11月鑑賞映画まとめ | 三つ子の魂百まで…トラウマニア

三つ子の魂百まで…トラウマニア

映画レビュー、コレクション紹介、映画や趣味全般について書いています。

『ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソー』
母親にドヤされヌードパズルを

完成させられなかった少年の屈折した

性格が中年になっても治まらず

ティーンエイジャーの四肢を電ノコで切断し
モノホン立体パズル製作に意欲を燃やす

日本未公開残酷スプラッターの決定版!
切れ味の良いチェーンソーで腕がスパスパ

吹き飛ぶ出し惜しみのない演出。
説明過多ながら犯人探しの要素を

匂わせたかと思えば、唐突にインサートされる

阿保な場面でスベったりと何処か

掴み所のない無国籍感がクセになります。
今回見たのはスペイン版の

ディレクターズカットなる

若干尺の長いバージョン。
しかーし!音楽がまるっきり別物。
あの気の抜けた能天気な

テニスマーチが聴けない(涙)
ゴブリン演奏の地味なベースラインも皆無…。
初期のジャーロ映画っぽい正統派な

イメージになっています。
音楽だけで随分印象が異なりますね。
でもねやっぱテニスの子は名演ですよね。
ビデオスルーですが、

昔から何か感じる物が

あるんだよなぁブラピって(笑)
2016年11月3日(木)ハピネットのBlu-rayで鑑賞。

※初見は80年代にレンタルビデオで。

 

 

『スタンダール・シンドローム』
アルジェント初期ジャーロを彷彿とさせる

至ってマジメなサイコサスペンス。
娘のアーシアを弄り倒し

(まるでリカちゃん人形のように)
過激なシチェエーションに叩き込むダリオ御大。
まだあどけなさの残るアーシアの美しさと

情緒不安定な役柄がマッチしており
「中身のある」ストーリーも

アルジェントは得意なんですね。
痛覚を刺激する暴力シーンは誰しも共感できる

身近なものを扱っていますが、
サスペリア2のジョルダーニ殺害を想起させる

角っ子の痛さ、血痕の鮮やかさ、
妙な箇所に拘る細かなディティールなど

古くからのファンがニンマリしてしまう

画の宝庫でした。
音楽にゴブリンを起用せずどうする?と

思いましたが、出し惜しみなく映し出す

フィレンツェの街並みや圧巻の芸術品などを
盛り立てていたのが

巨匠エンニオ・モリコーネの不穏なスコア。

 

巨大な人面魚やどこでもドア風の絵画潜りなど

夢の中のふんわりとした幻想的なムードも

印象に残ります。
レイプ魔は『オペラ座/血の喝采』に激似だったし、
90年代中期の危ういCGは『ドラキュラ3D』と

ほぼ同品質で安定感というか、
変わり映えしないアルジェント節が垣間見られて

なかなか面白かったです。
2016年11月7日(月)是空のBlu-rayで鑑賞

 

『吸血の群れ』
カエルが人間の手首を咥えた胡散臭い

ポスターヴィジュアルだけでカルト化している
ゲテモノパニックの代名詞と言ったら

『吸血の群れ』に決まっている!
レイ・ミランド扮する強情な大富豪が

生きるか死ぬかの瀬戸際に

己の誕生パーティーを優先し、

その一族が爬虫類や両生類に

猛烈アタックを交わし
自滅する分かり易さが最大の魅力。

(幼稚園児でも理解できるシンプルさ)


40年以上前の作品ですが、多種多様な

カエルや蛇、トカゲにワニの生き生きとした表情を

クローズアップで切り取っているのは
貴重なのではないか?
この手の生物が好きな人には天国のような

世界観が広がっています。
人間が勝手に嫌悪感を抱き

排除しようとするヘビやカエル。

彼らも環境破壊を繰り返し住み家を奪う

人間が難くて仕方ないと思う。
そんな吸血の群れからの重い視線に

耐え切れなくなったバカ一族が
トロロ昆布プレイをおっ始めたり、

ワニと泥レスリングを開始するのだから世も末。
終始鳴り止まないカエルの鳴き声は

案外クセになりますよ(笑)
2016年11月8日(火)マクザムのBlu-rayで鑑賞。
※初見は1992年1月11日、

テレビ東京の深夜放送(正味71分)で。

 

