東野 圭吾 「どちらかが彼女を殺した」です。

講談社文庫から。




どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)/講談社
¥620
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【裏表紙から引用】



最愛の妹が偽装を施され殺害された。


愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は、独自の”現場検証”の


結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。


もう一人はかつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、


その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。


殺したのは男か?女か?究極の推理小説。



【ひとこと】



純粋なミステリ小説です。

あらすじのとおりのフーダニット小説。

容疑者二名なので二択です。


主人公は、自殺に偽装されて殺されてしまった「彼女」の兄。

遺体の第一発見者である彼は、不自然な現場の様子を独自に検証し

警察に対しては、「自殺」という処理をさせて、誰が妹を殺したのか

その真相に迫り、復讐を遂げようとします。


警察が自殺で捜査を終えようとしているところ、一人納得のいかない

刑事がいます。

加賀恭一郎です。本作は彼の登場するシリーズでもあります。

早くから現場の不自然さに気づき、兄の復讐を止めようとします。


どうやって殺したか、はかなり早い段階で明らかになりますが

誰が殺したか、というのは最後の最後までわかりません。

どちらが殺したのか、に関しては本編中でも明かされません。

読者の推理によって、明らかにすることができる、そういう

構成になっています。正直初見では無理です。


文庫版では、改訂がなされヒントが減らされている様子。


一応文庫版の解説ではヒントが出されていて解答まで

たどり着けるように配慮してくれています。

いろんなサイトで考察されているので、犯人やら決め手やらは

すぐにわかるでしょう。


提示された謎を解決してスッキリ!という本を読みたい方には

ちょっとおすすめできないです。

加賀恭一郎もかっこよかったけど、兄・康正もなかなかのキャラクター

でした。復讐は見事に果たした、私はそう感じます。



オススメ度 ☆☆☆