日本の物づくりに光明が射してきました!
しかし、この会社60年の歴史が有るのです。
世界に知られる超ビッグ企業なのです、その会社とは静岡県本社
の「浜松ホトニクス」という会社です。
どんなにすごい企業なのか、やってること「社是」が凄いですね。
「PHOTON IS OUR BUSINESS
(光は我々の仕事)」
未解明の「光」に狙いをさだめて技術を磨くことを
「社是」としてきたと言いますから技術者集団ですね。
最新技術にプライドを持っている、競合会社がいないので 利益率
が高い、強みを維持するために研究開発費に利益の半分を投入
している。
良いサイクルが廻って世界中の研究開発者のため人類のため、
従業員のため会社の為に成っている。
単純故に他が追随できない強みですね。
それでは、朝日新聞が報道しています。
朝日新聞 朝刊 2013年8月19日付けニュースです。
(地域発・企業発)宇宙に迫る光センサー 浜松ホトニクス
万物に重さ(質量)を与えたとされる「ヒッグス粒子」や、
宇宙の至るところにあるとされながらいまだ観測されていない
正体不明の「暗黒物質(ダークマター)」――。
世界の研究者が探し求めた物質の存在を示す現象が今年、
相次いで発表された。
宇宙のなぞに迫る最先端の観測を支えているのが、
浜松市にある電子機器メーカー「浜松ホトニクス」だ。
■アンドロメダ、全体像撮った
肉眼でみえる最も遠い天体の一つ「アンドロメダ銀河」。
そのほぼ全体を一度の撮影でとらえた画像が先月末、公開された。
230万光年ものかなたにある巨大な銀河が一枚に
収まっているのに、画像を拡大しても銀河内にある星の
一つひとつが鮮明にみえる。
国立天文台の「すばる望遠鏡」(米ハワイ)に搭載した
高性能カメラで撮った。
1枚で写せる範囲は従来のカメラの7倍の広さで、
世界最大になる。
大幅な性能アップに貢献したのが、カメラの「目」にあたる
電荷結合素子(CCD)の進化だった。
浜松ホトニクスがつくったもので、ライターほどの大きさの
高機能CCDを従来の10倍以上の数の116個取りつけ、
カメラの画素数を8億7千万にまで高めた。
CCDをはじめ浜松ホトニクスの
「光をとらえる最先端の技術」は、
宇宙のなぞに迫る観測を支える。
■ヒッグス粒子、存在つかんだ
理論的には存在するとされながら確認ができなかった素粒子
「ヒッグス粒子」は今年3月、スイスの欧州合同原子核研究機関
(CERN)がついに存在を突き止めた。
この実験装置につかわれた光センサーも、浜松ホトニクス製だ。
CERNの加速器で、原子を形づくる陽子同士を光速に近い
速さで衝突させたときに生じる光を観測し、
ヒッグス粒子の存在をつかむ。
わずかな光を瞬時にとらえるには、
高機能の光センサーが欠かせない。
光は粒(光子)からなるが、光センサーで一度に
とらえられる光子の量はこれまで、
最高でも全体の25%程度だった。
浜松ホトニクスはそれを40%超にまで高め、
これまで逃していた光をつかめるようにした。
暗黒物質を追う国際研究チームの観測でも、
この光センサーが重要な役割を果たしている。
チームは4月、暗黒物質の存在の可能性を示す
「新しい物理現象を観測した」と発表した。
国際宇宙ステーション(ISS)の観測装置に据えられた
5種類の光センサーのうち3種類は、浜松ホトニクスの特注品だ。
宇宙空間に飛び交う無数の粒子をとらえるため
「センサーで感知できない『すき間』をなくした」
と同社電子管事業部の吉沢祐二製造部長。
ロケット打ち上げ時の振動にも耐えられる構造にするなど、
宇宙での観測ならではの苦労もあった。
■利益の半分は研究費
「PHOTON IS OUR BUSINESS
(光は我々の仕事)」
浜松ホトニクスは1953年に創業されたときから、
未解明の「光」に狙いをさだめて技術を磨くことを
「社是」としてきた。
創業したのは、世界で初めてブラウン管テレビに
文字を写しだして「テレビの父」と呼ばれた高柳健次郎氏の
門下生だった。
それから60年、国内外で1千億円を売り上げ、
3千人を雇う企業に成長した。
売上高の8割近くは光センサーが占める。
宇宙観測などの最先端機器だけでない。
医療器具にも応用され、陽電子放射断層撮影(PET)や
コンピューター断層撮影(CT)用の光センサーの世界シェアは
7~8割になる。
体内に取り込んだ検査薬から出るわずかな放射線などをとらえ、
内臓の状態を診ることができる。
他社との競合が少ない高機能品が中心のため、
売上高に対する営業利益の比率(営業利益率)は20%に迫る。
国内電機メーカーの多くが数%にとどまる中で、
利益率は群を抜く。
もうけの半分以上は、研究開発につぎ込む。
「まねしたものは必ずまねされる」との考えから、
世界最先端の技術を追い続ける。
■課に名つけず開拓促す(記者の視点)
浜松ホトニクスの組織は一風変わっている。
各事業部門の下に通常の会社の「課」にあたる組織が
計36部門ある。
ところが、どれも具体的な部署名はなく
「第1部門」などと番号だけをつけている。
事業領域を限定せず、新たな技術の開発でこれまでにない製品、
分野を開拓することを促すためだ。
未知の「光」が秘めた可能性は、
新興国などに押されぎみの日本のものづくりに
差し込む光明にみえる。
(鳴沢大)
◆キーワード
<ヒッグス粒子>
物質などのもとになる17種類の「素粒子」のうち
唯一見つかっていなかったもの。
素粒子は、(1)物質の大もとになるもの(12種類)
(2)のりのような役目を果たすもの(4種類)
(3)ヒッグス粒子、の三つに分かれている。
ヒッグス粒子は、素粒子に水あめのようにまとわりついて
動きにくくし、あらゆる物に重さ(質量)を与えるとされている。
<暗黒物質(ダークマター)>
人類がまだ観測できていない未確認の物質のこと。
宇宙にある物質やエネルギーのうち、
確認できている物質は4%ほど。
残りは、暗黒物質や暗黒エネルギーとされ、
いずれも正体が分からない。
物を引き寄せたり、引き離そうとしたりする力に
関係していると考えられている。
☆☆☆
手の届かない人類が永遠に行き着くことが出来ないであろう、
銀河の彼方に夢を馳せ限りない新技術を開拓しているかと思えば。
キチンと医療分野に最新技術を導入し光センサーの用途を拡大し
我々の健康増進に寄与しているということです。
こういう技術開発が町工場をバックにした日本の物づくりの
原点だったのでしょうが、マネシタ電器が水道方式と言う
大量生産、安売り方式を導入してから家電業界は衰退しました。
レアとマスプロダクトとの兼ね合い、移行が難しいですね
そうそう、この暑さもあまねく続くようです。
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