E-Smile, E-Life.


小学生の息子のバレエの発表会を見に行った。

まず、びっくりするのは、化粧。誰かわからんほど濃いー化粧。
日常生活ではあり得ない。でもこれが舞台に立つと、ちょうど良く見えるから不思議なものだ。

で、舞台を見ていると、ひとりものすごい表情豊か、というか、めまぐるしく表情を変えるダンサーがいた。
悲しそうな顔・うれしそうな顔・笑顔・真剣な顔。その顔がめまぐるしく変化する。これも明らかに日常生活ではあり得ない過剰な表現だ。
舞台の上だからあれくらいしてもおかしくないのか。いやちょっとこのダンサーの表情の過剰さは過情すぎて、失礼ながらその表情を見ているとおかしさがこらえきれなかった。


そこでふと考えた。


従業員をキャストと呼ぶディズニーランドの例を挙げるまでもなく、我々は日常、仕事という舞台で「演じて」いる。
この演技はどの程度の「濃さ」が適切なのか?


例えば接客におけるコミュニケーションはどうか。
薄すぎたら無関心、濃すぎたらウソっぽいし鬱陶しい。

淡々とマニュアル通りに物事をすすめ、こっちが少し冗談ぽいことを言ったりしてもスルーするようなのは無情。
何を言ってもニッコニコでウンウンとうなずいて、へぇーっと相づちを打ちまくり、表情も大げさすぎるのは過情。

どちらもその人からはものを買う気になれない。大切な仕事をたのむ気にはなれない。


相手を見ながら無情と過情のあいだをはかる高度なテクニックが必要なのではないか。

この演技の塩加減が上手な人が、感じのいいひとで、仕事ができるひと。


あ、息子のバレエはですね。なんせ男の子のバレエダンサーは貴重な存在。
王子様状態で並みいる女子の真ん中で踊らせてもらってましたよ。
これがニッチを狙えってことですね(笑)。