『ソドムの市』
パゾリーニ監督の遺作。

日野康一大先生の名著

『ショック・残酷・大全科』を
小学時代に読み、この「ソドムの市」は

とんでもない見てはならない作品だと
心に誓ったのも遠い昔。

僕のような凡人には到底理解できない異常な

性描写がバリバリ飛び込んでくる。
権力者たちの餌食になる美少年・美少女たちの

苦痛に歪む表情は見ていて心苦しい。


今となっては特に目新しい

映像ではなかったけれど、
糞尿地獄(スカトロ)の生々しさはフェイクと

理解していても虫唾が走る強烈さ!
徹底したサディズム。

正直「変態」以外の言葉が見つからない程の

野蛮行為でも、享楽にふける権力者が

子供のようにはしゃぐ姿は何処となく愉快に映る。
その昔、本で見た大虐殺も

意外なほど呆気なかった。
しかし映像はしっかり出来ているし、

語り部ババアの傍らでピアニストが弾く

流麗なメロディが耳に残ります。 
2016年11月9日(水)是空のBlu-ray

(HDニューマスター~製作40周年記念~)

 

『ダーク・ハーフ』
心の二面性をテーマにした

スティーヴン・キング原作のホラー。
堅実な画作りを得意とする

ジョージ・A・ロメロ監督が

メガホンを取るとキング作品に重厚さが増す。
善の心・悪の心を巧みに演じ分けた

ティモシー・ハットンの鬼気迫る

表情が面白いです。
普段は理性で抑えている暴力性を

小説に投影する主人公が執筆をやめた途端
フィクションのキャラが具現化。
黒づくめの井出達とキザな振る舞いがどこか

漫画テイストなジョージ・スタークが

いちいちカッコいい!

 

物語の続きを書かなければ

どちらかの肉体が滅びる。
クローネンバーグの「スキャナーズ」のような

兄弟対決を思い起こさせるところや、
双子の片割れが発見される箇所などは

「バスケットケース」のようです。
スズメの大群を再現した特殊効果と

抽象的なヴィジュアルが脳裏に焼き付きます。
誰もが持ち合わせている二面性。

度を超えない範囲で使い分ける事が大切。
毎日己は己と戦っている訳か…。

生きるのって大変ですね。
ダイヤル式風のプッシュホン電話の

可愛らしさにホッコリ(笑)
2016年11月10日(木)是空のBlu-rayで鑑賞。

※初見は1997年10月16日、木曜洋画劇場で。

 

『ザ・ボーイ~人形少年の館~』
人形も設定も屋敷の雰囲気も

掴みはOKなのにプロットがスカスカ。
ありふれた演出、じれったさ。
風邪引くよ、引いてないのかよ!と

突っ込みを入れるくらいしか出来ませんでした。
自分から行動を起こせ怠けもの!
2016年11月11日(金)鑑賞。

 

『グリーン・インフェルノ』
イーライ・ロスの食人映画オマージュだけに

留まらず回りくどい現代社会風刺が
盛り込まれた人が人を喰う

冗談のような大傑作!
森林伐採で環境破壊が続く先住民の

生活を守れと鼻高々に群れで行動する

意識の高い学生グループが飛んで火にいる

夏の虫の如く未開人に「新鮮な食料です」と
我が身を捧げた超絶優しいグルメ映画ですね。


お前ら平和ボケしたガキに何が出来る?
ほんとね、価値観の押しつけとか

余計なお世話なんですよ。
郷に入れば郷に従え。

先ず手始めに食材の解体ショーで見る者を

恐怖のドン底に叩き落とし、
お婆ちゃん秘伝の調理法で笑いを取る。
この緩急の付けかたがロス監督の得意とする

嫌味ったらしいブラックジョーク満載で
頬が緩んでしまいますね(笑)

切り株、ホルモン、カワハギ、

燻製、ケムリとなんでもござれ。


雄大なチリの大自然をフルに生かした

ロケーションと原住民に「食人族」を見てもらい

大体こんな感じでと演技指導したら初めて見る

映画に大爆笑。

喜んで出演を快諾してくれたという
ハートフルな撮影秘話が素晴らしいです。

自然体の「食人族」像は

ネイチャードキュメンタリーを

見ているような説得力さえ感じてしまうほど。
『人喰族』『アマゾンの腹裂き族』『食人帝国』等の

グルメ名作を彷彿とさせるシーンを
盛り込みながら食文化の違い

「他所は他所、ウチはウチ」
変に干渉すると自滅するハメになりますよー♪と
頭の上の蠅も追えない暇人に喝を入れる

イーライ・ロスに底意地の悪さを感じたww
2016年11月12日(土)

