私がしばしば行く美術館のひとつが刈谷市美術館です。最近も行ってきました。
手段はいつもの通りJR東海道本線です。
金山駅を出て、途中いくつかの川を渡りますが、大府市の五ヶ村川を渡ると約 170mで境川です。そこから約 90mを隔てて流れる逢妻川は刈谷市です。境川が大府市(尾張)と刈谷市(三河)の境です。
そして刈谷駅に着きます。
刈谷駅には在来線の普通列車はもちろん、快速、新快速、特別快速の全てが停車します。
駅コンコースには刈谷市美術館の特別展案内がいつも掲示されています。
開催中だったのは「婦人之友社」が1914(大正3)年から日本が第二次世界大戦に突入するまで発行していた「子供之友」に描かれた原図展です。「描かれた大正モダン・キッズ」というタイトルです。
駅から徒歩約10分の刈谷市美術館にはいつものように企画展の案内が掲示されていました。
正面入り口もこのようです。
この展覧会では子供之友に使われた原画約150点が展示されていました。
この雑誌の初代絵画主任は北澤楽天でした。
私は北澤の特に四コマ漫画がウィッティで楽しいと思いました。
竹久夢二の絵では、よく見るなまめかしい美人画とは違い、子供たちが可愛らしく描かれています。ただ、第一次大戦中に描かれた「雪合戦」には「ラッパヲフイテ、ススメススメ。・・・」などと言う、戦意を煽るような詩もつけられていて、当時の子供たちの目が戦争へ向くのを助長していた様子もうかがえます。
前衛芸術家の村山知義は、プロレタリア芸術家として活動しますが、子供之友では、また違った絵(従来からの自分の絵を踏襲)を描きました。
武井武雄は「童画」ということばを生み出した画家だそうです。
その他にも岡本帰一、深沢紅子、三岸節子といった面々がこの雑誌に描いていたようです。
原図は婦人之友社が保有しているものですが、実際の雑誌も日本全国の図書館、あるいは個人から集められ、170余点が展示されていてました。
休日にもかかわらず入場者は少なかったのですが、全部見るのには結構時間がかかりました。
暑い日の夕方歩くのは疲れるので、「公共施設間連絡バス」(一種のコミュニティーバス)で駅まで行きました。数分のことです。お金持ちの刈谷市では刈谷市民でなくてもこのバスに無料で乗車できます。
この展覧会は昨年2月に東京の板橋区立美術館で始まり、兵庫県立歴史博物館へ回って、刈谷市美術館が3か所目です。6月4日まで開催されていて、6月24日から7月30日まで天童市美術館で開催される予定だそうです。
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