大阪2児遺棄事件 - Yahooニュース【8月3日15時26分配信 産経新聞】夜の街の託児所 シ | NEWS STAND

大阪2児遺棄事件 - Yahooニュース【8月3日15時26分配信 産経新聞】夜の街の託児所 シ

Yahooニュース【8月3日15時26分配信 産経新聞】より記事引用

【夜の街の託児所 シングルマザー 周囲の支え悲劇防げ】



 ■「仕事で疲れ…」育児放棄の危険性 

大阪市西区のマンションで幼い姉弟2人が母親の風俗店従業員

下村早苗容疑者(23)=死体遺棄容疑で逮捕=に置き去りにされ

遺体で見つかった事件。下村容疑者が働いていた大阪・ミナミの繁華街には

夜の街で働く母親たちのための託児所がいくつもある。
 

利用者には、子供を預けながら、女手一つで懸命に育てる

シングルマザーがいる一方

「雇う側の配慮がなければ、同様の育児放棄が起こる危険性は常にある」

と指摘する関係者もいる。

深夜、託児所を訪ねた。(八木択真)


ネオンが輝くミナミの繁華街で、雑居ビルの一室からあどけない声が響いていた。

約80平方メートルの空間は24時間営業の託児所で

10人ほどの子供たちが遊んだり眠ったりしながら母親の迎えを待つ。

玄関のチャイムが鳴ると目を輝かせ、一斉に入り口へと飛んでくる。

ミナミの界隈(かいわい)では、夜の街で働く母親向けの24時間の託児所が

少なくない。

この託児所でも利用者の約9割が、深夜まで営業する飲食店などに勤める

シングルマザーだという。

最も多い利用時間帯は午後8時から翌早朝まで。利用料は週5日で

月3万5千円前後だ。


日付が変わる直前に仕事を終え子供を迎えに来たシングルマザーの女性(32)は

今回の事件について「(下村容疑者は)精神的に参ってしまったのかな。

私は子供を置いて外出するなんてありえない。しんどいと思うことはあっても

この子の笑顔のために頑張れるから」

と話し、1歳の一人息子を抱きしめた。


しかし、利用者の母親のなかには、育児放棄と背中合わせの生活をしている人も

少なくないのが現実だという。

託児所の責任者の女性(33)は

「仕事中は託児所に預けてくれても、昼間は疲れ切っていて

家で面倒を見られない人もいる」

と打ち明ける。
 
実際、過去には子供の迎えに来ない母親と連絡も取れなくなり

やむをえず児童相談所に通報したケースもあったという。


捜査関係者によると、下村容疑者は昨年5月に夫と離婚した後

名古屋の飲食店で働いており、その当時は、店が委託していた

託児所に子供を預けていた。


身寄りがなかった大阪で、今年1月から逮捕されるまで勤務していた風俗店には

子供を連れて面接に訪れた。

店からは、寮としてマンションの部屋をあてがわれた。

事件を受け、ミナミの夜の街の関係者からは

子供を抱えたシングルマザーを雇う側の配慮の大切さを指摘する声も

相次いでいる。


ミナミのある老舗ラウンジでは面接の際、子供や夫の有無を

必ず聞くことにしている。

この店ではホステスの約1割がシングルマザーで

店は託児所と提携して預け先を確保している。

支配人は「子供を育てる知識がない場合は、店側もサポートしないと」と語る。


利用者の9割が風俗店従業員という別の託児所の女性園長(46)は

「たとえ託児所と提携していなくても、知らない土地に飛び込んでくる

女性が多い以上は、子供の預け先も配慮することも必要だと思う」

と指摘し、こう続けた。


「風俗店で働く女性には精神的に不安定な人も少なくない。

今回の事件は本人が悪いのはもちろんだけど

子を持つ女性を雇う側もそれなりの対応を考えないと。

同じような事件はいつでも起こる可能性があると思う」



最終更新:8月7日19時40分