ポニーキャニオンのBlu-rayで鑑賞。
※初見は2015年11月26日、

新宿武蔵野館の先行上映

「食人フェスティバル2015」にて。

 

『オーディション』
再婚相手を映画のオーディションで選び、

お目当ての女性に惹かれていく中年男が
歪曲した女の純粋すぎる愛のえじきになる

三池崇史監督の初期作にして

カルトな人気を誇るサイコスリラー。

容姿端麗で育ちの良さそうな麻美を演じる

椎名英姫が淡々と拷問を行う姿は

冷徹ながらもホラーアイコンと

呼ぶに相応しいカリスマ性を漂わせる!
まだあどけなさの残る椎名さん

とても美しかったです。


他に類を見ない衝撃的な残酷シーンと

やれる事は全てやる潔さが気持ちいい。
「キリキリキリキリ・・・」

針はあの部分が一番痛いんですよ。
女の心を手玉に取る男が山ほどいるなら、

その逆パターンがあっても全然不思議じゃない。
ランダムに配置されるパズルピースのような

構成、アシンメトリーな構図、

部屋を怪しく染める照明、奇怪な生物…。
一向にDVD再販はなくBlu-rayに至っては

海外版でしか手に入らない…。
和モノの真価を世界に知らしめた

傑作だと思います。
2016年11月13日(日)鑑賞。

 

『クリスティー』
パーカーフードを深く被った4人の殺人集団に

付け狙われる主人公ジャスティンが
大学構内を走って走って走りまくる

不条理サスペンススリラー!
異様にかっこいいタイトルバック。
もうここで傑作の予感。

浮腫みが取れたジェニファー・ローレンス似の
芯の強いヒロインが青白いライティングに

染まって魔の手から逃げ隠れする
スリル感が堪りません。

 

犯人が被ってるはにわヅラのマスクが

アルミホイルやダクトテープ製だったり、

最終兵器もDIY精神溢れるニヤニヤが止まらない
アイデア賞もので無駄を削ぎ落し

タイトにまとめ上げているのが素晴らしい。
キルスイッチの入ったジャスティン

「私を甘く見てもらったら困るよ」
そんな台詞が飛び出しそうな凛々しさに

惚れ惚れしますよー。


選曲も最高だしサントラが超絶クール。
赤いパーカーを着た紅一点な

犯人を演じているのは「ゾンビガール」で
エヴリンをやったアシュリー・グリーン。
彼女の小汚さ薄気味悪さも作品の

引き立てに一役買っています。
スタイリッシュな骨太ホラー!
2016年11月14日(月)鑑賞。

 

『深海からの物体X』
スケベな魚が人間のニャンニャン場面を見ると

本気を出す劣化版リバイアサンみたいな
ウルトラポップ系海洋ホラー。

中途半端にハイテクを装備した漂流船のダサさと
やはりエロい照明がホント何を目指しているか

理解できないけど、クリーチャーはちゃんと

造形物を作ってコマ撮りまで見せてくれるのだから
ホラー大好きな監督なんだろうね(笑)


特殊効果で物足りないシーンを

女優の顔芸で補うなんて無茶させ過ぎ!
こいつら神経図太いから死ぬ間際まで粘る!
チープだけど魚目線アングルやカット割りが

上手くてそれなりに楽しめるのは
イタリアならではの勘違い情熱によるものか?
吐瀉物にクワガタ住んでて

もう笑うしかなかった!w
2016年11月15日(火)鑑賞。

 

『タイムクライムス』
冴えない中年男が奇妙な時空の歪みに

巻き込まれる『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に
『13日の金曜日』のテイストを盛り込んだ

タイムトリップ物の隠れた名品!
近所の裏山で撮ったような

安上がりなロケーション。
ナチュラルなお色気シーンに鼻の下を

伸ばしていたらやっぱり13金な展開へ(笑)
アイソレーションタンクみたいなタイムマシンに

ブッ込まれた親父が過去の

自分に幾度となく遭遇。

そして学習能力のない親父が

金太郎飴の如く量産されてゆく。


イエスマンな科学者と共に一蓮托生の

救いようがない堂々巡りさがスピーディーに

描かれていて全く飽きさせません!

