【第４回】地球温暖化について、どう考えますか？
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| 地球は確かに温かくなりつつあるようです。20世紀の間に、地上の平均気温は0.6度上昇。氷河が後退、北極の海氷が薄くなっているのもこの影響と考えられています。「Think Japan」第４回目のテーマは「地球温暖化について」。あなたは地球温暖化について、どのように考えますか？ |
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| 温室効果ガスの増加による地球温暖化 |
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| 「20世紀中、地上の平均気温は0.6度上がり、 地球の平均海面水位は0.1～0.2m上昇した。21世紀中には、地上の平均気温が最大で5.8度上昇することが予想される」。気候変動に関する政府間パネル（IPCC）は、2001年に発表した第３次評価報告書でこう述べ、地球の温暖化に警告を発しました。同時に、1960年代以降、地球上の積雪面積が10％減った可能性が高いこと、山岳氷河の後退が広範囲で見られることなど、温暖化によると見られる影響にもついても言及しています。 この地球温暖化の大きな原因と考えられているのが、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの増加です。温室効果ガスは、地表面から地球外に向けて放たれる熱の一部を戻し、地表面の気温を保つ役割を果たしています。この温室効果ガスが増えすぎると気温が一定に保たれるだけでなく、上昇を始めるわけです。 |
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| 国立環境研究所理事・西岡秀三氏の視点 |
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| 現在のスピードのまま二酸化炭素に代表される温室効果ガスを放出し続けると、21世紀中に世界の平均気温が1.4～5.8度の範囲で上昇するといわれています。可能性が高いのは、約３度ほどの上昇でしょう。では、気温が上昇するといかなる事態を招くのか。２度上がると、農業生産が大幅に落ち、世界で水飢饉の被害をこうむる人が35億人ほどに達すると予測されています。マラリアなど媒介性の伝染病が流行し、熱波による被害も多くなります。気温上昇の影響を正確に予測をすることは難しく、もっと大変な事態になることも十分考慮しなくてはなりません。 いま放出されている温室効果ガスのうち、半分ほどしか海や樹木などは吸収できていません。残りの半分はどんどん大気に溜まっていっているのです。現在の放出量を半分にしなければならないわけですから、大改革が必要です。太陽エネルギーなど二酸化炭素をあまり出さないエネルギーに転換していくことも重要ですし、エネルギーをあまり使わない第三次産業へ需要をシフトすることにも意味があります。2003年度では、日本の二酸化炭素排出量の38％が産業、20％が運輸、16％が業務、13.5％が家庭。家庭の比率が低いようですが、ここでの動向がすべての分野に影響を及ぼしている。みなさんも、ぜひ消費生活を見直してみてください。（談） 西岡秀三（にしおか・しゅうぞう） 国立環境研究所理事。1939年、東京生まれ。東京大学工学部卒。旭化成工業を経て国立環境研究所勤務、東京工業大学教授、慶応義塾大学教授を経て現職。専門は環境システム学、環境政策学、地球環境学。 |
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| 地球温暖化についての取り組み |
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| 地球温暖化については国際的な取り組みがなされていますが、その代表的なものが「京都議定書」です。これは、1997年に京都で開かれた国連気候変動枠組条約第３回締約国会議において採択されたもの。二酸化炭素、メタンなど６種類を温室効果ガスと規定し、2008～2012年の間、温室効果ガスの排出量を削減する約束を国ごとに設定しています。主な国・地域の削減約束は、日本がマイナス６％、アメリカがマイナス７％、EUがマイナス８％です（1990年を基準とした数値。代替フロンなどは1995年基準。アメリカは未締結）。 二酸化炭素の排出量を抑えるのに効果があるのが「省エネ」です。発電のために石炭・石油・LNGなどの化石燃料を燃焼させると、その発電過程で二酸化炭素が出ます。日本では、化石燃料の燃焼による排出が全温室効果ガス排出量の約９割を占めており、省エネが温室効果ガス排出の抑制につながるのです。 日本の産業界では、対象とする機器のエネルギー消費効率を高めていく「トップランナー方式」など、さまざまな温暖化対策が取られています。しかし、日本全体の温室効果ガス排出量は大幅な削減に到らず、逆に2003年度の数値は京都議定書の基準年から8.3％増加しています。 原子力発電は発電過程で二酸化炭素が出ないため、原子力発電の割合を増やすことが温暖化対策のひとつだと考えられます。しかし、原子力発電は廃棄物処理、建物の耐震性などの問題が指摘されています。 あなたは、温室効果ガスを減らすためにどのような取り組みが必要だと思いますか？ 産業界で、また家庭でできることは何だと思いますか？ また、国際的にはどうような対策が要ると思われますか？幅広いご意見、お待ちしております！ |
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