前回の記事は、こちら─、
『 持たざる者が好んで用いるビジネスの建前 』
私の経験上─、
そのような人間が、
好んで用いる "建て前" がそれである。
「 大事なのは、お客様のニーズである!」
そう主張していれば、一見、
ごもっともなことを述べているようにも聞こえる。
曲がりなりにも人様からお金を貰って提供できるだけの、
高度な専門スキルなどというものは、
去年始めた人間が、今年にはどうにかなる話ではない。
下積みから始めて十年単位の取り組みの中で、
築き上げて行けるものである。
一人の人間が一度の人生において、
そう多く手に入れられるものではないのだ。
そういった確固とした専門知識を持たぬ者にとって、
そのような主張は、さぞかし居心地良く聞こえるだろう。
自分の専門知識の欠如に対して、
もっともらしい言い訳が立つからだ。
「 大事なのは、お客様!」
そう言われれば、誰も反論はできなくなる。
確かに─、
お客様は大事である。
お客様あってのビジネスなのだから。
そういった─、
先の先をとることで、あくまでも正論は自分の側にあり、
その自分に反論することは、
即ち─、
誤りを意味するという構図を、
作り出すことができる。
しかし─、
それは所詮、問題の論点をはぐらかさんとする、
言わばミスディレクションであり、
自分が見られなくない部分から、
相手の注意を逸らさんがためのトリックに過ぎない。
そこには─、
見られてはマズい落とし穴が、
あいていることに、変わりはないのだ。
( 次回へつづく... )
『 少なくとも売り上げゼロを回避する3つのチェックポイント 』