網の目のように張り巡らされた伏線の数々。
BTTFに勝るとも劣らない見事なタイムトラベルの

定石を忠実に守った緊迫のストーリー。
巻き戻して再チェックしたんですが、

ホント見事すぎます!
これマルチアングル撮影してるのかな?
親切心で手を貸してくれたお姉さんの

マッパご馳走様でした(汗)
2016年11月16日(水)鑑賞。

 

『クリーチャー』
ストーリーも怪物デザインもほぼ

『エイリアン』を模倣した特殊効果畑出身の
ウィリアム・マローン監督による

「オレの手先の器用さを見てくれ!」と
言わんばかりに超一流SFXでゴリ押ししまくる

80年代中期SFホラーの隠れた人気作。
なぜこんなB級にクラウス・キンスキーが

出演快諾したのか理解に苦しむけど、
彼の怪演あってこそ引き立つ胡散臭さが

充満していて、この作品で真っ先に思い出すのが

男勝りな女隊員の胸を揉みしだく

場面じゃないでしょうか(笑)


親機が子機の寄生虫を放って人間を

意のままに操る発想はグッド!
緊迫感が全く感じられないけど、

鼻がもげたり頭部炸裂や生首が

床にボトリと落下するインパクト大の

特殊メイクは大満足のクオリティ!
全体像が露になったクリーチャーは

着太りしすぎているし、
その着ぐるみに蹴りを食らわすシーンで

ウーロン茶吹きそうになりましたよw
ホラーファンの間では有名な作品なので

機会があれば是非一度

目を通しておくと良いかも…。
2016年11月17日(木)、TV放映版の吹替で鑑賞。
※初見は1988年2月18日の木曜洋画劇場にて。

 

『スローター・ハウス/13日の仏滅三隣亡』
精肉業のオートメーション化で

廃業に追い込まれた豚捌きの

親子が立ち退きを要求する

保安官と無断で映画撮影にやって来た若者たちを
血祭りに上げるスプラッターコメディ。
ベースは『悪魔のいけにえ』なんだけど

雰囲気は『地獄のモーテル』に近いですね。
巨漢の息子がブヒブヒ鼻を鳴らしながら

面白いように無断侵入してくるガキをブチ殺して
ミートフックにぶら下げ恍惚の

表情を浮かべるのけど全然憎めないw
パトカーの運転席に座って子供のように

はしゃいだかと思ったらA級ライセンス所持者も

ビックリなドライビングテクを披露!
女の喉笛を切り裂いた直後に

トマトの輪切りシーンに場面転換する

センスの良さ!
冒頭で命の食べ方を教え、

パッケージとして出荷された肉しか見た事がない

消費者に精肉業の苦労など

分かる訳ないと訴える親父…。
真面目なんだかバカなんだか分かんないけど、

脚本が良く練られていて面白かったですよ。
2016年11月18日(金)鑑賞。

 

『デス・ロード 染血』
雪山で立往生した車内にて男女二人が

極寒の一夜を明かそうと身を寄せ合うが
カーラジオからオールディーズが流れると

黒い影が忍び寄る…。
エミリー・ブラント主演のサバイバル劇と

オカルト要素を絡めた正統派の幽霊映画。
計画性ゼロの学生が喧嘩して

ドツボにハマるありきたりなストーリーかと
高を括っていたら出るわ出るわ

不気味な亡霊の集団が。


曰く付きの場所で立て続けに起こる異変。
絶叫クイーンはどこにでもいるけれど、

恐怖に慄き表情が固まるリアル志向の演技を
披露してくれるエミリー・ブラントを見るだけでも

十分に価値がある佳作。
それにしても凍て付く雪山でのロケは

過酷そうだし、狭い車内撮影は

息が詰まりそうな雰囲気が出ていて

パニックに陥りそう。
どことなく『シャイニング』を彷彿とさせますね。
2016年11月19日(土)鑑賞。

 

『愛しのジェニファー』

(マスターズ・オブ・ホラー)
顔は醜いけど身体は健常者と変わらない

ジェニファーという名の女性を助けた刑事が
彼女の魅力に憑りつかれていく

巨匠ダリオ・アルジェント監督の短編TV映画。
魔性の女か?呪いか?

