好きな感じがしたので他の作品も読んでみようと思いますグッド!


★★★★★

(つい年齢を考えて評価があがったかもしれないですが、普通に読みやすくて面白い。普段本を読まない人にも薦められる本ですね。)