魔神☆とゲレロは役員室に入った、その後に「ヒデ☨」が入ってきた


挟み撃ちという訳ではないだろうが魔神☆はヒデ☨の方を一度見た


「・・・」


室内に入るとジャニスはいつも通り役員机に足を乗せ煙草を吹かしていた



『お疲れ様です』


魔神☆がそういうとジャニスは役員室入り口で立つ二人の方を向いた


『しばらくだな・・・まぁ座れ』


『はい』


魔神☆とゲレロは応接ソファーに座った


ジャニスは机から足をおろしゆっくりとソファーへ歩いてきて向かい側へと座った


『元気そうだな・・魔神☆』


『ええ、何とか・・』


『ゲレロ、君も魔神☆の護衛ご苦労だったな』


『・・・はぁ・・』


そういうとジャニスはくわえてた煙草を消し、再び新しい煙草を取り出し口にくわえた


「カチン・・シュボ」


「・・・フゥー・・・」



『北陸での出来事の報告は全て受けている・・・』


「どこまで知っているんだ・・・」


魔神☆はよ☆、KIKUへの行動、強者☆との対話、幾つもの懸念材料が浮かんだ


『今後、俺達はどうすればいいんだ?』


魔神☆は現在のHEAVENSとしてLegendをどう考え、どうしたいのかを問いだ


『俺達?お前たちは独立組織だろ、いちいち俺の指示を受ける必要はないだろう』


『代表、それはどういう意味ですかね・・・』


『言葉の通りだ・・』


『では、俺達はもう完全にHEAVENSではない・・・ということですかね?』


『そうではない、現にお前たちは何事もなく、ここまでたどり着いているだろ』


「HEAVENS本部の役員室までの事か・・確かに普通の人間ではこの役員室まで来ることは不可能だな・・」


『分家・・と捉えるべきなのか?それとも昔の仲間のなじみだということなんですかね?』


『好きなように取るがいい・・・』


『それでは曖昧過ぎるんじゃないですか?代表・・』


『では、お前はどうしたい?HEAVENSに何を求める・・・?』


「そう来たか・・・」


『何かを求めているわけではない、今後の方向性としてLegendを同胞とするか敵対とするかという所を知りたいんです。現に俺は代表が引き入れた「よ☆」を殺している・・その報告はKIKUから受けてるんじゃないですか?』


『・・・』


ジャニスはよ☆の話を魔神☆が出すと大きくため息をついた・・・


『魔神☆、よ☆は独走して結果、仲間を裏切り、Legendに対し・・いや・・お前に対し刃を向けた・・・違うのか?』


『・・・確かに俺はそう認識はしているが・・俺達は組織だ、個人的感情での判断は禁物と考えてる・・・』


『そう・・その通り、よ☆に関しては・・・奴の行動から予測の範疇ではあったのは事実だ、だが、まさかお前が奴を殺すとは思わなかっただけだ・・本来であれば、奴は強者☆・・いや・・NEOSの誰かに殺されるだろうと思っていたからな・・』


『奴のやり方は非道でしたよ・・NEOSに殺されなかったのは、奴の計算が勝っていたからだろうと思います・・よ☆はずる賢い奴だ・・自分を守る為、野望を叶える為には女でも子供でも道具にしてしまう・・・』


『だからどうした?その位のやり方をしなければ、NEOSは墜ちないとは考えれないのか?』


『・・・確かに・・彼は元NEOS、普通のやり方では即殺されるでしょうね・・・なるほどね・・そういう見方もあるかもしれませんね・・』


やけに素直にジャニスの意見を聞きうける魔神☆の姿にゲレロは怒りを感じていた


「ジャニス代表は・・俺達を捨て駒にしNEOSと抗争、よ☆との抗争でLegendを潰そうとしてたんじゃねーのか!」


『お言葉を返すようで申し訳ないんですが、ジャニス代表いいですか?』


ゲレロは我慢ならずに声を張った



ジャニスはゲレロを見た・・・



『何だ言ってみろ・・・』



『ジャニス代表は、よ☆をどのように考えていたんですか?俺達は本当に殺されるところでした、あのKIKUとかいう奴は現在HEAVENSにいるんですよね?俺はあの野郎を絶対に許せません・・』


『ゲレロ・・・では、KIKUを殺すということか?』


『そこまでは言ってないですけど、次あったら判りませんね』


『そうか・・その時は・・お前たちは敵になる時だな・・』


「!?」


『何っ!』


立ち上がろうとするゲレロを魔神☆が止めた・・


『代表・・そういうことですか・・』


『そうだ・・お前たちは敵になり得る反乱分子と判断せざる負えない要素があると判断する・・』


『例え、NEOSの強者☆を殺ったとしても・・・ですか?』


『あぁ・・そういう事になるな・・』


『なるほど・・では、KIKUに会ってもにっこり笑って協力し合えと言う事ですかね?』


『そうだな・・あいつが今後、どう行動するかで奴の状況も変わるがな・・・だが、現状を聞かれたら、そう答えるのが組織というものだ』


『なるほど・・判りました・・』


『・・・』


『代表、Legendとしての今後の希望をお伝えしたいのですがいいですか?』


ジャニスは無言で手を差し伸べた


『HEAVENSの意志意向は理解しました、どう動くはLegend次第と捉えてもいいという事と考えます、そのうえでお伝えします・・・うち等Legendは、HEAVENSとは決別し独立組織としてこのまま行動します、その意を理解して貰う為にも、俺はHEAVENSではなく貴方(ジャニス)の意志を尊重したい、共に行動を100%はしかねる・・・何故ならば今後の日本の行く末を見なければいけない、という意志と大きな戦火を少しでも小さくしたいと考えるからです』


『随分と都合の良い独立組織じゃないか・・・魔神☆』


『はい、俺はジャニス代表、貴方に拾われたのであって、HEAVENSに拾われたのではないですから』


『そんな言い分通るとでも思っているのか?』


『思いませんね、でもそうさせてもらいます』


『例え、反目になったとしても・・・か?』


『はい、その時は死ぬ気でいきますよ・・・(苦笑)』


ジャニスは少し笑みをこぼした・・・


『いいだろう・・・本日付でLegendはHEAVENSの名簿から削除する、俺達に向ける刃があるとしたら・・その時は徹底的に潰す・・・いいな?』


『はい』


『よし、ではいつまでもここに居ては危険だろう・・帰れ・・』


『長い間・・お世話になりしまた・・』


魔神☆は深々と頭を下げ、HEAVENSのバッチを服から外しテーブルへ置いた


席を立ちあがり出口へと向かう時ジャニスが言った・・・


『魔神☆・・』


『はい』


『強者☆はお前から見てどんな奴だった・・・』


魔神☆は全てを見透かしている・・そう感じた・・


『思想の違いこそあれども・・・味方ならば心強い存在であり、敵であれば脅威と感じます・・』


『そうか・・・見誤るなよ・・魔神☆』


『はい・・』



魔神☆達は役員室をあとにした・・・