[ raregem ](レアジェム) / STUDIOLINE


道具として使うが故に、薄汚れ、擦り切れ、ひとつひとつの匁がまるくなり、

日々の仕事は記憶のように紡がれていく。


帆布の面白さは日常の使いようが表情へと変化していく段階にあらわれる。


あらたに手にした品物とともに過ごしていくその日々が、いくつもの季節が、

うつくしい記憶となって漂う。


100有余年動いてきた織機でなおもつくられる倉敷産の厚番手帆布は、

頑丈な匁の詰まった厚さと、持ち運ぶ為の軽さという

繊維生地の本質を高い次元で兼ね備えている。


1941年製シンガーミシンと昔ながらの太い綿糸での縫製は、

極厚帆布には欠かせない装備だが容易く扱えるものではない。


歳月を重ねていかなければならない世界があるのだ。


そうだこれは家内制手工業なんだ。