なごやんのBCL史(76)「放送局」ではないけれど | (新)なごやん

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名古屋からJリーグ アルビレックス新潟に熱い思いを送ります。旺盛な好奇心そのままに、アルビネタに留まらず、鉄道、芸術、SWL(短波・海外放送受信)、昆虫、等々、思いつくまま書いていきます。
これまでの「なごやん」にログインできなくなったため、こちらで続けます。

【背景】

 外国放送を探すべくダイヤルをクルクル回していると、時にピッピッピッと秒刻みのシグナルをキャッチすることがあります。

 また、かつては各国の電話会社が国際電話のため、短波を使っていました。

 今回は、そんな「変わり種」短波放送です。

 

【周波数および時報局】

from Japan

 日本でには小金井市にある旧 通信総合研究所(現 情報通信研究機構)が運営している標準時報局JJYがあります。標準時とともに周波数(2.5、5、10、15MHz)も標準化していました。

 放送を行っているわけではないのですが、受信報告に対しては受信証が送られてきました。

JJYの受信証

 

 

from China

 中国の標準時報局についてはこちらに書きましたので、参考にしてください。

 

from the United States

 米国の標準周波数・時報局の中心はコロラド州にあるWWVで、受信報告に対しては下図のように、折り畳み型の葉書というか封書というか、要するに郵便物で受信証が送られてきました。受信証の部分だけを切り取ってもよいように作られていますが、私は原型のまま保存しています。通し番号(serial No.)が記してありますので、「世界にひとつだけの」カードです。

 JJYは旧郵政省(現総務省)の管轄下にありますが、WWVは米国商務省(Department of Commerce)の下にあります。

W W V の受信証

 

 WWVのハワイ版とも言えるのがWWVHです。この局もWWVと同様、フォルダー式の受信証を送ってくれました。これにも通し番号が記してあります。

W W V H の受信証

 

from Australia

 オーストラリアの標準周波数・時報局はVNGです。1年の間を空けてログを遡ると、周波数の単位がMC(メガサイクル)からMHz(メガヘルツ)になっているのがわかります。また、送信所がメルボルンからリンドハーストに代わっています。この局の周波数はJJYやW W Vと異なり、12MHzです。

VNGの受信ログ

 

 VNGは、日本で言えば旧郵政省の管轄下にあったようで、「Australian Post Office」がそれを物語っています。

 この局も受信証を送ってくれました。

VNGの受信証

 

【国際通信】

from Japan

 その昔(笑)、国際通信(電話、電信)の主流は短波でした。日本では電信電話公社(電電公社)から分離した国際電信電話会社(KDD)が国際通信を担っていました。KDDはIDO等とともに、現在のKDDIの基礎になった会社です。(そんなこんなで、私の携帯→スマホはズーッとauにしています。)

 また、短波以外に有線でも通信を行っていて、KDDは1969年6月25日、直江津(現 新潟県上越市)と旧ソ連邦のナホトカの間にケーブル(同軸ケーブル)を敷きました。これによって日本とヨーロッパの通信が安定して行えるようになったといわれています。

日本海ケーブル完成記念初日カバー

 

 KDDも受信報告に対しては受信証を送ってくれました。

KDDの受信証

 

from occupied Ryukyu

 沖縄が米国に占領されていた時代、沖縄にも琉球電信電話公社(RTTC)があり、テスト放送を行っていました。SINPOコードを見ると、そこそこ良好に受信できたようです。

RTTCの受信ログ(英文のミススペリングはご愛敬ということで。)

 

 RTTCへは受信報告を送った記録がありませんので、送らなかったのでしょう。

 

from South Korea(ROK)

 玄界灘を挟んだ半島の大韓民国(韓国)にも似たような組織(韓国国際電気通信局,KITB)があり、テスト放送を行っていました。固有名詞を除き、アナウンスメントは上のRTTCと同じでした。この世界の、いわば定型なのでしょう。

KITBの受信ログ

 

 この局へは受信報告を送ったのですが、返事はもらえませんでした。

 

from the United States

 米国、電話電信会社(American Telephone and Telegraph Company)の「ベル・システム(Bell System)」の受信証には「シングル・サイド・バンド(サイドバンド,SSB)」で送信していると書かれています。懐かしい言葉ですね。まあ、詳しい説明はやめましょう。知ってる人は知っているということで。

ベル・システムの大型受信証

 

 こういった「局」は世界中にもっとあり、また聴くこともできたのですが、そもそも私はこういった「放送」に特別興味を持っているわけでもなかったので、記録として残っているのはここに記した局くらいです。

 どれも受信証は1枚しか持っていません。一度受信報告を送って返事がなかった局に対してもう一度送ることはありませんでした。

 

 ということで、次は「番外」を挟んで、またいつものシリーズに戻ります。

 

これまでのBCL史はこちらをご覧ください。

 

相互リンク⇒アクティブなごやん(ゴートク、ブンデス、HSV)

シングル・サイド・バンド(SSB)も受信できます⇒

 

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