口が聞けず猫のように

じゃれついてくるジェニファー。
本能の赴くまま男の身体を欲しがり、

生肉を貪る獣を思わせる面と彼女に翻弄され
自我が崩壊してしまう男はさしずめ

逆ペット化といった虚しいもの。


緊迫感をタイトな尺に上手く凝縮していて、

血みどろ効果や特殊メイクもTVとは思えない
ハイクオリティーなレベルで見ごたえ十分。
それにしてもエロチックな描写が多いような…。
人間顔の造りで良し悪しは判断出来ないけど、
何を考えているか分からないのは不安ですよね。
Goblinのクラウディオ・シモネッティが奏でる

ララバイと躍動感たっぷりな

オーケストレーションは

やはりアルジェント作品にマッチしています。
ジェニファーと鉢合わせする刑事家族のくだりが

ほぼ『E.T.』と同じで失笑。
2016年11月20日(日)鑑賞。

 

『ニューヨーク1997』
鬼才ジョン・カーペンター監督による

近未来SFアクションの傑作!
マンハッタン島が監獄と化した1988年も

スネークが大統領を救出した1997年も

遠い昔の出来事になってしまったけど、
ズンドコベロンチョばりに誰もが

その存在を知る伝説のアウトロー
"スネーク・プリスキン"は永遠に不滅。


喧嘩は決して強くないし、キザで胴長短足。
だけどアイパッチの奥に隠れた優しさと

揺るぎない反骨精神にメロメロにさせられます。
今は無き世界貿易センタービルに

着陸するグライダー。精巧な摩天楼のミニチュア。

壁一枚で隔てられた囚人たち。
自由な生活を送っているのはどちらか?
島全体を刑務所に仕立て上げるアイデアは

『ゾンビ』でショッピングモールに
籠城するゲーム感覚に似ているし、
人間臭いキャラも相当際立っていて

何度でも見返したくなる中毒性があります。


マットペインティング(風景画)を担当したのは
無名時代のジェームズ・キャメロン監督。
カーペンターのテコテコ・シンセを聴くと

タバコが吸いたくなる。
レトロフューチャーな

LED式カウントダウン時計やら

台詞やらもうとにかく影響されまくった心の1本。
Mac10が弾丸を吐き出し、

スネークが煙草に火を点けると
老舗音楽番組アメリカン・バンドスタンドの

テーマ曲が流れる!
「俺をナメるな。スネークと呼べ!」

痺れる、死ぬ!
2016年11月27日(日)、

BSプレミアム(2016年7月15日放送)の

録画で鑑賞。
※初見は1996年10月、

テレビ朝日系の深夜放送で(吹替)

 

 

『MIA ミア』
テロリストに両親を殺された孤独な少女ミアが

復讐を誓うリベンジ・アクション。
ミアに戦闘訓練をするMI6の

傭兵サイモンとの関係が「アサシン」を思わせ、

アフガニスタンの戦地は「96時間リベンジ」

っぽいけどミアの生い立ちが

切なく重みが感じられ、とても真面目に

作られおり見入ってしまいました。
脱糞中にケータイが鳴るシークエンスは

緊張を解してくれる変な演出で

吹き出してしまったw
ヒロインが美しいし、芯の強さと親を憎んでも

血の繋がりは変わらないというテーマに

グッと来ました。
しかしなんだあのターミネーター崩れみたいな

ソース顔のボスは!
車内シーンで特殊メイクが左右逆に

映ってましたよ…。 
せっかく訓練した銃をあまり活用しなかったのは

勿体なかったね。
2016年11月28日(月)、

午後のロードショー(2016年11月1日(火)放送)の

録画で鑑賞

 

『虫おんな』

(マスターズ・オブ・ホラー)
レズビアンの昆虫学者が知り合った女性と

交際していく内に常識では考えられない「虫」の

存在が二人の人生を大きく変える
ラッキー・マッキー監督の趣味嗜好が

爆発したゲテモノ恋愛ホラー。
神経質そうなアイダと相思相愛で

若くてどこかクセのあるミスティ。
レズ描写がとても明朗に描かれていて

全然ホラーのホの字も出ないくらい
多幸感に満ち溢れているのが

見ていて気持ちが良いですね。


部屋は昆虫だらけ、ミスティはホラー映画好き!

なんて素敵なカップルなんでしょーか!
ナナフシの化け物みたいな虫に

操られるとまるでミスティが「シャイニング」の

ジャック・ニコルソンのようにキレて
常軌を逸した名演を披露するのはビックリ仰天。
リアルでこんな人いたら近寄りたくないけど、

フィクションの世界なら大歓迎。
KNBが手掛けた特殊効果はTVムービーの

枠を超えた大変贅沢な良い仕事をされています。
ハイアングルで捉えるカメラの動き。
マッキー監督が尊敬するダリオ・アルジェントを

思わせるオマージュ的な撮影技法にウットリ。
いやはや上手い事作りましたなあ~♪
2016年11月30日(水)鑑賞。