●選出選手ですらクビひねる日本の球宴ファン投票
6月26日付日刊ゲンダイの記事
25日に発表された球宴ファン投票。パは日本ハムから両リーグ最多得票(42万6066票)の稲葉をはじめ計8人が選出され、セでは巨人から阿部ら4人が選ばれた。
だが、毎度のことながら、選ばれた中には、「ん!?」という選手がいる。例えば投手部門(中継ぎ)1位になったオリックスの平野だ。
昨季のパの最優秀中継ぎとはいえ、今季は大不振。交流戦だけで3本の逆転、同点弾を浴び、オリックス最下位の戦犯のひとりになっている。今季の成績は3勝3敗、防御率2.93。そんな投球内容もあって、投票締め切り直前の18日の最終中間発表では1位の増井(日本ハム)に約4万票差の3位にとどまっていた。
それが、この日の最終結果で大逆転。本人ですら申し訳なさそうにこう言ってクビをひねる。
「正直、『エッ!? マジで?』と思った。(中間発表などで)自分の名前が新聞にも載ってなかったし。全く予期していなかったので、広報の人に(選出を)聞いて驚いたぐらい」
3試合が行われる今年の球宴は、7月20日の初戦がオリックスの本拠地である京セラドーム大阪。地元ファンの後押しもあったのだろうが、この不可解な選出にはあるナインも、「本拠地開催とはいえ、ムリやり感のある選出ではちょっとねぇ……」と眉をひそめたほどだ。
それ以外でも、25日現在でパの規定打席到達選手で最下位打率.195の中田(日本ハム)も選出。パの投手(先発)1位が5勝(リーグ9位タイ=6敗)、防御率2.80(同14位)の斎藤(日本ハム)ときては、もう笑うしかない。
プロのトップ同士が最高のコンディションで互いの力をぶつけあってこその「夢の球宴」。今に始まったことじゃないが、人気優先、組織票の疑念も拭えない。これでは看板倒れもいいところではないか。そうでなくとも05年から交流戦が始まり、年々球宴への興味が薄れてきている。今に誰にも見向きもされなくなる。
●ロッテ 球宴ファン投票1位ゼロも大歓迎のワケ
6月20日付の日刊ゲンダイの記事
「別に悪い話ばかりではないんだけどね」
ロッテのチーム関係者が複雑な表情を浮かべながらこう話すのが、球宴(7月20日・京セラドーム大阪、21日・松山、23日・岩手)のファン投票の行方だ。
チームは現在、リーグ首位を快走しているにもかかわらず、18日に発表された球宴ファン投票最終中間発表では部門1位の選手が「ゼロ」。
すでに投票は締め切られているため、このままなら、チームが好調にもかかわらず、ファン投票で誰一人選ばれないという屈辱を味わう可能性が高い。(結果は二塁手部門で井口資仁選手が選ばれました)
通常なら、笑い事では済まないだろう。前出の関係者がこう言う。
「確かに、首位チームからひとりもファン投票で選ばれないのは恥ずかしいことかもしれませんが、逆に考えれば、選ばれなければ選手は球宴期間中、体を休められるわけですからね。球宴がある7月中旬というのは、シーズンでも一番、体が疲れる時期。後半戦を考えれば休んだ方がいい。選出されて出場を辞退すれば、後半戦10試合の出場停止というペナルティーもありますからね」
だが、しかし、球宴には前年優勝チーム監督の「監督推薦」という制度がある。
現在チームではエースの成瀬が7勝、グライシンガー、唐川が共に6勝を挙げている上、新人の益田がリーグ2位の18ホールドポイントを記録。
このままなら監督推薦で、4人全員が球宴に呼ばれるかもしれない。
「名誉」か「休養」か、どっちがいいのやら……。