「国立大が第一志望、私立大は滑り止め」という感覚が一般的だった40歳以上の親世代からすると、国公立大を合格したのに辞退する、という行動は理解できないかもしれませんね。
けれども、首都圏・近畿圏の主な国公立大の合格者数と実際の入学者数には、意外と大きな差があります。
辞退率が上位の国公立大学(首都圏&近畿圏限定)
1.兵庫県立大学:33.8%
2.横浜市立大学:30.7%
3.大阪府立大学:29.4%
4.首都大学東京:21.8%
5.滋賀大学 :20.4%
6.埼玉大学 :19.5%
辞退率が低い国公立大学(首都圏&近畿圏限定)
1.一橋大学 :0.4%
2.東京大学 :0.5%
2.京都大学 :0.5%
4.東京工業大学:2.3%
5.大阪大学 :4.5%
6.神戸大学 :5.3%
(両方のデータとも08年度分)
全国区の有名大学では辞退率が低い一方、上記データに挙がる国公立大学では、辞退率が高くなっています。あらかじめ辞退者が出ることを見越して、本来の大学定員よりかなり多めに合格者数を出す大学や、追加合格を認める大学も少なくありません。
地元で就職するなら、今でも断然地元の国立大学が良いのですが、今は地場産業が衰退しています。東京で就職するならと、早慶など東京の有名私立大を選ぶ受験生も多いのではないでしょうか。
あと、センター試験の科目が少ない大学にはもともと私大専願者が集まり、辞退率が高くなっていると見られます。
センター試験利用入試の拡大で、高校側もとりあえずセンターは受けさせる。受験生側にも「せっかくだから国公立大も受けとかないとモッタイナイ」という感覚があるように思います。
最近では、センター試験の自己採点の結果だけで、「受かりそうだから」と出願して合格しても、最終的に「自分の行きたい大学では無い」と入学手続きをせず、浪人して別の大学を目指す「合格浪人」もここ数年増えてきているとか。
国公立大学だからといって、何もせずに入学者が集まってくる時代ではないようですね。